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ダービー上位馬好走で堅くなりがちな神戸新聞杯

  • 2019年09月17日(火) 12時00分

格がモノを言うのはセントライト記念と同じだが…


 先週の本欄ではセントライト記念について書き、前走ダービー組が前走条件戦組を圧倒しているという話を書いた。もちろん例外になる年も今後いつかは来るのだが、今年は傾向の通りとなり、前走ダービー組が1、2着、ダービー出走権を持ちながら回避したザダルが3着に入った。

 2着に比較的人気薄のサトノルークスが入ったことで配当はそこそこ伸びたが、今週の神戸新聞杯は場合によっては、趣旨が同じでさらに堅い版になるかもしれない。

 神戸新聞杯の過去10年、前走レース別成績を見るとダービー組が[8-6-3-28]、ラジオNIKKEI賞組が[1-1-2-5]。唯一前走条件戦から勝ったリアファルは準オープンから来た馬で、さらにダートだが重賞2着はあった(兵庫チャンピオンシップ)。

 格がモノを言うのはセントライト記念と同じだが、神戸新聞杯はダービー組でも上位の馬が出走しやすく、さらに堅い決着になりやすい。過去10年全馬を均等買いした場合の回収率は単35%・複67%。これは相当に低い数値だ。

 原因は、やはりダービー上位馬が来てしまうところにある。セントライト記念は関東馬が多いこともあって、ダービー6着以下から好走する馬も多い。しかし神戸新聞杯における前走ダービー組は、ダービー1〜5着だった馬が[8-5-0-5]、6着以下は[0-1-3-22]。そりゃ堅く収まるだろう、というところだ。

 今年はダービー1、2着馬が不在だが、3、4着馬がいて、他のダービー組は当時の8着馬と14着馬。こうなると人気にもなるであろうダービー3、4着馬については素直に受け入れて、残り1枠について考えるほうがよいのかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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