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種牡馬だけでは選べない、サマーセールの難しさ(須田鷹雄)

  • 2019年08月13日(火) 18時00分

商品価値の高い種牡馬とは?


 この原稿が載るのは、HBAサマーセール1週間前というタイミング。一般的にPOGではサマーセール取引馬はあまり指名対象にならないが、実際の馬主は「安くて走る馬を探す」ことに成功すればそれだけ儲かる。現状一般に遊ばれているPOGは価格を反映しないため同じようにはならないが、「そういう馬を指名して成功するとカッコいい」ということだけは言えるだろう。趣味的な9,10位で当てて自分の見る目というかリサーチ力を誇りたいところである。

 さて、サマーセールは筆者も買い物のお手伝いがあるのでリサーチは進めているが、馬を選ぶときにプロフィールの中でいちばん目につきやすいのが種牡馬である。最近はサマーにも付加価値の高い種牡馬の仔が増えたように思うが、成績もその通りなのだろうか。

 筆者はサマーセールのデータを分析するときに、過去3〜13歳世代を対象にしている。それ以前を含めると古すぎるので、「勝ち上がりできたか確定しつつある3歳世代+その前10世代」ということで3〜13歳世代だ。

 この計11世代のサマーセール取引馬(後に2歳セールなどで取引された馬も含む)を対象に、「JRAのみを対象に産駒200出走以上(カク地除く)・1走あたり賞金」で10傑を選ぶと以下のようになる。賞金系の指標は活躍馬一発で大きく変わるので、出走に至った産駒の勝馬率も併記する。

赤本

 スクリーンヒーローのモーリス、マンハッタンカフェのフミノイマージン、マツリダゴッホのロードクエストなど、1頭で賞金を大きく動かしたケースがあるので、やはり勝馬率など他の指標を見ることは必要だ。

 こうして見るとサマーセールらしいというか、セレクトやセレクションとは違う発想が要求されていることが分かる。この中ではスクリーンヒーローとマンハッタンカフェが「商品価値の高い種牡馬」にあたると思うが、後者は勝馬率だとかなり低い。むしろゴールドヘイローやアドマイヤマックスに注目していた買い手が過去には成功していたことが分かる。

 参考までに、今回対象にした全馬の1走あたり平均賞金は85万円。サマーセールに産駒がいたら人気になりそうな種牡馬で、この線を割り込んでいる馬もいる。今年上場馬がいる種牡馬を挙げると迷惑をかけるのでそれ以外でいくと、タイキシャトル(79万円)、ブライアンズタイム(77万円)、スペシャルウィーク(50万円)、ダンスインザダーク(35万円)、ファルブラヴ(32万円)などなど。セレクトセールは有名種牡馬のクジ箱に手を突っ込めば重賞・GIが当たることもあるが、サマーセールになるともっとニッチでマニアックな発想やリサーチ力も問われてくることになる。そう考えると、本当はPOGの対象にして面白いのはこちらのグループかもしれない。

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