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【セントライト記念】基本的にダービー組優位な前哨戦

  • 2019年09月13日(金) 18時00分

春実績と上がり馬、両方の側面を持つ馬は特に要注意


 セントライト記念は基本的にダービー組優位で、上がり馬タイプは上位人気に推されるレベルの勢いを持っていないと厳しい。今年はダービー組の頭数が多いので、ますますその傾向通りになりそうだ。

 人気になるのはリオンリオンだろうか。青葉賞勝ちの実績もあるし、横山典弘騎手に戻っての逃げはやはり怖い。ただ同騎手は京成杯AHで見事すぎる逃げを決めてしまったので、誰かしらが追走してくる形になってしまうかもしれない。

 ニシノデイジーはダービーで少しではあるが復活の兆しが見えた。もともとは中山向きでもあると思うのだが、あまりに速過ぎる決着タイムや上がりタイムは、この馬にとっては逆風になるかもしれない。

 ダービーから直接ではなく札幌記念をはさむ形になったランフォザローゼスも、広い意味でのダービー組だ。この馬の場合とにかく血統は魅力だが、札幌記念の大敗は正直気になる。相手関係からして負けること自体は仕方ないが、極端な大敗はその後まで響くこともあるからだ。

 サトノルークスも血統的なポテンシャルはありそうな1頭。皐月賞・ダービーとともに大敗なので強気なことは言えないが、右回りベターでかつ皐月賞は位置取りの問題と考えれば、まだ可能性は残る。

 上がり馬タイプではルヴォルグが上位人気になりそう。デビュー戦の内容を考えると重賞級と期待したくなるが、この馬の場合はジョッキー人気がついてきすぎているところもある。そこが馬券上は問題になる。

 オセアグレイトは3連勝での参戦。ややスタミナが勝っている印象で速い時計の勝負は微妙だが、好位をとれるようになってからはレースぶりが安定している。位置取りがものを言う展開になれば面白い存在になってくる。

 春実績馬と上がり馬、両方の側面を持つ存在としてザダルを忘れてはならない。比較対象となる過去の馬がいないので評価は難しいが、この馬がダービーに出ていたらそこそこの競馬をした可能性はある。そう考えるとここでも買えるし、実はもっと人気になっていい馬である可能性も残している。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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