スマートフォン版へ

【ローズS】波乱傾向の強さを信じて攻めたい一戦!

  • 2019年09月08日(日) 18時00分

■ローズS(GII・阪神芝1800m外)フルゲート18頭


★3行でわかる!ローズS 攻略の糸口

1. コースもレースも波乱傾向が強い7〜9番人気に注目。
2. やや差し優勢。連軸候補はキャリアの浅い素質馬
3.前走2勝クラス組や「叩き上げ系」は3着で狙うべき!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 牝馬三冠の最終戦・秋華賞の最重要トライアルであるローズS。それだけに堅く決まりそうなものだが、3連単は毎年のように10万馬券以上と、意外なほどよく荒れている。レースだけではなく、コースデータからも波乱傾向の強さが感じられるだけに、人気薄を大胆に狙っていきたいところ。とはいえ、前走5着以下から巻き返したケースは少ないので、そこはしっかり注意しておく必要がある。

 枠番傾向はフラットで、外枠でも評価を割り引く必要なし。脚質は差し優勢であり、決め脚のある馬のほうが有利に立ち回れそうだ。そして、キャリアの浅い馬が1〜2着によく来るが、3着はレース経験の多い「叩き上げ系」がよく来るというのも、このレースの面白い特徴。連対候補と3着候補を分けて考えることで、効率よくオイシイ馬券が仕留められそうだ。

【コース総論】阪神芝1800m外 Aコース使用


★中穴の強さが目立つコース。4〜6番人気や7〜9番人気を積極的に狙いたい。
★内容がもっとも優秀なのは中枠も微差。枠番による成績差の小さいコース。
★差し優勢の傾向で、決め脚も相応に求められる。完全な前崩れもありえる。





 2コーナー奥のポケットがスタート地点で、最初のコーナー進入まで600m以上と、かなり余裕がある。序盤のポジション争いが激化することはなく、中盤までスローで流れる場合も多いコースである。外回りで最後の直線も450m以上あり、さらに最後の直線には急坂もあるので、中団や後方からの差しも決まる。どんなタイプの馬でも能力を発揮しやすい、紛れのないコースといえるだろう。

 ただし、人気別成績では中穴である4〜6番人気や7〜9番人気の好成績が目立つ。対照的に、1番人気が複勝率40.5%、複勝回収値54とイマイチな内容に終わっているなど、人気サイドがアテにならない面が見られる。さすがにふたケタ人気の超穴馬となるとなかなか手が出ないが、波乱傾向が強いコースであるのは間違いなし。強力な買い材料がある場合には、ブンブン振り回すのもアリだろう。

 枠番データでは、中枠である馬番7〜12番がもっとも優秀な内容。ただし、内枠や外枠と大きな差があるわけではないので、これを普段から意識しておく必要はないだろう。おそらくかなりフラットであり、平気人気の差を考えると、内よりも外のほうが好成績といえるほど。コース自体のクセよりも、その時期の馬場バイアスのほうを気にしたほうがよさそうである。

 最後に脚質面だが、かなりハッキリと差し優勢。単勝適正回収値がもっとも高いのが中団待機組というのは、けっこう珍しい結果といえる。逃げた馬の信頼度が低いことや、上がり上位馬の好成績も、それを裏づけているデータ。ただし、最速上がり馬よりも上がり2位のほうが好内容であることから、好位〜中団やや前から差す馬がもっとも信頼できそうな印象だ。

【レース総論】ローズS(GII) 過去10年

・レースの要所!

★全体的に人気薄の強さが目立つ。中穴から大穴まで手広く狙えそうな印象。
★内容が良好なのは外枠。差し優勢のコース&レースである影響もありそう。
★馬場の影響かコースデータよりも先行勢が健闘。好位からの差しがベスト。
★前走GI組など素質や格で勝る馬が連対。3着には叩き上げ系の馬がよく来る。









 レースの平均配当は、単勝999円、馬連7568円、3連複3万9263円と高めの水準。その要因となっているのが、1番人気「以外」の上位人気馬が不振であることだ。1番人気にしても決して好成績ではなく、全体的に人気薄の強さが目立つ結果に。昨年は3連単22万馬券、一昨年は33万馬券、2016年が10万馬券と、順当に上位人気で決まるケースはほとんどない。ある程度は波乱を前提で考えたいレースである。

 枠番データでは外枠が好内容で、中枠である馬番7〜12番の成績がやや落ち込んでいる。とはいえ誤差の範囲内であり、枠番についてはやはり「フラット」と考えていいと思われる。外枠の好成績に関しては、脚質との関連性や、開幕から2週目ということでエアレーションの影響などもありそう。開幕から間もない時期のほうが外差しが決まるのは、最近よく見られる現象だ。

