アイビスサマーダッシュとの関連で次走で有利に働くのは…
夏のローカル開催は牝馬が強いと言うが、コースがほぼ平坦で小回りというところに起因するとされている。確かにスタミナ、パワーがもとめられるより、スピード、切れ味が生きるコースなら牝馬向きだろう。
直線1000米のアイビスサマーダッシュは、その点、牝馬向きだ。
過去18回のうち牝馬が12回も勝っている。この10年に限っても、6勝して2着4回、3着5回だから、馬券圏内の半分は牝馬によって占められていることになる。昨年は、1、2着が牝馬で典型的なレースだった。
優勝したダイメイプリンセスは、前走が中京のCBC賞で9着、後方から差を詰めるだけに終わっていたが、春には新潟の直線1000米で2連勝していた。アイビスサマーダッシュではこの実績が評価され一番人気だったが、レースでは行き脚がちがって中団より少し前の位置につけ、残り200米、抜群の手応えでスペースをみつけた瞬間ギアチェンジし、2002年にカルストンライトオがマークしたレコードに0秒1差の53秒8の好タイムで差し切っていた。
とにかく圧巻の強さで、直線1000米は3戦3勝、この距離のスペシャリストの1頭と言える。
2着のラブカンプーはダイメイプリンセスとおなじ森田きゅう舎の3歳馬。開業5年目の森田調教師は、これがJRA重賞初制覇で、しかも牝馬のワンツーで決め、「ゴールした時は信じられなかった」と最高の結果に笑顔を見せていた。
今年は、ダイメイプリンセスの連覇がかかるが、去年2着馬に騎乗していたM.デムーロ騎手が手綱を取るのも興味がわく。
牝馬に限らず、この舞台で2戦2勝の牡4歳馬ライオンボスの存在が目立つ今年の1000米戦だが、やはり、他の牝馬にも注目しておきたい。適性の高い4歳馬カッパツハッチ、ラブカンプーは忘れてはならないし、過去このレースで3着、4着と粘っている5歳馬レジーナフォルテだって、上位に食い込む可能性はある。
このアイビスサマーダッシュとの関連で次走で有利に働くのは、阪神のセントウルSだということをつけ加えておきたい。
それは、毎年それほどペースが速くならない上に、開幕週で前に行った馬が止まらないことが多いからだ。アイビスサマーダッシュで行きっぷりの良かったものはマークしておくべきで、走るリズムにかなりの影響を与え、その後のスプリント戦に生きてくる。また、差し馬でもここを走ったことで行きっぷりが良くなる馬もいることも覚えておきたい。