スマートフォン版へ

5億8000万円の価値を見せたいアドマイヤビルゴ

  • 2019年09月11日(水) 12時00分
●アウサンガテ(牡 栗東・中内田充正 父ディープインパクト、母アゼリ)

 ロイカバード(16年京都新聞杯-GII・3着、16年きさらぎ賞-GIII・3着)、アドマイヤアゼリ(現3勝)、シルヴァンシャー(現4勝)の全弟。母アゼリは現役時代アメリカで24戦17勝、ブリーダーズCディスタフ(米G1)などG1を11勝した女傑で、米年度代表馬に選ばれただけでなく、すでに名誉の殿堂入りも果たしている。

 09年に米キーンランドのセールで吉田勝己氏が225万ドル(約2億250万円)で落札し、日本に連れてきた。アメリカ時代にWine Princess(13年フォールズシティH-米G2、12年モンマスオークス-米G3)を出しており繁殖牝馬としても上々の成績だ。日本における初子の持込馬アメリ(父Distorted Humor)はダートで3勝を挙げた。デビューした子はすべて勝ち上がっていることになる。ディープインパクトを父に持つ牡馬はすべて3勝以上を挙げており、うまく行けば重賞も狙えそうだ。芝向きの中距離タイプ。

●アドマイヤビルゴ(牡 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母イルーシヴウェーヴ)

 セレクトセール当歳で落札価格5億8000万円。母イルーシヴウェーヴはフランスの桜花賞にあたる仏1000ギニー(G1・芝1600m)など重賞4勝。母方にElusive Qualityが入るディープインパクト産駒はJRAで6頭出走してすべて勝ち上がり、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を勝って最優秀2歳牝馬となったショウナンアデラ、NHKマイルC(GI)の勝ち馬ケイアイノーテックが出ている。ニックスといえる。

 さらに、母方にMr.Prospector、Blushing Groomを併せ持つ配合はヴィルシーナとヴィブロスの姉妹、ミッキークイーン、アンビシャスなどと同じ。配合的な完成度は高い。全兄サトノソロモンは馬体重が550kg前後もある超大型馬で、京都新聞杯(GII)で3着となった。全姉イルーシヴグレイスは馬体重が400kg前後の小柄な馬で現在1勝。なかなかちょうどいいサイズに出てこないのがもどかしいところ。馬のデキが良ければ重賞級。

●アルベロベッロ(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母ウィンターコスモス)

 グリュイエール(18年エプソムC-GIII・3着)、アイスバブル(19年目黒記念-GII・2着)の全弟で、マウントロブソン(16年スプリングS-GII)、ポポカテペトル(17年菊花賞-GI・3着)の4分の3同血にあたる。母ウィンターコスモスは不出走馬だが、2代母ミスパスカリはマーメイドS(GIII)3着馬で、名馬クロフネの半妹にあたる。

 ブルーアヴェニューの牝系にディープインパクトを交配するパターンは10頭中9頭が勝ち上がっておりきわめて堅実だ。「ディープインパクト×キングカメハメハ」はワグネリアン(18年日本ダービー-GIなど重賞3勝)、デニムアンドルビー(13年ローズS-GII、フローラS-GII)などが出ている成功パターンで、連対率34.7%、1走あたりの賞金額554万円は、ディープインパクト産駒全体の24.2%、330万円を大きく上回る。「ディープインパクト×キングカメハメハ」は2歳戦で連対率54.1%、複勝率70.3%と驚異的な成績を挙げているので、いきなり勝負になるはずだ。芝向きの中距離タイプ。

●サクライロ(牝 美浦・木村哲也 父ロードカナロア、母マチカネエンジイロ)

 ゴットフリート(13年共同通信杯-GIII・2着、12年朝日杯FS-GI・3着/父ローエングリン)、マデイラ(15年七夕賞-GIII・3着/父クロフネ)、アカネイロ(16年マーメイドS-GIII・6着/父クロフネ)の半妹。父はロードカナロアに替わった。

 4分の3同血のトライマイベスト≒Russian Ballet 5×3が配合上の肝で、これはトライマイベスト≒ロッタレース5×2のアーモンドアイを彷彿させる。Sex Appealとその産駒はアメリカ血統なのでキャラクター的にはパワー寄りで、単にトライマイベストの全兄弟クロスまたは4分の3同血クロスを作ると柔軟性が失われる危険性もある。したがって、芝中距離向きのサンデーサイレンスを入れて硬軟のバランスを取りたいところ。女傑アーモンドアイや本馬はこのパターン。

 また、ブラストワンピース(18年有馬記念-GI、19年札幌記念-GIIなど重賞4勝)の母ツルマルワンピース(父キングカメハメハ)はトライマイベスト=El Gran Senor 4×3で、なおかつサンデーサイレンスを併せ持っており、配合構成がよく似ている。アーモンドアイ級の競走馬になるかどうかはともかく、兄姉が成し遂げられなかった重賞制覇の夢を叶えられるポテンシャルは秘めているのではないか。芝向きのマイラー。

●ダノンレガーロ(牡 栗東・中内田充正 父ディープインパクト、母キングスローズ)

 2018年のセレクトセール1歳で落札価格2億7000万円。サトノアーサー(18年エプソムC-GIII)の全弟にあたる。母キングスローズは新・豪・香で通算23戦8勝。NZ1000ギニー(G1・1600m)など6つの重賞を制した名牝で、Northern Dancerの濃度が濃く(4・5×3・5・5)、Danzig、Nureyev、Lyphard を経由しているのでディープインパクトの配合相手として好ましい。

 母方の3代目にデインヒルとNureyevを並べる配合はミッキーアイル(16年マイルCS-GI、14年NHKマイルCーGIなど重賞6勝)と似ており、「Redoute's Choice+サンデーサイレンス+Nureyev」なのでフルーキー(15年チャレンジC-GIII)に似たテイストもある。Alzao≒Dancing Show 3×4はニックスとなる可能性があるので楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプ。

このコラムの通知を受け取りますか?

お気に入り

このコラムの通知を受け取りますか?

お気に入り

すでにお気に入りに登録しています。

登録済

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング