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【小倉2歳S】過去データから攻略、過去ハイペースになった場合は…!?(無料公開)

  • 2019年08月25日(日) 18時00分
 9月1日(日)、夏の2歳重賞「小倉2歳ステークス」が行われる。夏の小倉開催最終週の締めくくりとして知られる一戦には、過去メイショウボーラー(2005年フェブラリーS制覇、2006年スプリンターズS2着など)、アストンマーチャン(2007年スプリンターズS制覇)など後に1200m〜1600mなど比較的短距離で活躍する快速馬を世に送り出してきた。

 ちなみに昨年の覇者ファンタジストはその後G2・京王杯2歳ステークスも勝利、その時に手綱を取った武豊騎手は、一昨年もアサクサゲンキでこのレースを勝利しており、もし今年勝利すれば同レース3連覇という記録がかかっているのも注目だ。

 ここでは、過去10年に馬券圏内に入った30頭の傾向や、過去3年の種牡馬別成績など様々なデータから好走パターンを探って行こうと思う。

(文:幡野雄一郎、競馬ライター兼芸人)


前走小倉・芝1200m組


 前述の30頭中、前走1200mからの参戦が大半の27頭。さらに前走小倉1200mからの参戦に絞っても23頭と好走が目立つ。

 小倉1200mは2コーナー奥のポケットからスタートし、直後200mの下り坂でスピードに乗りやすく、その後はほぼ平坦。また最初のコーナーまで480mと長い事からハイペースになりやすく先行争いが激化することが多い。

 テンの速い流れを直近に1度経験していることは何よりの強みといえる。

小倉・芝1200m種牡馬データ


 次に、どの種牡馬の産駒が馬券圏内に入りやすいのか、過去3年間に小倉・芝1200mで産駒が40頭以上出走し、尚且つ3着内率(馬券圏内率)20%以上の種牡馬は下記の11頭が該当する。

馬ラエティBOX


 全出走産駒中4〜5頭に1頭は馬券圏内に入っているという結果が出ており、馬券を購入するうえでかなり参考になる数字だと思われる。

 そして、ここまでのデータを今年の出走馬に当て嵌めてみると…
(出走馬は下記参照)

【小倉2歳S出走予定馬(8月23日現在)】
・カイルアコナ
・カリニート
・グランドデューク
・ゼンノジャスタ
・テーオーマルクス
・デンコウリジエール
・トリプルエース
・ヒバリ
・ヒメサマ
・フルフラット
・ホープホワイト
・マイネルグリット
・ミントティー
・ラウダシオン
・ローランダー

 このうち、データ上優勢な前走小倉・芝1200mからの参戦。

 該当馬は下記の12頭。

・カイルアコナ
・カリニート
・デンコウリジエール
・ローランダー
・グランドデューク
・ゼンノジャスタ
・ヒバリ
・ヒメサマ
・フルフラット
・ホープホワイト
・マイネルグリット
・ミントティー

 該当しなかったのはトリプルエースとラウダシオン、テーオーマルクス。ただ、3頭とも前走は1200m戦で勝利。同距離の経験はあるだけに、コースの違いに戸惑わなければ大きな不利は無いだろう。

 次に、前述した過去3年の種牡馬成績。このデータに該当するのは下記の3頭となる。

・カイルアコナ(父・キンシャサノキセキ)
・テーオーマルクス(父・ロードカナロア)
・ヒメサマ(父・ダイワメジャー)

 出走頭数が少なかったため、先程のデータには入れなかったが、グランドデューク、ゼンノジャスタの父であるジャスタウェイは、過去2年間において、小倉1200m戦に14頭の産駒を送り出し3着内率50%。フルフラットの父であるSpeightstownは9頭を送り出し3着内率55.6%と相性が良さそうなことも挙げておきたい。

 そして2つの条件を全て満たしている馬は2頭。該当するのはカイルアコナ(牝、父・キンシャサノキセキ)、ヒメサマ(牝、父・ダイワメジャー)。

馬ラエティBOX

▲今回と同舞台で行われた新馬戦を圧勝したカイルアコナ(c)netkeiba.com


 今年7月の小倉・芝1200mのデビュー戦、スタートから終始激しい先行争いを繰り広げ先頭に立ち直線を向くとグングン他馬を引き離し2着に0秒7、4馬身の差をつけて逃げ切り勝ち。最後は流すような余裕もあり、まだまだ本気ではないような印象を与えた。

 相手はかなり強くなるが、本気の走りを見せれば上位争い必至。好勝負になるものと思われる。

 そして、もうひとつ予想の参考になりそうなデータがあるので紹介しておきたい。

 小倉・芝1200mは前述のスピードの出やすいコース形態から、過去10年の小倉2歳Sにおいて前半600mは32秒台から33秒台と全ての年でハイペースとなっており、先行馬が苦しくなると、思わぬ人気薄の差し・追い込み馬が台頭することがある。そういった年はかなりの高配当となっているところにも注目する。

【2001年以降2桁人気で勝利した馬】
・2001年タムロチェリー:(15番人気、3コーナー通過時14番手)
・2002年メイプルロード:(10番人気、3コーナー通過時9番手)
・2014年オーミアリス:(15番人気、3コーナー通過時13番手)

 過去10年で馬券圏内に入った馬30頭を見てみると、1、2番人気が6頭づつと上位が堅実に来ることが多いものの、3番人気以下はおおよそ満遍なく馬券圏内に入っている。

 実際、過去10年間、1〜3着が上位人気のみで決着し、3連単の配当が1万円を割ったのは2013年の1度だけ。2012年、2014年、2018年には、3連単10万馬券を記録している。データ上、上位人気1〜2頭に中穴、大穴を絡めた馬券の買い方が有効ではないかと思われる。

 さきほど挙げた注目馬の他に伏兵にも注意が必要で、当日の人気も予想を組み立てる上で重要な要素になりそうだ。

 夏の小倉最終週で行われる2歳重賞、データ通りに決まるのか、武豊騎手が3連覇を飾るのか、それとも伏兵の台頭か…。今年も見逃せない一戦となりそうだ。

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