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【アイビスSD追い切り】昨年時、近走との比較で期待できるのは…

  • 2019年07月24日(水) 18時00分

動き自体はかなり見映えしたダイメイプリンセス


 先週末は函館競馬場でのお仕事。実は人生初の函館だったので、この機会に土日は調教を見に行くことに。金曜日に事務所へお邪魔した時に競馬場を見ていましたが、非常にこじんまりとしている印象。その最内にあるのが、ウッドチップ馬場ということで、最初はハロン棒の位置に戸惑いまくりました。

 日曜日に追い切りが行われていたので、そこでは栗東と同じように時計をとりましたが、アイビスSDに出走予定のカイザーメランジェはさすがの動き。前走の重賞勝利はフロックではないと思いますし、状態も良さそうです。それ以外にも函館滞在の追い切りを確認することができましたし、なにより実際の函館Wで時計をとったことによって感じることもたくさんあったので、そういった経験を今後の予想にもしっかりと役立てていきたいと思います。

【アイビスSD/ダイメイプリンセス】

 昨年の覇者で直線競馬は3戦3勝。近走成績が不振でもこの条件になればと期待したくなるのは当然でしょう。ただ、調教捜査官としては、調教の動きが直線競馬での好走時と比較してどうなのかというところがポイントになります。

 ちなみに中3週だった昨年は1週前追い切りが坂路で4F目最速ラップで、最終追い切りは坂路2F24.0秒の脚力を見せていました。今年は1週前追い切りこそ4F目最速ラップでしたが、最終追い切りは2F24.7秒。この0.7秒差をどう判断するかですが、ラブカンプーとの併せ馬の動き自体はかなり見映えしたことは間違いありません。

ダイメイプリンセス

この条件になればと期待したくなるダイメイプリンセス(7月23日撮影)


【アイビスSD/ラブカンプー】

 昨年の2着馬。直線競馬の経験はこれだけなので、この馬に関しても近走成績は無視しても大丈夫。ダイメイプリンセス同様、当時との調教内容の比較が今年の評価に直結するところでしょう。

 まず最終追い切り坂路での併せ馬の相手がダイメイプリンセスは同じ。遅れるという内容も同じですが、こちらも2F時計は25.6秒なので、昨年と比較して1.1秒遅くなっています。もともと併せ馬で動かないタイプだけに、見た目の動きは問題ないと思うのですが、ラスト1F13.2秒も要したところは昨年より評価を下げた方がよいかも知れません。

ラブカンプー

ラブカンプーは見た目の動きは問題ないと思うが…(7月23日撮影)


【アイビスSD/レッドラウダ】

 昨年の10着馬ですが、当時は無印にしました。その根拠は最終追い切りの4F時計。この馬の場合、4F51秒台という速い時計でこそ好走できる馬。最終追いで刺激を与えることが千直での好走につながるんだと思いますし、昨年はそれを実感できました。

 昨年の最終追い切りは坂路4F52.3秒。今年は4F51.1秒なので、正直、これだけで印を打つべき評価ということになります。近2走の千直凡走はともに4F時計が52秒以上。つまり、やっとこの馬の好走調教に該当したということになります。本命うんぬんは別として、今回の調教内容なら、近走からの変わり身が期待できるとは思います。

レッドラウダ

近走からの変わり身が期待できそうなレッドラウダ(7月23日撮影)


【アイビスSD/ビップライブリー】

 個人的に注目したのが最終追い切り。なぜなら、2走前1着時が坂路、前走がCWだったので、どちらの場所を選択するかで、アイビスSDに対する調教適性の評価が変わってくるから。結論から言えば、最終追い切り場所がCWは調教適性としては高くない、これがアイビスSDです。

 その6F時計ですが、前走は破格の77秒切りでしたが、今回はごく普通な82秒台。たとえ調教適性が低いCWでも最終追い切りの時計が速ければ、一考の余地があると思っていましたが、この時計だとあまり調教内容に魅力を感じない。それが正直な感想です。

【アイビスSD/ナインテイルズ】

 昨年の3着馬ですが、昨年の中5週とは違い、今年は中11週での出走。しかし6月には栗東へ帰厩し、レースへ向けての調教の準備は着々と進められています。1週前追い切りは坂路4F53.0秒、2F24.6秒とこの馬らしい、後半がしっかりした動きでした。

 1週前追い切りに関しては昨年とほぼ同じか、むしろ今年の方が評価したいくらいですが、最終追い切りは昨年が3F目12.3秒、4F目11.8秒と素晴らしい伸びだったのに対して、今年は13.0秒、12.4秒。切れ味としては、レベルダウンしたような感じがするだけに、昨年本命を打った馬ではありますが、今年はそこまでの勢いがない印象があります。

◆次走要注意

・7/21 3歳未勝利【キュウドウクン】(1人1着)

 パドックでは少しチャカつくようなところも見せていましたが、このあたりはプラスになった馬体重も応えたと思います。まだ上積みがある馬体での勝利ですから、昇級しても通用すると思いますし、やはり外枠がベストでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1000m]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【ウーマンズハート】
 デビューは来週が予定されているようですが、陣営としては番組を迷っているようです。血統は短距離ですが、動きを見れば、マイルでも十分にやれそう。いずれにしても動きに余裕があって、行きたがるところがないのも魅力。2週続けてCWでしっかり動けているだけに、どこを使っても勝ち負けだとは思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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