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5つのダート重賞を制したベストウォーリアの全弟テイルウォーク

  • 2019年08月21日(水) 12時00分
●カインドリー(牝 美浦・田村康仁 父キズナ、母ダイワパッション)

 皐月賞馬エポカドーロ(父オルフェーヴル)の半妹。母ダイワパッションはフィリーズレビュー(GII)とフェアリーS(GIII)の勝ち馬。その父フォーティナイナーの影響が強かったようで早熟タイプのスピード馬だった。これにキズナを交配して誕生したのが本馬。半兄エポカドーロは父の重厚さと母のスピードがうまく融合して大物となった。

 キズナ産駒は基本的には芝中距離タイプだと思われるが、現時点で2歳種牡馬ランキングのトップに立っているように、気性面に由来する仕上がりの早さと軽いスピードも備えている。マイル前後の芝で本領を発揮するタイプだろう。

●サウンドトラック(牡 美浦・尾関知人 父オルフェーヴル、母アースサウンド)

 母アースサウンドは現役時代、ダート短距離でOPクラスまで出世し、全日本2歳優駿(Jpn1)で3着、兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)で2着などの成績を残した。500kg近い恵まれた馬格から繰り出す先行力はアメリカ血統から受け継いだもので、母の父Yes It's Trueはフランク・J.ドフランシスメモリアルダッシュS(米G1)など9つのGレースを勝った名スプリンター、2代母の父Fit to FightはメトロポリタンH(米G1)など3つの米ハンデG1を制した活躍馬。

 父オルフェーヴルはエポカドーロ(18年皐月賞-GI)、ラッキーライラック(17年阪神JF-GI)といった芝の一流馬の父だが、連対率ベースで見ると芝16.9%、ダート21.1%と、ダートが大きく上回っている。ダ1400〜1800mで強力な先行力を武器に活躍するはず。

●シルヴィス(牝 栗東・角居勝彦 父ルーラーシップ、母ラキシス)

 エリザベス女王杯(GI)と大阪杯(GII)を制した名牝ラキシスの初仔。母の全弟にサトノアラジン(17年安田記念-GI、16年スワンS-GII、16年京王杯SC-GII)、全妹にフローレスマジック(16年アルテミスS-GIII・2着、19年福島牝馬S-GIII・2着)がいる。2代母マジックストームはモンマスオークス(米G2・ダ9f)の勝ち馬。

 本馬は「ルーラーシップ×ディープインパクト」という組み合わせなので菊花賞馬キセキ、ヴィッテルスバッハ(19年ニュージーランドT-GII・3着)、イシュトヴァーン(OP)などと同じ。母の能力が高く、血筋が優秀で、配合的にも優れているので、馬体に欠点がなければ芝中距離で活躍できるはず。母超えを期待したい。

●テイルウォーク(牡 栗東・池江泰寿 父マジェスティックウォリアー、母フラーテイシャスミス)

 マル外として日本に入り、マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)2連覇など5つのダート重賞を制したベストウォーリアの全弟。父マジェスティックウォリアーはA.P.Indy系で、アメリカで7年間供用されたあと日本に入り、現在、浦河のイーストスタッドに繋養されている。ベストウォーリアのほかに、ケンタッキーオークス(米G1)、CCAオークス(G1)など4つのG1を制した名牝プリンセスオブシルマーを出している。

 父も母もアメリカ→日本というルートを辿ったので、アメリカ時代に送り出したベストウォーリアの全弟を、日本にいながら作ることができた。それが本馬。血統どおりのポテンシャルを披露すれば、ダート中距離で大仕事をしてもおかしくない。

●メイリバティ(牝 美浦・斎藤誠 父キズナ、母ティッカーテープ)

 母ティッカーテープはクイーンエリザベス二世チャレンジカップS(米G1・芝10f)、パッカーアップS(米G3・芝9f)の勝ち馬。アメリカに残してきた産駒3頭にこれといった活躍馬はいないが、日本で産んだティッカーコードの仔にオータムレッド(父ワールドエース/19年クローバー賞-2歳OP)がいる。本馬はその叔父にあたる。

 ティッカーコードはStorm Cat≒Chapel of Dreams 2×4という強めの4分の3同血クロスを持っており、これが繁殖牝馬としての切り札となっている。父キズナはStorm Catを母の父に持つので、本馬はティッカーコードと同じStorm Cat≒Chapel of Dreamsの4分の3同血クロスを3×4で持っている。なおかつ、父キズナはオータムレッドの父ワールドエースと同じディープインパクト系の種牡馬なので両者は共通点が多い。芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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