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兄妹で同日V! ブラストワンピース妹はクラシックロード一直線!?/丹下日出夫

  • 2019年08月19日(月) 20時01分

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は、18日(日)札幌で兄ブラストワンピースとともに勝ち星を挙げたホウオウピースフルから! 鞍上の指示にすんなり応えたレースぶりから器用さがうかがえ、そのうえ完成度も早そうと評する丹下氏。じっくり仕上げた兄に対し、妹は早期の勝ち上がりとなっただけに、クラシックロードでの活躍に期待が膨らみます!(※評価はS〜Eの6段階)


ホウオウピースフル(牝・オルフェーヴル×ツルマルワンピース)


■18日(日):札幌5R・新馬/芝1800m/1分54秒1

 祖母ツルマルグラマーはファンタジーS2着。キングカメハメハ産駒の母は、芝7Fで2勝、ダート7Fで1勝。長兄はブラストワンピース(父ハービンジャー)、同日メインの札幌記念を奪取。

 半妹は父オルフェーヴルによく似た、464キロのバランスのよい栗毛。評判馬たちを完封、颯爽と新馬勝ちを決めた。

 前半1000mは66秒1の超スロー。正味2Fの上がり勝負とはいえ、上がり3Fは推定12秒5-11秒3-11秒1(3Fは34秒9)。タフな洋芝を思えばラップは極上。レース評価はDだが才能はAランク。

 9Fデビューとなったが、指示には素直、ソツなく好位に動かせる。マイルの切れ味勝負はむしろ望むところ。兄より完成度は早く、桜花賞からオークスまで、クラシックロードのど真ん中でピース。【評価D/適性・芝1600〜2000m】

ポレンティア(牝・ハーツクライ×ポーレン)


■17日(土):札幌5R・新馬/芝1500m/1分30秒9

 母ポーレンは、愛3勝(GIII勝ち)。4分の3同血の兄(現4歳)ムーンライトナイト(父ステイゴールド)は2勝。ハーツクライ産駒の本馬は、牝馬で488キロの美丈夫。まだ少し腰高、気合はおっとりめ。調教は無理に攻めてはいない、しかし一週ごとに加速力が増していく。

 いざ実戦でも、二番手に構え、3コーナー過ぎからグンとギアチェンジ。推定12秒0-11秒3-11秒3という良質ラップで、後続を3馬身差に完封。抜け出して一瞬、ソラをつかいかけたが、池添Jがひと気合。ハミを咥え直しフォームも滑らかになった。1分30秒9というタイムは、翌日の未勝利、クローバー賞より速く、ラップの精度も高い。

 鍛えれば、また違った味わいの馬体になる。今日のレース運びならコーナー4つのマイルもこなせるが、東京マイルも似合う。

 オレだけの大物みっけと、ニンマリした人もいるかもしれない。【評価B/適性・芝1600m】

シャンドフルール(牝・キズナ×バイコースタル)


■18日(日):小倉5R・新馬/芝1800m/1分52秒1

 母はノースヒルズの主戦繁殖、父はキズナ、松永幹夫厩舎、鞍上は武豊J。牝馬ながら510キロ――「走る」「走らせたい」要素がいくつも詰まっている良血。

 前半1000mは64秒0で通過、上がり3Fのレースラップは12秒1-11秒8-12秒2(36秒1)、1分52秒1という走破タイムも含め、数字面は平凡ながら、道中の位置取り、仕掛け、反応とも、レース運びはほぼ満点。

 日曜日の芝は、発表は良ながら、道中芝の塊が飛んでいくシーンが何度も映り、向き不向きのある、湿り気のある難しいコンディションだったか。

 稍重計算なら、一転価値あるものとなる。来春の着地点は、桜花賞というよりはオークス。想像力を掻き立てつつ、次走に注目。【評価D/適性・芝2000m】

リネンファッション(牝・キンシャサノキセキ×リネンパズル)


■18日(日):新潟5R・新馬/芝1600m/1分37秒9

 母系にブラックタイプ不在、444キロとやや小さめ。ただ、キンシャサノキセキ産駒にしては胴伸びまずまず。CWで6F追い2本、終い馬なりで1F・11秒6〜7をマーク、併せ馬で先着。坂路でも11秒台を出せる。パドックの周回は、おっとり。丁寧に仕上げてあるな。よくできた馬だな。

 新潟外回り特有の上がり3F決着となったが、11秒2-10秒5-11秒5(3Fは33秒2)というレース上がりを33秒0でひと差し。ラスト2F目10秒5という記録は、本夏の新潟開催新馬の2歳戦では最速。勝ち上がりはマイルだったが、10秒5の一瞬の切れは、7Fでより効果があるように思う。【評価C/適性・芝1400m】

ペコリーノロマーノ(牝・ロードカナロア×ヴィラ)


■18日(日):新潟6R・新馬/芝1400m/1分23秒2

 ロードカナロア×ディープインパクト配合。つるりと丸い首差しはなかなか。四肢は短め、トモは若干硬めだが、14日の坂路は52秒4。3F地点から37秒8へと加速、1F・12秒2と、滑らかな上がりをマークしていた。

 前進気勢旺盛、前半1000m・60秒1のスローを、頭高く、逃げ馬をジロジロ。ただ、主戦の武藤Jは、追い切りで手綱を握り、ソラを使う癖など把握済み。直線に入るとフォームを矯正、内回りコースで11秒9-11秒4-11秒7というラップは上質。腰回りなどの成長、輸送、坂コースなど、まだ未知数な面はあるが、古馬となり、イメージとすれば6Fの差し馬。【評価C/適性・芝1200m】

ショウナンバレリオ(牡・エピファネイア×ウインデンファーレ)


■17日(土):新潟5R・新馬/芝2000m/2分4秒2

 北海道トレーニングセール出身。直前の併せ馬こそ遅れたものの、CWで6F追いを重ね、幾度も1F・12秒前半のタイムを出していた。

 半兄ラクローチェは2勝(現3歳、父ハービンジャー)。462キロの中型サイズながら、エピファネイア×ダンスインザダークというパワー配合。押して出していってもバテないとみたか。1000m通過は64秒7のスロー。これはシメシメ、ラスト4F目から11秒9にピッチを上げ、11秒8-11秒4-12秒4で後続を完封。

 内回りは外回りに比べると、10秒台のラップが出ることは少ない。昨年ロジャーバローズは、同じ内回り2000mを2分2秒5で勝ったが、上がりは12秒6-11秒8-11秒7と、そんなには際立った数字ではなかった。

 2勝目は2200〜2400mだろうか。持久力勝負、今日の組み立てが基本。【評価D/適性・芝2200m】

ジュビリーヘッド(牡・ロードカナロア×ローズノーブル)


■17日(土):小倉5R・新馬/芝1200m/1分9秒5

 母ローズノーブルは394キロでデビュー、4勝を挙げた頑張り屋。二番仔も坂路52秒7、CWは6F・82秒2で古馬に先着。直前の芝コースの追い切りでは1F・11秒3。安田厩舎らしく仕上げは丁寧、入念にデビュー戦に備えてきた。

 前半3Fは34秒0。速くもなく遅すぎもなく、淡々とラップを刻み、ゴール前もうひと粘り。今週から仮柵を設置したCコースにかわったが、1分9秒5という時計は小倉6Fの新馬では上の部類に拾える。主戦場はたぶん平坦、母の戦績を超えたい。【評価D/適性・芝1200m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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