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美浦ウッドチップコース閉鎖の余波は?リーディング上位厩舎の調整方法を探る(辻三蔵)

  • 2019年07月23日(火) 18時00分

美浦調教馬の主流となったポリトラックコース


 美浦トレーニング・センター(茨城県)は、6月24日(月)から9月2日(月)まで南調教馬場Bコース(ウッドチップ)、Dコース(ダート)が改造工事で閉鎖。

 2回福島(8日間)、2回新潟開催(12日間)の3カ月間は、主要調教コースの南馬場B・ウッドチップコースが使用できない。

 美浦調教馬は坂路、南馬場C・ポリトラックコースが主流になった。直前追い切りだけではなく、中間の調整でもウッドチップコースが使えず、運動量の確保が重要になる。

 厩舎力が問われた2回福島開催は、斎藤誠厩舎が最多の7勝を挙げた。坂路(5勝)、ポリトラックコース(2勝)を使い分けて、勝ち星を積み重ねた。元々、ハードトレーニングを信条にしており、夏場でも鍛えられるノウハウがある。調整力の高さを発揮し、関東リーディング3位(JRA25勝)に上昇した(データは2019年7月22日現在)。

 関東リーディング5位(JRA20勝)の栗田徹厩舎はウッドチップコース閉鎖を見据えて、春からポリトラックコースを積極活用。今年の直前追い切り成績は、ポリトラックコース8勝(勝率35%)、ウッドチップコース7勝(勝率18%)、坂路4勝(勝率7%)。

 プロキオンS(GIII)を制したアルクトスは今春、ポリトラック調教に切り替えて3連勝。関西馬優勢の3回中京開催(栗東90勝、美浦6勝)で2勝し、厩舎力向上を示した。

 関東リーディング4位の藤沢和雄厩舎(JRA23勝)は例年通り、函館、札幌開催に重点を置く。1、2回函館開催で[4-5-1-6](勝率25%、複勝率63%)と好成績を収めた。

 1回札幌開催には有力2歳馬がスタンバイ。2歳新馬は牧場での乗り込みを進めて、札幌競馬場に移動。滞在競馬で環境に慣れることで力を発揮させる。

 アルファウェーブ(牡、父Gleneagles、母Waveband)は調整先のノーザンファーム天栄から7月6日(土)札幌競馬場入厩。7月27日(土)札幌5Rメイクデビュー札幌(芝1500m)をルメール騎手でデビュー予定。

 セルフィー(牝、父スクリーンヒーロー、母セルフプリザヴェーション)は調整先のファンタストクラブから7月13日(土)札幌競馬場入厩。7月28日(日)札幌5Rメイクデビュー札幌(芝1800m)でデビュー予定。

 メリディアンローグ(牡、父ディープインパクト、母ジョリージョコンド)も札幌競馬場に入厩。8月4日(日)札幌5Rメイクデビュー札幌(芝1800m)でデビュー予定。

 一方、美浦在厩組は入厩時期を早めて、1カ月間の調整期間を設けた。週に5日、坂路入りし、体力作りに励んでいる。

 カトゥルスフェリス(牝、父ディープインパクト、母ステファニーズキトゥン)はノーザンファーム天栄から7月10日(水)美浦トレセン入厩。8月11日(日)新潟5Rメイクデビュー新潟(芝1800m)でデビュー予定。

 サンクテュエール(牝、父ディープインパクト、母ヒルダズパッション)はノーザンファーム天栄から7月10日(水)美浦トレセン入厩。8月11日(日)新潟6Rメイクデビュー新潟(芝1600m)でデビュー予定。

 藤沢和雄厩舎は今年の直前追い切り成績で、美浦坂路10勝(勝率19%)、美浦ウッドチップコース9勝(勝率13%)。美浦坂路の使い方を熟知しており、ウッドチップコース閉鎖の影響は考えなくていい。

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