こんにちは、むねひろ よしたかです。
30日(火曜日)にディープインパクトが亡くなるという競馬界に激震が走るニュースが入ってきました。
まず競走成績を振り返ると、14戦12勝。凱旋門賞は失格処分になってしまいましたが、現役で先着を許した馬は僅かに3頭。日本馬ではハーツクライしかいません。
まず驚いたのがデビュー2戦目の若駒S。当時の京都二千での2:00.8・33.6秒という走破時計と上がりタイムのこの優秀なバランスは驚異的でした。
続く弥生賞では勝利した12のレースのうち最小着差のクビでの辛勝で、重い芝よりも軽い芝の方が合っていることをデビュー3戦目で既に示しました。実際に敗れた有馬記念と凱旋門賞は共に重い芝が舞台でした。
無敗で三冠馬になったのはシンボリルドルフと同馬の2頭のみ。続く有馬記念ではハーツクライに敗れてしまいましたが、相手はドバイシーマクラシックを圧勝し、キングジョージでも歴史に残る死闘を演じました。
4歳緒戦となった阪神大賞典では、得意にしていない重い芝にしかも発表の「稍重」以上に道悪の影響のある馬場レベルの下での圧勝。計測不能の凱旋門賞以外の13戦全てでメンバー中最速の上がりタイムをマークしていますが、このレースでの36.8秒は13戦で最遅のもの。それだけ馬場がタフだったことを示しています。しっかり成長を示しました。
そして迎えた天皇賞(春)。2周目向正面までは終始最後方かそれに近い位置を進んでいましたが、一気に捲っていき4コーナー手前ではもう先頭。そこから後続を千切るレースぶりはゲームの世界のような異次元のものでした。
凱旋門賞を勝てなかったのは残念でしたが、帰国後のジャパンC・有馬記念を圧勝して現役生活に終止符を打ちました。
種牡馬になってからも、産駒は中央で開催されたGIを50勝もしており、ダービー馬はディープブリランテ・キズナ・マカヒキ・ワグネリアン・ロジャーバローズと5頭も輩出しています。本当に素晴らしい成績です。
日本での活躍馬はこれだけでももう十分と言えるほど優秀なものですが、残念なのは今後増えたであろうヨーロッパで走る産駒についてです。
ディープインパクトの父はサンデーサイレンス。その血はアメリカのものです。ヨーロッパ血統にマッチするのは当然で、英2000ギニーを勝ったサクソンウォリアー・仏ダービーを勝ったスタディオブマンのように、今ヨーロッパではディープインパクトの血は重宝されています。
もっともっと広がっていったことは容易に想像出来ます。この点が一番残念です。
競走馬としても種牡馬としてもこれまでの長い日本の競馬史の中での最高傑作であったことは、誰もが疑いようがありませんでした。
ただただ残念です。どうぞ安らかに。合掌。
◆小倉記念ターゲット馬→アイスストーム
(c)netkeiba.com
2走前の調布特別は軽い芝の東京で上がり32.5秒という素晴らしい切れ味を発揮。それだけに、前走の垂水Sは重い芝の阪神に替わることによる不安がありましたが、その心配を嘲笑うかのように快勝しました。
1000m通過が57.3秒というHペースで上がりを要するタフな流れになったのにも拘わらずアッサリと対応したあたりを見ると、かなり力を付けているのが分かります。“軽い芝での瞬発力勝負”・“重い芝での上がりを要する持続力勝負”と全く違う競馬での連勝ですから、今回が初重賞挑戦になることの相手強化に関しては全く心配要りません。十分に通用する力を持っていると判断出来ます。
ただ、レースぶりからは直線の長いコースに越したことはありません。小回りの小倉へのコース替わりが今回の課題となります。
ターゲット馬→アイスバブル
(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
3走前から二千よりも長い距離に使われ始め、二二→二四→二五と延ばされてきました。そして『1』・『1』・『2』着と成績が上がってきています。特に、前走の目黒記念は2:28.2のレコード決着となりましたが、同馬も従来のそれを1.2秒も短縮する好時計での走破でした。
上がりタイムに注目すると、これまで11戦のキャリアの中で一度も33秒台をマークしたことがありません。ここで2走でも34.5・34.7秒です。ライバル勢に比べると決め手に乏しい面は否定出来ませんが、それだけに今回の小回りの小倉のコース形態を味方にすることに出来ます。
ポイントは、やはり二千に距離が短縮する点でしょう。5走前は小倉千八で勝っていますが、距離が延びて良さが出てきただけにこの二千が忙しいのは否定出来ません。上がりを要する流れになれば。
ターゲット馬→メールドグラース
(c)netkeiba.com
1000万以下クラス→1600万以下クラス→新潟大賞典→鳴尾記念と2つの重賞を含む4連勝中。勢いは文句なくメンバー中一番です。しかも、2走前の新潟大賞典は軽い芝の瞬発力勝負、前走の鳴尾記念は重い芝の小回りコースと違った舞台設定にも拘らずの連勝でした。
ただ、1000m通過が60.4秒と道中の流れが落ち着いていたことも確かです。この小倉でも2戦2勝と良績があるだけに杞憂に終わる可能性も十分ありますが、前半からペースが上がるレースに対応出来るかどうかは一応の課題です。
あとは、斤量が57.5キロとトップハンデとなります。前走が別定戦の重賞勝利でしたが、これまで56キロまでしか背負った経験がありません。それが今回は一気に1.5キロ増となりますし、他馬との斤量差はポイントとなります。
棟広良隆が予想公開中の『ウマい馬券』はコチラ!