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【騎手の証言、テン乗りと連続騎乗】(第5回) 佐藤哲三元騎手/前編「ダービー直前、サートゥルナーリアによぎった不安」

  • 2019年09月01日(日) 18時02分
ノンフィクションファイル

▲現在は競馬評論家・解説者として競馬界を見つめる佐藤哲三さん (C)netkeiba.com


ここ数年でジョッキーの起用法に変化が現れ、テン乗りや乗り替わりが当たり前の時代となりました。それと同時に、1頭の馬に一人のジョッキーが乗り続けることが貴重となり、そのコントラストは年々強くなっています。

その是非はともかく、やはりジョッキーたちのレースに対する向き合い方も変わってきているはずです。そこで今回は、テン乗りと連続騎乗のメリットとデメリットをどう捉え、どう戦っているのか、様々な立場・年代の現役ジョッキー4人を含む5人のホースマンに直撃取材を敢行。それぞれの感性とスタンスを通して、今を戦うジョッキーたちのリアルに迫ります。

最後の証言者は、元ジョッキーであり、現在は競馬評論家として客観的に競馬界を見つめる佐藤哲三氏。前編の今回はこの春のGIに注目し、ダミアン・レーン騎手の活躍を通して感じたテン乗りのメリット・デメリットを語ってくれました。

(取材・文=不破由妃子)


返し馬までは「鉄板中の鉄板だな」と見ていた


──テン乗りと連続騎乗のメリットとデメリットについて、ここまで4人の現役ジョッキーにお話を伺ってきたのですが、最後はジョッキーとしての豊富な経験に加え、現在は競馬評論家・解説者としてサークルの外から競馬界を見つめる哲三さんに、かつてのご自身の戦い方、そしてこの春のGI戦線において印象に残ったテン乗りと連続騎乗について伺っていきたいと思います。

哲三 この春で印象に残ったといえば、やっぱりダミアン・レーン騎手ですよね。

──そうですね。ヴィクトリアマイル(ノームコア)と宝塚記念(リスグラシュー)をテン乗りで制した一方で、ダービーのサートゥルナーリアは、圧倒的1番人気に支持されながらも4着。この一連の結果から、テン乗りのメリットとデメリットをどう感じましたか?

哲三 まず、ダービーですが、皐月賞より馬は落ち着いていて、厩務員さんひとりでも堂々と歩いていたし、返し馬もいい感じで、これはもう鉄板中の鉄板だなと思いながら見ていたんです。でも、輪乗りからゲートに向かうときに、一番最後に待機所から出てきた。そのときに、僕は「えっ!?」と思って「これはちょっとヤバイかも」って言ったんです。

 ラジオのブースにいたから、みんなに「何がヤバいんですか?」って聞かれて、「あれはちょっと馬が甘えるかもしれない」と。あくまで僕が感じたことですけどね。

──待機所から一番最後に出てきたことと甘えることは、どう関係があるんですか?

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