 脚質についてはやはり差し優勢だが、コースデータよりは先行勢が健闘しているイメージ。最速上がり馬よりも上がり2位のほうが勝率が高いというのも、差し一辺倒のコースではないことを証明している。展開にもよるが、おそらく「中団やや前」あたりがベストポジション。あとは、意外に「逃げ残り」が多いのも、意識しておきたいポイントといえる。

 前走クラス別成績では、前走オークス組など「前走GI組」が8勝をあげている。出走数が多いのもあるが、やはり王道を歩んでいる組が強い印象である。それ以外では、前走で2勝クラスに出走していた馬も[0-1-7-22]と侮れない内容。連対するケースは少ないが、3着にくる確率の高さはかなりのものだ。前走で敗れていたとしても、それが僅差負けならば侮れない。

 とはいえ、前走で大敗しているようでは期待薄。前走着順別成績では、前走が4着以内だった馬と5着以下だった馬で、大きな成績差が見られる。ちなみに、前走5着以下から巻き返した馬は、そのほとんどが前走GIまたはGII組。自己条件で5着以下に敗れているようでは通用しないレースだ。

 あとは「素質」が問われるレースであるのも重要なポイント。レースキャリア別での成績からは、ここで2着以内に好走する馬は「キャリア6戦以内」であり、逆に3着になる馬は「キャリア7戦以上」である場合がほとんどなのが見てとれる。1着軸や連軸には前者を狙うべきだろうし、人気薄のヒモには後者を積極的に拾っていくべきだろう。

 最後に騎手関連データだが、こちらは傾向らしい傾向なし。GIの最重要トライアルらしく1着馬は継続騎乗組であるケースが多いが、鞍上が乗り替わった馬ものべ13頭が馬券絡みと、そこに大きな差は見受けられない。所属による差も小さく、騎手についてはそれほど気にする必要ナシ。上手な騎手であれば、それでオッケイだ。

【血統総論】


 このコースでの複勝率が30%を上回っている、ディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒をプラス評価の対象とした。それに次ぐ評価が、回収値ベースの数値やギャップ値が優秀なハービンジャー産駒とブラックタイド産駒。こちらは人気薄での一発が魅力のタイプで、穴馬ならばプラスに評価するのもアリだろう。

★出走予定馬 総論×各論

 オークス馬ラヴズオンリーユーは脚部不安から回避する見通しで、桜花賞馬グランアレグリアはスプリント路線に挑戦。つまり今年は、牝馬クラシック馬の出走のないローズSとなる。さらに、クロノジェネシスは秋華賞に直行で、カレンブーケドールは紫苑Sに出走と、有力馬の使われ方はけっこうバラバラ。脚部不安から秋全休が決まったエールヴォアのように、順調さを欠いている馬もいる。

 というわけで、確たる中心を欠くレースとなりそうな雰囲気。波乱の気配が感じられるのは、気のせいではないだろう。おそらく人気を集めるのは、ダノンファンタジーとウィクトーリアあたり。以下はかなりの混戦模様で、特別登録が出てみないとわからない部分もけっこうありそうである。

 現時点でのトップ評価は、戸崎騎手が継続騎乗する見通しであるウィクトーリア。オークスでは、最後方から一気の脚で4着まで追い込んできた。気性面での成長がさらに見られるならば、中団からのレースもできそう。不器用なタイプであるのは間違いないので、少頭数になりそうなのは大きなプラスだろう。決め脚が大きな武器になる阪神芝1800mで、フローラSに続く重賞制覇を期待する。

 二番手評価にダノンファンタジー。春は桜花賞4着、オークス5着と期待に応えられなかったが、再びGI馬の「格」を見せるには、ここはうってつけの舞台だろう。けっしてオークス向きではなかったはずで、芝1800m戦になるのは大歓迎。見直してみる価値が十分にある一戦である。

 以下はアルティマリガーレ、スイープセレリタス、ビーチサンバ、モアナアネラという評価順だが、こんな序列では「まったく」高配当にはならない。人気やオッズとの兼ね合い次第では、三番手評価としたアルティマリガーレから振り回すような買い方のほうが、実際は面白そうだ。順当に決まりそうでも、そうそう決まらないのがこのレース。多少の無理は承知で、「攻め」の姿勢を貫きたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



ブラックスピネルを超応援したよね(#^ω^)ビキビキ

思ったよりも差し馬に走られてしまったが、それでも結果的に「真ん中よりも内」が上位を占めていたりもするわけで。「脚質」よりも「枠番」にもう少しウェイトを置いた予想をすべきだったかもしれませぬ(後悔先に立たず)。そして、あまりにも当たらなくて悲しくなってきた今日この頃。また単複に切り替えるかなあ……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング