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前走GI→今回ハンデGIIIって買える?/新潟記念

  • 2019年08月27日(火) 12時00分

「目立ってしまう」のは馬券上マイナス


 新潟記念の登録を見ていて気づいたのが前走GI組の多いこと。今年は5頭いる。過去10年で新潟記念に出走した前走GI組は9頭だから、いきなり多いという印象だ。

 ちなみにその9頭の成績は[1-1-0-7]。昨年がブラストワンピースとメートルダールの1、2着だったが、1番人気で大敗したミュゼスルタンや、2番人気で馬券に絡めなかったトーセンバジル、メイショウベルーガのような馬もいる。

 そもそも、GI→ハンデGIIIという馬はどの程度の成績を残してきたのだろうか?09年以降の古馬芝ハンデGIIIに出走した馬を対象に調べてみよう(距離不問)。

 当該条件のレースに出走した馬はのべ3520頭。そのうち前走が芝のGIであったという馬は359頭いる。

 その成績は[26-29-28-276]で、回収率は単54%・複67%。正直言っておいしくないグループということになる。

 その中でも2000m戦(新潟記念のほか函館記念など)に出走した馬は単52%・複80%。複勝率や複回収率は若干良いが、買うまでの決め手には至らない。対象レースの距離ではなく、年齢、前走着順、前走人気……などなにかしらの条件で絞って高回収率なグループを作れないかと思ったが、それも難しいようだ。

 前走GIで掲示板に載っていた馬でも回収率は単31%・複54%。やはり「目立ってしまう」というのは馬券上はマイナスなのだろう。もちろんユーキャンスマイルなどの前走GI組が馬券に絡むこともあるのだが、オッズの面でおいしくなっていることは考えづらいので、なにか他の穴馬と組ませていく必要がある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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