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【セントライト記念】夏競馬に出走した軽い馬場巧者が巻き返す

  • 2019年09月10日(火) 18時00分
馬場虎太郎

昨年はジェネラーレウーノが離れた2番手から先頭に立つと、後続に並ばせることなく完勝(撮影:下野雄規)


「ウマい馬券」で4年連続プラス収支(回収率100%超)を叩き出す馬場虎太郎氏が、トラックバイアス(=馬場の偏り)をもとに馬場を分析。その結果をベースに週末のレース傾向を展望し、主に日曜メインレースの「注目の1頭」を紹介していく。トラックバイアスを加味した最終決断はウマい馬券にて公開予定。


先週に引き続き「軽い馬場」が予想される


 開幕週だった先週の中山芝は週中の降雨がなかった。このように「乾いた馬場」の場合、週末には散水を行うのがJRAの馬場方針と見ている。

 ところが、先週末は台風の予報。散水をあまり行えなかったようだ。気温も高かったために超高速馬場になってしまった。

 先週のコラムでは、中京記念の組の人気馬は「重い馬場」での好走だったため危険であることを指摘。実際、京成杯AHで1、2人気に支持された中京記念組は馬券圏外になった。

 今週は、先週よりも散水などで馬場を「重く作りたい」のではないだろうか。それでも「軽い馬場」になると私は見ている。

 まずは、過去4年のセントライト記念の馬場を振り返る。

過去4年、セントライト記念のトラックバイアスは

2015年 超内有利・前有利・標準
2016年 なし・標準
2017年 前有利・稍軽い
2018年 超差し有利・標準

 今年は「軽い馬場」で行われた2017年以上に「軽い馬場」で行われることも予想される。

 2017年は「前有利」のトラックバイアスであったが33秒前半の「速い上がり」を使うことが要求された。

 先行馬に33秒前半の脚を使える馬がいなかったために、結果「軽い馬場」でもっとも速い上がりを使えたミッキースワローが優勝。

 今年も「軽い馬場」で、33秒前半の脚を使える馬を狙う。特に夏のローカルは「重い馬場」が多かった。力を発揮できなかった「軽い馬場」を得意な馬の巻き返しを狙う。

「速い上がり」を要する馬場での推奨馬は?


 夏の福島で行われたラジオNIKKEI賞で5着だったアドマイヤスコール。当日は雨により非常に「重い馬場」で、先行した馬、内を通る馬に厳しい「外」の「差し」有利な状況だった。

 アドマイヤスコールは大外枠にもかかわらず、わざわざ2コーナー地点では内ラチ沿いを追走した。この馬は「軽い馬場」巧者なので、特に馬場が重い内を追走しては力を発揮できない。

 ここまで7戦のキャリアで、馬場コンディション「軽い〜稍軽い」に出走したのは未勝利戦、東スポ杯、セントポーリア賞の3戦。

 未勝利戦は素質馬ソルドラードよりも速い「33秒前半」の上がりを使い勝利。

馬場虎太郎

「軽い馬場」巧者のアドマイヤスコールが巻き返しを狙う(撮影:下野雄規)


 東スポ杯はトラックバイアス「超内有利」の馬場。外枠から終始外を通るトラックバイアスの不利で敗れた。

 セントポーリア賞も「先行有利」のトラックバイアスながら、差しの競馬で33秒前半の脚を使った。

「33秒前半」の上がりが要求される馬場では巻き返すタイプだ。

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トラックバイアス(馬場の偏り)を利用した馬券術を用いる馬場分析のプロフェッショナル。JRA発表の馬場状態ではなく独自の指標(※)を用いて真の馬場適性を分析、またパトロールビデオと綿密なデータ分析によって「トラックバイアスの不利」を受けた馬を導き出す。 ※「軽い」「稍軽い」「標準」「稍重い」「重い」の5段階で馬場状態を評価

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