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令和元年のダービージョッキー浜中俊騎手を直撃!

  • 2019年09月17日(火) 18時00分

JRA通算1000勝も達成して充実の一年


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令和最初のダービージョッキー浜中俊騎手を直撃!


 気持ちよい青空が抜けるように広がり、少し秋の気配を感じさせる絶好の競馬日和でした。しかし、午後からは夏が戻ったかと思う暑さになり、ローズSが熱い戦いになることを予感させるようでした。

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気持ちの良い陽気に思わずターフィー君も駆け出す!?


 秋華賞のトライアルレースで、ローズS(GII・阪神・芝1800m)は良血馬揃いの戦いに注目が集まりましたが、やっぱりダノンファンタジーが圧巻の勝利。

 1分44秒4のレコードタイム…秋初戦で勝利をもぎ取り2歳女王の貫録を見せました。ファンの歓声も阪神競馬場に響いていました。

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レコードで突き抜けたダノンファンタジー(c)netkeiba.com


 返し馬の時、厩務員さん一人で引いていましたが、ずっと外々を回り落ち着いてるなと感じました。精神面でも成長したんだなあ…と思いました。

 スタートは、抜群でしたね。そこから他の馬を見ながら中団に控え、直線では川田騎手の合図に応えて豪脚を見せてくれました。さすがっ!と思うレース展開でした。川田騎手と名コンビですね。

 改めて…おめでとうございます!秋華賞が楽しみです。

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引きあげてくるダノンファンタジー


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秋初戦を快勝して秋華賞がより楽しみに


 他にも桜花賞2着馬のシゲルピンクダイヤや岩田望来騎手騎乗のビックピクチャー、そして浜中騎手騎乗のアルティマリガーレにも注目していました。

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桜花賞2着馬、シゲルピンクダイヤ


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重賞は3回目の岩田望来騎手、騎乗するのは重賞初挑戦のビックピクチャー


 望来騎手は重賞3回目の騎乗で、どれだけやってくれるか期待していました。結果は10着でしたが、頑張りましたね。コメントで「位置取りが後ろになってしまい距離ロスになってしまった」と話していました。この経験はこれからのレースに活かされますよね。頑張れ!

 浜中騎手は「初めて強い馬との対決になったが、これからが楽しみ」とのこと。騎手も馬も、それぞれ1戦ごとに経験を積んで、レースが上手くなっていくんでしょうね。

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アルティマレガーレも、今後に向けて良い経験になったはず


 秋のレースが楽しみです。

***

 今週の注目騎手は令和元年の記念すべきダービーを制覇した浜中騎手です。どんな秘話が聞けるか楽しみです。

常石 今日はよろしくお願いします。浜中騎手、かっこいいジャンバー着ていますね。僕も記念にほしいなー(笑)

浜中 松山弘平騎手からのプレゼントなんですよ。僕は何にもあげてないんだけどね。かっこいいので気にいってます。

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松山騎手からプレゼントされたという1000勝達成の記念ジャンバー


常石 藤岡康太騎手に1週間だけダービージョッキーと呼んでと言ったとか?面白いジョークで話題になっていましたね。

浜中 ちょっとだけダービー気分に浸りたいなーと思って康太に甘えてました(笑)

常石 わかります。遅くなりましたが、改めてダービー制覇おめでとうございます!12番人気の伏兵、ロジャーバローズ号で1着入線は凄い!と思いました。ゴールした瞬間は、どんな感じでしたか?

浜中 早く、早くゴールが来い!と必死で追っていましたね。(クビ差の2着だった)戸崎騎手に残っていますか?と聞いた位、わからなかったです。頭の中が真っ白になっていましたね。無になった感じでした。ゴールした後から、会う人会う人にダービーおめでとうと言われて、だんだん実感が沸いてきました。やっぱりうれしいですね。何回でも乗りたいし、取りたいレースです。

常石 騎手になろうと決めてからみんなが、乗りたいし、取りたいと思うレースですよね。もちろんどんなレースでも勝つことが大事なんですが、醍醐味が違いますよね。僕は、ダービーでの騎乗経験がないのでわからないですが、GIを勝った時に同じGIでもダービーは特別なのだと思いました。

浜中 まさか勝てるとは思わなかったけど、乗る以上は勝ちに行くと思って乗っていましたね。

常石 1枠1番というのもいい枠でしたね。リオンリオンがハイペースで逃げる中、2番手。直線は最後までしっかり追ってゴール。クビ差での勝利はレースレコード決着でしたよね。やっぱり、馬も浜中騎手も力のあるコンビだったのだと思います。令和元年のダービージョッキーと競馬史に残りますね。

浜中 恥ずかしいですね、でもうれしいです。ファンも、師匠も、家族も…皆さんが応援してくれたおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。実は、昭和最後の年、昭和63年生まれ。それも12月生まれなんですよ。

常石 それも凄いですね!数字のマジックみたいです。そのことも競馬史に載せておきたいですね(笑)。でも、若いダービージョッキーですね。もしかして最年少ですか?

