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欧州2400m戦線の総決算・凱旋門賞へ向けた勢力分布

  • 2019年09月18日(水) 12時00分

レース史上初の3連覇に挑むエネイブルに注目集まる!!


 先週末に欧州各国で行われた競馬を経て、10月6日(日曜日)にパリロンシャン競馬場で行われる欧州2400m戦線の総決算・G1凱旋門賞(芝2400m)へ向けた勢力分布が、ほぼ固まった。

 ブックメーカー各社がいずれも2倍を切るオッズを提示して、圧倒的1番人気に支持しているのが、レース史上初の3連覇に挑むエネイブル(牝5、父ナサニエル)だ。

 今季はここまで、G1ばかりを3戦。8か月の休み明けだった上に、10F戦は3歳春以来だったという2つのハードルを楽々とクリアしたG1エクリプスS(芝9F209y)、この路線における牡馬の最強馬クリスタルオーシャン(牡5)との壮絶な一騎打ちを制したG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝11F211y)、そして、3歳秋にG1凱旋門賞を制した際にマークした自己最高値に並ぶレイティング128を獲得したG1ヨークシャーオークス(芝11F188y)と、他馬に付け入る隙を与えぬ競馬で3連勝をマーク。盤石の体制で、究極の目標と言われてきた凱旋門賞に挑もうとしている。

 ここがラストランとなるのはほぼ確定的で、歴史的名牝が走る姿を目の当たりに出来る最後のチャンスとなる10月6日のパリロンシャンは、おそらくエネイブル一色になるはずで、場内が果たしてどのような雰囲気になるのか、肌で感じることを筆者も心待ちにしている。

 そのエネイブルを管理するジョン・ゴスデン調教師は、戦ったことのない未知の相手で、斤量にも恵まれる3歳勢は要警戒であるとコメント。これを反映するように、ブックメーカーの2〜3番人気には、勢いのある3歳牡馬が並んでいる。

 各社5.5〜6.0倍のオッズで2番人気に推すのが、エイダン・オブライエンが送り込むジャパン(牡3、父ガリレオ)だ。

 今季3戦目となったロイヤルアスコットのG2キングエドワード7世S(芝11F211y)を4.1/2馬身差で制して自身2度目の重賞制覇を果たすと、凱旋門賞と同コース・同距離で行われたG1パリ大賞(芝2400m)を制しG1初制覇。続いて駒を進めたのが、ヨークのイボア開催を舞台としたG1インターナショナルS(芝10F56y)だった。

 古馬とは初顔合わせであった上に、いささか距離不足ではないかとの懸念があった中、クリスタルオーシャン(牡5)との一騎打ちとなり、頭差先着して優勝。ジャパンの方が7ポンド(約3.2キロ)斤量が軽かったとはいえ、並ぶと渋太いことで知られるクリスタルオーシャンに競り勝ったことで、同馬の評価が更に高まることになった。

 7〜8倍という、ジャパンと差のないオッズで3番人気となっているのが、地元フランスのジャン・クロード・ルジェが手掛けるソットサス(牡3、父シユーニ)だ。

 ジャパンが、G1英オークス(芝12F6y)2着馬シークレットジェスチャーの全弟という血統背景を持つ一方、G1・6勝という北米芝路線における現役最強牝馬シスターチャーリー(牝5、父マイボーイチャーリー)の半弟という、負けず劣らずの良血馬がソットサスだ。

 今季2戦目となったシャンティイのLRシュレンヌ賞(芝2000m)を6.1/2馬身差で制し、素質開花の片鱗を見せると、6月2日にシャンティイで行われたG1仏ダービー(芝2100m)をトラックレコードで制覇。この段階で既に、仏国3歳世代の最前線に躍り出たわけだが、更に圧巻だったのが秋初戦となった9月15日のG2ニエル賞(芝2400m)だった。本番と同コース・同距離で行われたこの前哨戦で、オッズ1.5倍の圧倒的1番人気に推された同馬は、直線半ばで内埒沿いに閉じ込められて進路がなく、万事休したかに見えた。だが次の刹那、前が開くと矢のような末脚を繰り出し、瞬く間に先頭に立つと最後は1.1/4馬身抜けて優勝。この馬が持つ秒殺の切れ味は、エネイブル陣営にとっても脅威となりそうだ。

 14日にレパーズタウンで行われたG1愛チャンピオンS(芝10F)を快勝し、3度目のG1制覇を果たしたマジカル(牝4、父ガリレオ)が、オッズ7〜15倍の4番手評価。1日に独国で行われたG1バーデン大賞(芝2400m)を14馬身差で圧勝したガイヤース(牡4、父ドバウィ) が、オッズ9〜13倍で5番手評価。15日にパリロンシャンで行われた古馬の前哨戦G2フォワ賞(芝2400m)を快勝したヴァルトガイスト(牡5、父ガリレオ)が、オッズ11〜15倍で6番手評価となっている。

 日本勢3頭の中では、各社が21〜26倍のオッズを掲げているブラストワンピース(牡4、父ハービンジャー)の評価が一番高い。同馬が昨年暮れに制したG1有馬記念(芝2500m)は、G1ジャパンC(芝2400m)に匹敵するぐらい海外における知名度が高く、そういう意味で、海外の競馬ファンが飛びつきやすい戦績を持っているのがブラストワンピースと言えそうだ。

 フィエールマン(牡4、父ディープインパクト)がオッズ34倍前後。

 15日のG2フォワ賞で3着に敗れたキセキ(牡5、父ルーラーシップ)は、オッズ41倍〜101倍と評価を落としたが、本番ではいずれかの陣営がラビットを用意するはずで、2番手以降で折り合い、リラックスした競馬が出来れば、前哨戦とは違った結果が出る可能性もあるように思う。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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