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【セントウルS】ここは徹底的に絞った馬券で勝負!

  • 2019年09月01日(日) 18時00分

■セントウルS(G2・阪神芝1200m内)フルゲート18頭


★3行でわかる!セントウルS 攻略の糸口

1. 順当決着傾向が非常に強いレース。大振りは禁物!
2. 開幕週でもありイメージ以上に差せない。前重視で!
3.5歳以下馬継続騎乗組G1馬を高く評価すべき!

データ特注推奨馬
★現時点ではなし

 スプリンターズSへ向けての重要なステップレースとなる、セントウルS。秋競馬の開幕戦となるが、同時にサマースプリントシリーズの最終戦でもあるため、年によっては「ここが本番」という馬も出走してくる。夏を充電期間にあてていた馬と、ガンガン走っていた組が激突するのは、なかなか面白い構図といえるだろう。

 セントウルSの最たる特徴は「堅い」ということ。昨年まで、1番人気馬がなんと7年連続で連対を果たしている。そして昨年は、1番人気のファインニードルと2番人気のラブカンプーによる超順当決着。3着については多少なりとも紛れるかもしれないが、1〜2着が大きく紛れるケースは考えづらい。極端な穴狙いは避けるべきだ。

 また「差せない」のも大きな特徴。もともとスプリント戦は前が残りやすい条件ではあるのだが、セントウルSでは極端なまでに前が残っている。おそらく、スタート直後から下り坂が続くコース形態や、開幕週のパンパン馬場の影響も大きいのだろう。しかも、ここに出走してくるのはトップクラスのスプリンター。多少ハイペースになった程度では、前は止まらない。

 あとは、5歳以下馬が圧倒的に強いレースであることや、鞍上の乗り替わりがマイナスに働くこと、G1馬は斤量が重くなっても強いこと、牝馬が牡馬と互角以上に張り合っていることなどが、主な特徴。少頭数になる可能性が高そうな今年は、データを駆使して買い目を例年以上にしっかり絞り込み、レースに臨みたいところである。

【コース総論】阪神芝1200m内 Aコース使用


★1番人気よりも2〜4番人気あたりが好内容。トータルで見ると上位人気が強い。
★外枠である馬番13〜16番が成績不振。やや内枠有利の傾向が見られるコース。
★逃げ・先行勢が他を圧倒。脚質面は完全に前有利で、簡単には差し切れない。





 バックストレッチの、やや2コーナー寄り地点からスタートする阪神芝1200m内。最初のコーナー進入までの距離は250m以下と短く、さらに内回りで最後の直線も350m前後と短い。さらに、スタートから直線の急坂に入るまでは、延々と下り坂。展開的な紛れが起きやすそうなコース形態といえるだろう。

 そういう理由もあってか、1番人気の信頼度はやや低め。ただし、2〜4番人気あたりは優秀な結果を残しており、トータルでみると「上位人気が強い」という結論となる。7〜9番人気や10〜12番人気あたりも買えなくはないが、積極的に推せるほどではないというのが正直なところ。軸ではなくヒモで狙ったほうがよさそうだ。

 枠番データでは、外枠である馬番13〜16番の不振が目立っている。勝率にはそれほど差がないが、連対率や複勝率はガクンと落ち込んでおり、回収値ベースの数値も低め。さらにギャップ値も大きくマイナス圏と、かなり買いづらい内容である。対照的に好内容なのが内枠で、「真ん中よりも内」に入った馬が有利なコースといえるだろう。

 脚質についてはスプリント戦らしく、ハッキリと「前」有利。逃げた馬の半数以上が馬券に絡んでおり、先行勢と中団待機組の比較でも、明らかに先行勢のほうが好内容だ。中団から最速上がりで差しても、1着まで突き抜けるのはけっこう難しい印象。そして、後方からではまったく間に合わない。前重視の姿勢で買うのが正解である。

【レース総論】セントウルS(G2) 過去10年

・レースの要所!

★6番人気以内馬[9-10-6-35]と順当決着傾向が強い。極端な穴狙いは避けたい。
★コースデータでは不振だった外枠がレースでは好成績だが過信は絶対に禁物。
★3着以内馬の70.0%が4角5番手以内。コースデータよりもさらに先行勢が強い。
★5歳以下馬が圧倒的に強い。斤量を背負う組や、継続騎乗組の好成績も目立つ。









 レースの平均配当は、単勝1119円、馬連2830円、3連複1万5875円。1番人気が[3-5-1-1]としっかり結果を残しているのもあって、低めの水準となっている。また、6番人気以内馬が[9-10-6-35]と好成績を残しており、順当決着傾向が強いのも大きな特徴。スプリンターズSのトライアルとなる別定G2だけあって、イメージよりもかなり堅い結果だ。

 10番人気のアクティブミノルが1着に激走した2015年のような例もあるが、7番人気以下はトータル[1-0-4-82]で連対率1.1%、複勝率5.7%と大不振。2〜3着のヒモで狙うのが精一杯という内容だ。少頭数でのレースになったとしても、この傾向は大きくは変わらないだろう。あとは、牝馬が牡馬と互角以上に張り合っているのも特徴といえる。

 コースデータと真逆の結果が出たのが、枠番データである。外枠である馬番13〜16番が、トータル[3-3-5-18]で連対率20.7%、複勝率37.9%という素晴らしい成績。昨年は、1着のファインニードルと3着にグレイトチャーターが、いずれも外枠から好走している。ただし、その背景にある理由が定かではないので、過信は禁物。個人的には、データ母数の多いコースデータのほうを信頼すべきだと考えている。

 脚質面は、コースデータ以上に前が優勢。トップクラスのスプリンターが集うレースでもあり、4コーナーを5番手以内で回った馬が[9-7-5-35]と、中団待機組を圧倒している。開幕週のパンパン馬場というのも、おそらくかなり影響しているはず。最速上がりをマークした馬も、過去10年で1勝すらできていない。もう「差せないレース」と断言してもいいレベルである。

 前走での4コーナー通過順位を基準としたデータでも、前々で粘るレースをしてきた馬のほうが強いと証明されている。前走で最速上がりをマークしていた馬も、[2-1-3-14]で勝率10.0%、連対率15.0%と信頼度は低く、まったくアテにはできない。ここはやはり、前残り決着を想定して馬券を買うべきだろう。

 年齢別では、ハッキリと「若い馬」が好成績。5歳以下馬と6歳以上馬では、成績に天と地ほどの大差が出ている。少なくとも、軸候補は5歳以下馬から選ぶべきだろう。あとは、負担重量が定量よりも重くなるG1馬の好成績も目立つ。2〜3着に取りこぼすケースは意外に多いのだが、馬券には絡むと考えたほうがいい。

 最後に騎手関連データだが、鞍上が乗り替わった場合は[1-3-5-62]で勝率1.4%、連対率5.6%と、信頼度が大きく落ち込む傾向にある。ジョッキーの起用については、ここ数年でかなり様変わりしているが、それでもG1本番やトライアルでの乗り替わりは、少なくともプラスにはならないはず。継続騎乗組を重視する姿勢をオススメする。

【血統総論】


 血統面は、アドマイヤムーン産駒とロードカナロア産駒を、プラス評価の対象とした。いずれも勝率は20%前後、連対率は30%以上と高信頼度で、高いコース適性を有しているのは間違いない。ロードカナロア産駒はハッキリと過剰人気だが、それでいて単勝適正回収値が100の大台を突破しているのは立派である。複勝率だけでいえばダイワメジャー産駒も優秀なのだが、3着が多いのは勝ち切れていない証拠。あまり高く評価したくはない。

★出走予定馬 総論×各論

 かな〜り出走頭数が少なくなりそうな、今年のセントウルS。現時点で出走の意向が確認できているのは、10頭以下に過ぎない。しかもそこには、前走ダート組であるマテラスカイとモーニンが含まれている。さすがにもうちょっと特別登録の頭数は増えると思われるが、それでも例年より出走馬のレベルが低くなるのは否めないだろう。

 そうなると、春のスプリント王であるミスターメロディの優位は揺るがない。「差せない」馬場やレースであるのも、大きく味方することだろう。G1馬なので斤量は余計に背負うが、ここまで相手関係に恵まれると、何のマイナスにもならないはず。藤原英厩舎らしいキッチリした仕上げで出走してくれば、いたってフツーに勝ち負け。本番へ向けて、負けられない戦いになりそうだ。

 二番手評価はアンヴァル。前走の北九州記念では、最後方から牝馬らしい末脚のキレを見せて、僅差の3着にまで追い込んできた。本来はもっと前の位置で流れに乗れるタイプで、この組み合わせならばスタート次第で、中団のポジションが取れそう。少頭数だけに仕掛けどころが難しいが、それ次第では上位をおびやかすことも十分に可能だ。

 三番手評価に、人気薄となるのは間違いないイベリス。今年のメンバーで「まさかの一発」があるとすれば、この馬だろう。前走のNHKマイルCでは16着に大敗したが、これは逃げ馬の宿命のようなものだ。展開に恵まれる可能性はかなり高く、阪神芝1200m内へのコース替わりも大きなプラス。斤量差も魅力で、仕上がり次第では侮れない面がある。

 以下については、現在のところどんぐりの背比べ。穴馬としてイベリスの名をあげてはいるが、堅いか荒れるかでいえば、堅く決まる確率のほうが圧倒的に高いと思われる。多少なりとも荒れたとしても、ミスターメロディからのヒモ荒れ程度だろう。レース傾向自体も堅いのだから、ここは手を広げるのではなく「絞る」のが正解。絞りに絞った3連単で、太く勝負してみるのも一興だろう。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



堅すぎて買えないやーつ(#^ω^)ビキビキ

上位に評価した3頭のうちの2頭で決まっている……というのに、当コラムの馬券はしっかり外すあたりはさすがのひと言(自嘲)。外枠という理由で買った14ライトオンキューがいい脚で伸びてきた瞬間は、けっこうアツかったんですけどねえ。というわけで、言っていることは正しくても、馬券が当たるとは限らないようです……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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