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【関屋記念】近年は基本的に堅いレース

  • 2019年08月09日(金) 18時00分

展開次第でどの馬にもチャンスはありそう


 関屋記念は枠順による影響はある(外枠が有利)が、脚質による有利不利は小さいレース。展開次第でどの馬にもチャンスはありそうだ。

 人気は鞍上を考えると休み明けでもミッキーグローリーだろうか。マイルCS5着はここだと格上感があるし、条件戦とはいえ新潟の好走歴もある。今回のリスクはやはり休み明け。ここまでの休み明けでは勝てておらず、その意味で1着固定は怖い。またかなりの大型馬でもあるので、そこからさらに増えていないことが買う上での前提条件になるだろう。

 3歳ケイデンスコールが人気を分けそう。人気薄でのものとはいえNHKマイルC2着、今回と同じコースの新潟2歳S勝ち馬だからコースも悪かろうはずはない。NHKマイルC好走馬というのはその後狙いにくい面もあるが、ここまで朝日杯以外はそれなりの競馬をしている馬でもあり、やはり軽視はできない。

 サラキアは前走のエプソムCで逃げて新しい面を出した。新潟ははじめてだが、速い上がりも使える馬だし、コースへの不安感は無い。展開に合わせてどのような競馬をしてくるか、楽しみだ。

 ソーグリッタリングは、極端な位置取りにならない一方で上がり上位をマークしてくるという、買いやすい馬。展開が前後どちら有利に触れてもそれなりに対応できるという意味で、軸馬にするには向いている。前走にしても、驚くようなスローだったわりにはよく対応できている。

 ロシュフォールは距離短縮にやや不安があるものの、前走については馬場と展開を考えるとノーカウントにしてもよいところ。差しタイプだが前崩れの消耗戦よりも団子状態からのよーいドンのほうが向くし、そのような前半の流れになったほうがこの距離でも追走しやすいはずだ。

 オールフォーラヴは連勝で勢いに乗っている。今回は速い時計になった場合に対応できるかが鍵。ただそこは逆説的な考え方もあって、どんな馬でも新潟ならある程度速い時計や上がりを出せると考えることもできる。その考え方だと連勝の勢いを素直に評価する手もあるだろう。

 ミエノサクシードは6歳になっても衰えた感じはないが、業界で言うところのワンパンチ足りない競馬が多くはなってきている。3連複、あるいは3連単の3着付けなら候補というところだろうか。

 昨年より臨戦過程が良いリライアブルエース、先行馬が残りやすい流れならフローレスマジックといったあたりも買い目に入れてみたいが、最近の関屋記念は堅めの決着が多い。8番人気以下馬の入れすぎには注意したいし、むしろ人気サイドから買い目をどうすっきりまとめるかのほうが重要なテーマだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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