浜中 いや、豊さんがもっと若くしてダービー制覇しています。

常石 やっぱり豊さんか。豊騎手のパワーとエネルギー源は、どこから湧いてくるんでしょうね?騎乗技術も、話術も素晴らしいと思います。偉大なのに話しやすいので、ついつい声をかけてしまいます。ディープインパクトでダービー制覇したときは、僕が落馬事故をした翌年だったんですが、東京まで見に行きました。あの時の感動やドキドキ感は、今でもはっきり覚えています。(忘れやすい僕なんですが)7071頭の頂点にはなかなか立てるものではないので、浜中騎手が偉大なことを達成したのだと改めて感じます。

 確か九州出身でしたよね。この世界に入るきっかけは、なんでしたか?

浜中 家が小倉競馬場の近くだったので、祖父に毎日競馬場に連れて行ってもらっていました。祖父の口癖が「わしが死ぬまでにダービーを勝ってくれ」でした。16年に他界したのでお祖父ちゃんに見てもらえなかったのが、一番残念です。でもいい報告ができました。

 今年は、ダービーには乗れないなーと思っていたんですよ。そんな時、角居先生から声をかけて頂き、チャンスを頂きました。ありがたかったです。競馬は、やってみないとわからないとよくいいますが、本当ですね。馬を信じて、持つ力を出し切る騎乗に専念しました。

常石 条件も揃いましたし、浜中騎手の手腕も発揮して会心のレースでしたよね。お祖父ちゃんからのパワーも届いたんでしょう。お祖父ちゃんの存在は、心に響くというか、思いが伝わってきますね。僕も競馬学校受験の時、お祖父ちゃんも戦争で裸馬に乗ってたんだよ。と写真を貰ったのでお守りに持って行った覚えがあります。デビュー前の2月に亡くなったんです。今でもお祖父ちゃんと過ごした日々のこと思い出しますね。

浜中 見てもらいたかったですよね。

常石 今年は、小倉競馬場でJRA通算1000勝も達成され、充実の年ですね。小倉のファンは、喜んでくれたでしょう。

浜中 小倉競馬場内の乗馬クラブの子供たちが大きな横断幕を作って応援に来てくれました。後輩達に喜んでもらえてよかったです。少しでも騎手を目指す後輩達の目標になれたことがうれしいですし、もっと頑張ろうと力をもらいました。1000勝は、1つ1つ積み上げて、やっと辿り着いたものなので価値があると思います。とっても嬉しいです。

 恩師の坂口先生にも花束を頂き、勝った実感が沸きました。嬉しかったです。引退されてからもずっと応援してくれて、今も見守ってくれているので、いい報告ができました。

常石 TVで表彰式の様子を拝見しましたが、感激し涙されていましたよね。師匠の存在は大きいですよね。僕も時々、師匠の中尾先生を訪ねて競馬のことや乗馬のことなど色々アドバイスをもらっています。体に気をつけて頑張れよ!といつも気遣ってくれますし、感謝しています。

 大記録を達成され、浜中騎手のお子様達も喜ばれたでしょう。

浜中 僕が馬に乗ってる姿を見せることができました。怪我もあったり、なかなか勝てない時期もあったので、そんなときは家族の存在も大きかったですね。ずっと見てくれていたと思います。

常石 現役の姿を見せられることは、自分の力にもなりますよね。羨ましいです。

浜中 ありがとうございます(笑)。失敗したときは、ちょっと情けないですけどね。

常石 騎手生活の中で、何か気を付けていることはありますか?

浜中 体力も体幹も鍛えないといけないのでジムに行っています。外国から上手い騎手がたくさん来られるので勉強になりますね。自分なりに合うことは色々試しています。

常石 だんだん騎乗スタイルも変わってきているので、最近の騎手達は、よく研究しているなあ…と感じます。ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

浜中 現役を続けられることが大事なので頑張ります。また応援してください。ダービージョッキーの名に恥じないように頑張ります。

常石 ありがとうございました。ローズSの日に坂口先生に会うのですが、伝言はないですか?

浜中 いつも応援してくださりありがとうございます。お祝いにも駆けつけてくれて感謝していますと伝えてください。

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 ローズSの日に坂口先生にお会いしました

坂口 (浜中騎手は)よく頑張ってくれているので嬉しいです。祝賀会にも招待してくれて嬉しかったです。頑張ってるので何も言うことはないです。

 強い絆で結ばれている師弟関係は、すごい感じました。大事にしたいことですね。

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坂口元調教師と浜中騎手


 浜中騎手も坂口先生も、いつも穏やかな表情ながら、厳しい競馬の世界で戦う姿を見て教えられること、学ぶことがたくさんあります。

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 愛チャンピオンSで、アイルランドのGIレースに日本馬として初めて挑戦したディアドラ号。パリ・ロンシャン競馬場で行われたGIIフォワ賞に挑戦したキセキ号。それぞれ世界への挑戦、凱旋門賞に向けて始動しましたね。眠れない秋の夜長の競馬が楽しめそうです。

 さあー!僕も大会に向けて頑張ろうと力をいっぱいもらいました。感謝!

 つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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