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【札幌記念】一人だけの力でなく、これまでの積み重ねが実った前哨戦

  • 2019年08月22日(木) 18時01分
哲三の眼

▲昨年、有馬記念以来の勝利となったブラストワンピース(撮影:高橋正和)


今年も豪華メンバーが集結した札幌記念を制したブラストワンピース。騎乗していた川田将雅騎手にとっては、グランプリホースが凱旋門賞を見据えた一戦として挑むという重圧のかかる状況でしたが、馬と意思疎通が取れたさすがの騎乗ぶりを披露してくれました。それでも哲三氏は、この勝利が川田騎手の好騎乗だけではなく、馬自身の成長に沿ったこれまでの教育が実ったものだとも言及しています。次はいよいよ大一番へ駒を進めるブラストワンピース、凱旋門賞へ向け期待が高まるようなレース回顧をお届けします。(構成:赤見千尋)

4コーナーからの捌きに繋がった道中のケアとは?


 今年の札幌記念もハイレベルなメンバーが集まりましたが、その中でもブラストワンピースの走りは次に繋がるいいレースでしたね。ジョッキーにとってはグランプリホースに乗り替わることだけでもプレッシャーだと思いますが、さらにこの先に凱旋門賞という大きな挑戦が控えていて、次に繋がるレースをしつつ、結果も出さなければならない。川田(将雅)君が背負うプレッシャーは大きかったと思いますし、その中でしっかりと結果を出したのはさすがです。

■8月18日 札幌11R(1番:ブラストワンピース)

 今回の一番の見どころは4コーナーからの捌きで、川田君らしい素晴らしい乗り方でした。4コーナーから内を捌いて行けたのはたまたまではないし、それに繋がる前半の騎乗も素晴らしかったです。

 まずゲートを切ってから1コーナーまでの運び方。いつもここが重要だという話をしていますが、今回も大きなポイントだったと思います。1枠1番に入って、おそらく好位に付けたかったのではないかと。具体的に言うと、ロードヴァンドールの内にねじ込んで、その前に付けたかったのではないかと感じる騎乗でした。でもロードヴァンドールの方が速くて、ポジションを取ることは出来なかった。

 ブラストワンピースはこれまで、

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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