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インティ、北海道・浦河で過ごす夏休み

  • 2019年08月15日(木) 18時00分

秋にまた強い競馬を、第二の故郷で充電中


生産地便り

北海道・浦河で暑い夏を過ごすインティ(7月22日撮影)

 6月26日の大井「帝王賞」で6着と苦戦を強いられたインティだが、その直後、予定通りに北海道・浦河に戻り、暑い時期をここで過ごすことになった。

 思えば1年前の昨年7月には、まだ500万条件にいた馬である。それが、昨秋以降徐々に本格化し、あれよあれよという間に連勝を重ねてオープン入り。年明け1月に初めての重賞(1月20日、東海ステークス=G2)に出走すると、果敢に先行して1番人気に応えての優勝を果たした。その勢いを駆って、翌2月(17日)に初G1のフェブラリーステークスに挑戦し、ここでも素早く先手を奪って自分の形に持ち込み、見事1着でゴールイン。2戦目から続く連勝記録を7まで伸ばし、ダート界に新星が誕生したことを強く感じさせる印象的な一戦となった。

 しかし、インティにとって、その後の2戦は「追われる立場」「マークされる立場」になったことから、自分の勝ちパターンに持ち込むことができず、5月6日船橋の「かしわ記念」ではゴールドドリームの後塵を拝する結果となり、続く「帝王賞」でも、オメガパフューム以下、チュウワウィザード、ノンコノユメなどのダート巧者に先着を許して、デビュー戦以来2度目となる掲示板を外す結果になったのは周知の通り。

 ただ、重ねて言うが、1年前にはまだ500万条件で走っていたことを思えば、この1年の急成長は奇跡的と表現して差し支えない。オーナーである武田茂男氏も「この時期は涼しい浦河で充電させて、秋以降に、また期待しています」と言う。

 浦河にある武田ステーブルに帰ってきたインティは、3週間ほど運動を控え、歴戦の疲れを癒した。その後、運動を再開したのは7月22日のことだ。

 手綱を握るのは、ポール・ウィリアムソンさん(49歳)。一昨年秋から昨年春にかけてインティがここで長期休養していた時にも、主戦としてずっと調教をつけていた人だ。

「2年前と今との違い?性格だとか、動きなんかは変わらないね。ただ、トモは力強くなったとは思う。普段は本当に大人しくて、手がかからない馬です」とポールさん。

「でも、加減しながら調教しないと、テンションが上がるので、今は屋内の直線ウッドコース(1000m)を1本で済ませる日と、2本追う日を交互にしています。調教は軽めだね。今はまだ調整だから、そんなに負荷をかけないようにしています。基本的に単走での運動です」とのことであった。

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屋内のウッドコースを颯爽と駆け抜ける

 インティにとってもBTCは、通い慣れたいわば第二の故郷のような場所である。浦河は、先月下旬から今月初めにかけて、日中は30度前後になるほど暑い日が続いたものの、それもわずか10日間程度で終わり、ここ数日はまた例年の涼しい気候に戻っている。夕刻、日が落ちると気温は徐々に低下し、夜間から朝方にかけては20度を下回る。馬にとっては最高の気候と言えるだろう。

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気温も落ち着き、ベストコンディションでの調教となった

 武田ステーブル専務の浩典氏によれば「インティの調教、調整は、ポールさんに任せてあります。長期間、ここで調整していた時にもずっと乗ってもらっていたので、ポールさんが一番インティのことを分かっていますから(笑)」と全幅の信頼を置いている。

 今後の大きな目標は12月1日中京の「チャンピオンズカップ」だという。中京コースは初重賞を制覇した相性の良いコースであり、1800mも適距離である。そこを目指し、どんなローテーションになるかはまだ未定のようだが、秋にはまた「強いインティ」の競馬を見せてくれることを願っている。

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大目標「チャンピオンズカップ」で強いインティが見れることを期待したい

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岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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