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“馬イベント”盛り沢山のうらかわ馬フェスタ2019【前篇】

  • 2019年07月31日(水) 18時00分

結婚式から生産牧場表彰式、にゃんこスターまで登場!


 去る7月27日(土)、28日(日)の両日、浦河町において「うらかわ馬フェスタ2019(第34回シンザンフェスティバルとジョッキーベイビーズ北海道地区予選)」が、同町西舎のJRA日高育成牧場内特設会場で開催された。

 27日(土)は、午後に一時小雨となったものの、前夜祭の始まる夕刻の時間帯には雨もすっかり上がり、翌28日(日)もまた、終日これ以上ないほどの好天に恵まれ、会場には大勢の来場者が訪れて、馬産地らしい“馬イベント”を堪能した。

 初日土曜日のオープニングは午後5時。最初に今後1年間、浦河町の観光PR役を担う第33代ミスシンザンの2人が舞台上にて発表、紹介された。今年選出されたのは、玉沢有美さん(日高信用金庫勤務、21歳)と、淡路瑞綺さん(ひだか東農協勤務、20歳)。前任者である第32代ミスシンザンの澤田悠さんと上田好美さんよりバトンタッチされた2人は、「これからいろいろなことを学び全国に浦河町をPRしたい」(玉沢さん)、「競走馬や全国一の生産量を誇る夏イチゴをPRしたい」と抱負を語った。

 2人は、明年1月、京都競馬場で行われるシンザン記念の表彰式に出席し、ウイナーズサークルでプレゼンターを務める予定である。

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PRに向けて抱負を語った第33代ミスシンザンの2人

 土曜日は馬上結婚式が毎回メーン行事である。今年も全国各地から多数の応募が寄せられ、その中から、兵庫県の河田啓祐さん(26)麻美さん(25)、そして、地元浦河から、中脇光さん(27)と志津香さん(27)の2組が選ばれ、多くの来場者がジンギスカンとビールで盛り上がる中をJTA日高育成牧場提供の儀仗馬車で入場し、会場内から多くの祝福を受けていた。

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メーン行事である馬上結婚式にて馬車で入場する中脇ご夫妻

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馬車を曳くのはイッツ号

 河田麻美さんのご両親は、今を去る28年前の平成3年(1991年)に、この馬上結婚式を当町で経験しており、この度「親子二代」にわたる馬上結婚式カップルとなった。会場にははるばるご両親も宝塚市より駈けつけ、愛嬢の晴れ姿を見守っていた。

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「思い出に残る町になりました」と語った河田ご夫妻とご両親

 河田さん夫妻は「初めて浦河に来ましたが、街並みがきれいで町民の方々にも暖かく受け入れて頂き思い出に残る町になりました」「ウェディングドレスを両親に見せることができ、本当に嬉しいです」と涙しながら語った。

 また中脇光さんは、浦河町内で父の栄さんとともにMAXトレーニングファームを営んでいる。会場には家族を始め、多くの友人知人がお祝いに集まり、盛んに祝福の声がかけられていた。「毎日が楽しい家庭を築いて行きたいです」「浦河の軽種馬生産業界を盛り上げて行きたい」と熱く語り、会場から多くの拍手と歓声が飛んだ。

 実行委員会より結婚証明書が2組のカップルに手渡され、指輪の交換の後、最後に「愛の炎」をトーチに点火し、馬上結婚式は幕を閉じた。

 雨上がりの後の蒸し暑さの中、続いてG1優勝馬生産牧場表彰が行なわれた。これは過去1年間の町内生産馬が交流を含むG1競走優勝馬が対象で、今回は昨年11月4日、京都で行なわれた「JBCレディスクラシック」優勝馬アンジュデジール(生産、辻牧場)と、今年2月17日東京の「フェブラリーステークス」を制したインティ(生産、山下恭茂牧場)の二牧場に実行委員会より賞状と記念品が授与された。

 当コラムでも以前触れた通り、インティの生産者・山下恭茂氏は現在もなお入院加療中であることから、表彰式には義兄の桑田博氏が参列し、義弟に代わって賞状と記念品を受け取った。

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インティの生産者・山下恭茂氏の代理出席をされた桑田博氏

 次に恒例の「競馬グッズオークション」が行なわれ、アーモンドアイのキャップ&クオカードセットやインティのオリジナルトートバッグ&生写真(額入り、武豊直筆サイン入り)、ロジャーバローズTシャツ(角居勝彦調教師と濱中俊騎手の直筆サイン入り)やダーレージャパンオリジナルダウンジャケットセットなど逸品が数多く登場し、酔いも手伝ってどのグッズも高額に跳ね上がる盛況ぶりであった。最も高額落札だったのはインティセットの3万円。総額約13万円の売り上げとなり、町内福祉施設などに売り上げが全額寄付されることになった。

 土曜日の締めくくりは「にゃんこスター」のお笑いライブであった。2017年のキングオブコント準優勝の男女二人組であるにゃんこスターは、得意の縄跳び芸で会場に集まった子供たちを舞台上に招いての熱演で、文字通り「汗だく」になりながら、舞台狭しと縦横に動き回っていた。

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超売れっ子芸人にゃんこスターが熱演で締め括った(写真はボケ担当のアンゴラ村長)

 次週、もう一度、うらかわ馬フェスタについて書かせて頂く予定だが、最後に、28日(日)に行なわれたジョッキーベイビーズ北海道地区予選の結果について簡単に触れておきたい。予選2レース(5頭立て)の上位3人ずつ6人によって争われた決勝レース(ダート350m)を制したのは、モモに騎乗の大池晴駈(はるく)君であった。

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優勝したのはモモ号と大池晴駈君のコンビ

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「東京でも優勝したい」と抱負を語る大池晴駈君

 浦河ポニー乗馬スポーツ少年団所属の小学校5年生で、乗馬歴は6年。大池君は、兄姉4人に続いて大池家5人目の北海道代表の座を勝ち取り、来る10月13日(日)、東京競馬場にて開催予定の第11回ジョッキーベイビーズに出場することになる。「楽しく乗れました。指導して頂いている人々や仲間たちからのアドバイスを聞いてレースに臨みました。東京でも優勝したいと思います」と抱負を語り、JRA日高育成牧場の高嶋民治場長より、招待状を受け取った。

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第11回ジョッキーベイビーズへの招待状を手にした大池晴駈君


(以下、次週)

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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