スマートフォン版へ

戸塚記念に出走するダンサーバローズ

  • 2019年09月02日(月) 18時00分
 9月4日に川崎競馬場で3歳馬による戸塚記念(SI、2100m)が行われます。南関競馬のクラシック戦線は、上半期に3冠(羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービー)が実施されるスタイルですが、昨年からこの戸塚記念もSIレースに格上げされたことで、よりビッグネームたちも参戦するようになりました。

 今年の南関東クラシックは、東京ダービー馬ヒカリオーソ(父フリオーソ)、羽田盃馬ミューチャリー(父パイロ)、無冠ながらも常に上位のウィンターフェル(父ダノンバラード)が、3強として大いに盛り上げました。

 この戸塚記念には、ヒカリオーソとウィンターフェルが出走。(ミューチャリーは9月16日のセントライト記念に挑戦予定)。

 そんな2頭に立ち向かうのが、リスタート組のダンサーバローズです。中央時代は栗東の矢作芳人厩舎に所属し、2歳未勝利戦を制して、もちの木賞ではのちの全日本2歳優駿の勝ち馬ノーヴァレンダの2着。

馬房では悪いこともせずにお利口さんというダンサーバローズ。この時は乾草の入った袋を頭にのせていました(笑)。現在はレースで深いブリンカーを着けていますが、スッピン顔はお父さんのオルフェーヴル譲りの流星がかわいいです


 その後、南関クラシック戦線に矛先を向け、ハッピースプリントやディアドムスなどでもお馴染みの大井の新進気鋭・森下淳平厩舎へ移籍。しかし、周りの馬などを気にして自分の走りになかなか集中することができず、勝ち切れない成績が続き、クラシックに出走するための賞金加算ができませんでした。

 8月5日に行われた戸塚記念トライアルレースの芙蓉賞(2000m)、は真島大輔騎手が初騎乗。道中は内の3番手を追走していくと、勝負所の3〜4コーナーで外に出し、最後の直線で後続を突き放していく姿は圧巻で、2着に逃げ粘ったトーセンボルガに4馬身差をつける完勝でした。ダンサーバローズにとって待ち望んだ南関初勝利。

「うちに来てからちゃんと走れたのは、この時だけだと思います。前走がいい刺激になって、体の使い方もよくなってきて、意識もいい感じに向いてきました。乗っている人の扶助をちゃんと受け入れるように意識させながら、馬との関係性をよくするように、普段の調教から乗り手も担当者も心掛けてやっています」と森下調教師。

 集中して走れるかどうかが最大のポイントになる馬だけに、今回も本番になってみないとわからない部分はあるでしょう。しかし、森下調教師も、担当しているフジノウェーブなども手掛けた金成厩務員も、「集中して走れれば力のある馬」と言っていて、ヒカリオーソやウィンターフェルとどんな走りを見せてくれるか楽しみです。

ダンサーバローズのお隣にいるのはヴァーミリアン産駒のリュウオウ。2頭でよくこんな感じで仲良くしているそうです


 今回は真島騎手が園田遠征に出かけるため、これまでコンビを組んできた御神本訓史騎手に託されました。この戸塚記念は、南関3歳馬による南関で行われる最後の3歳重賞。南関所属のオルフェーヴル産駒による南関重賞初制覇の瞬間が見られるのかも、非常に興味深いです。

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング