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【ブリーダーズゴールドカップ】実績ナンバーワンのプリンシアコメータ、昨年のリベンジなるか

  • 2019年08月14日(水) 18時00分

真夏の夜を彩る牝馬達の戦い


 盛岡のクラスターC、佐賀のサマーチャンピオンに続いて8月に地方競馬で行われるダートグレード競走3戦目は15日(木)門別競馬場で行われる『第31回ブリーダーズゴールドC』。2014年に牝馬限定重賞に生まれ変わって今年で6回目を迎えます。過去5年を振り返るとすべてJRA勢が勝利し、3着までもJRA勢が独占。地方勢は掲示板確保がやっとで、今年のメンバーを見てもその状況は続きそうです。

 中心となるのは昨年2着だったプリンシアコメータ。2017年、重賞初挑戦だったJpnI・JBCレディスクラシックでララベルと激闘を演じ、アタマ差2着。牝馬重賞戦線のトップクラスにいきなり躍り出たのち、続くクイーン賞で重賞初制覇。昨年2018年はエンプレス杯、ブリーダーズゴールドCで2着。さらに10月のレディスプレリュードを勝利し、重賞2勝目を挙げました。

昨年惜しくも2着に敗れたプリンシアコメータは雪辱を果たせるか(写真は19年エンプレス杯優勝時、撮影:高橋正和)


 しかしその後JBCレディスクラシック10着、クイーン賞10着と成績が安定していなかったのも事実。展開や大幅な馬体重増加…など不安要素を振り払い、今年に入って迎えた充実期。2月のエンプレス杯では早めに先頭に立つとそのまま押し切ってゴール。2着ブランシェクールに2馬身差、3着ビスカリアはさらに1.1/2馬身後ろでした。重賞タイトルは3つとなり、今回のメンバーではナンバーワンの実績。さらに前走・ブリリアントS(東京・L)では末脚を伸ばしたアングライフェンに屈したものの、粘って2着を確保(8番人気)。牡馬相手の好走後、改めて“1着”を取りに行きます。

 ビスカリアは今年1月のTCK女王盃を6番人気で勝利し重賞初制覇(1番人気だった昨年のブリーダーズゴールドC勝ち馬・ラビットランは3着)。続くエンプレス杯では3着。前走は福島の芝のレースに挑戦したため参考外(10着)。昨年のJBCレディスクラシックでは後方から上がり36秒6の脚を使って6着。直線で脚を活かせる展開になれば、上位を狙える1頭。要所要所でコンビを組んできた森泰斗騎手が、門別競馬場に参戦する点にも注目です。

TCK女王盃を制したビスカリアは再び森騎手とのコンビ(写真は19年TCK女王盃優勝時、撮影:高橋正和)


 ラインカリーナは前走で関東オークスを制したフレッシュな3歳馬。ブリーダーズゴールドCが牝馬限定になって以降、3歳で挑戦した馬は2015年3着ホワイトフーガ、2016年2着タイニーダンサー・3着ビービーバーレル、2017年2着クイーンマンボと好走例も多く、期待が高まる1頭。好ペースでレースを引っ張り、直線で後続を突き放すことができれば、古馬相手の勝利も夢ではありません。

関東オークスを制したラインカリーナが古馬に挑む(写真は19年関東オークス優勝時、撮影:高橋正和)


 アンデスクイーンは昨年のJBCレディスクラシックで5着に入り(12番人気)掲示板確保。2走前、6月のスレイプニルS(東京・OP)で後方から脚をため、直線で伸びて2着。牡馬に混じって好走しており、久しぶりの牝馬限定重賞で、あっと言わせる走りを見せてくれるかもしれません。

昨年、京都で行われたJBCレディスクラシックで5着の実績があるアンデスクイーン(写真は18年立志S優勝時、撮影:下野雄規)


 クイーンマンボは2017年マイティティーの2着。昨年はラビットランの3着、とこのレースで2年連続馬券圏内。近走は掲示板に乗れない戦いが続いていますが、関東オークスとレディスプレリュードを制している重賞2勝馬。復活の走りを見せて欲しいところ。

掲示板に乗れないレースが続いているクイーンマンボの復活にも期待したい(写真は18年レディスプレリュード出走時、撮影:高橋正和)


 ホッカイドウ競馬勢では地元重賞・ノースクイーンC3着のクオリティスタート、同4着のアルティマウェポンに注目。クオリティスタートは6月のヒダカソウCで重賞初制覇。アルティマウェポンは元JRA・1000万下からの移籍馬で、昨年10月のレディスプレリュードでプリンシアコメータの3着に好走歴があり、今回も一発に期待。

ヒダカソウCで重賞初制覇を飾ったクオリティスタート(写真は19年川崎競馬C1三・四組優勝時、撮影:高橋正和)


昨年のレディスプレリュードで3着の実績があるアルティマウェポンにも注目(写真は19年エンプレス杯出走時、撮影:高橋正和)


【今回のイチオシ馬】
・プリンシアコメータ
 初めての57kgがカギとなりますが、2015年・2016年のアムールブリエ、昨年のラビットランも57kgで制しており、他馬との力関係を考えれば克服可能。昨年逃したタイトルを手中に収めるべく、再びの挑戦です。

【気になる馬】
・アンデスクイーン
 地道に条件戦を勝ちあがり、牡馬相手に準オープン戦を勝ってオープン入りした馬と言えば、一昨年6番人気でこのレースを制したマイティティーも同じような戦歴。牝馬限定重賞で改めて狙ってみる価値あり。

 真夏の夜を彩る牝馬たちの戦い。同日最終レースには2歳牝馬限定・地方全国交流重賞の『第6回フルールC』も組まれている門別競馬場では、2つの牝馬重賞を記念して「シュエット・ジュマン・フェスティバル(素敵な牝馬の祭り)」も開催されます。可能な方は夏休みを利用して足を運んでみてはいかがでしょうか。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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