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【ながつきS】ハイペースが予想され、流れに乗って好位から差せる馬向き

  • 2019年09月20日(金) 18時00分

強いメンバーの中での前走2着は価値がある


 第一週の外房S(3勝クラス)のダート1200mは1分09秒8(良)。二週目はエルコンドルパサーC(2勝クラス)が1分10秒0(不良)。この秋の中山は、芝コースだけでなくダートの時計も速い。とくにダート1200mは…。雨の降り出しが遅くなっても、いつも以上のスピード決着だろう。

 人気の1頭ヒロシゲゴールドは、前走のクラスターC(盛岡)を1分09秒3(コースレコードはブルドッグボスの1分08秒8)で乗り切っている。時計の速い日だったが、現在の中山を考えると、スピードの裏付けがあるのは有利だ。

 ただ、今回は同じような逃げ=先行型がいて、とくに3走前にギャラクシーSダート1400m(稍重)を逃げ切ったゴールドクイーンの1200m通過は「1分08秒9」だった。この馬がヒロシゲゴールドより外の13番枠を引いたのはポイント。行く気になればゴールドクイーンの方が速い可能性が高い。

 行く一手型ではなく、流れに乗って好位から差せる馬向きのハイペースだろう。3歳馬ヴァニラアイス(父キンシャサノキセキ)は、中山ダート1200mでは願ってもない外の16番枠を引いた。前走のエニフS(阪神ダート1400m)では、初の古馬相手、それも相手は牡馬ばかり。内枠を引いて前半はすんなり行けなかったが、直線に向くと(今回も対戦する)内のシュウジ、ラインシュナイダーをしぶとく差した。外から来たエアアルマスには差されたものの、あの2着は価値がある。

 母の父はタイキシャトル。牝系ファミリーは2012年の小倉記念を勝ったエクスペディション(母は輸入牝馬ビーモル)などと同じ。4代母Slip Screenの半妹Bemis Heightsはビーモルの母であり,1991年の英オークスを10馬身差で独走したJet Ski Ladyの祖母になる。パワー十分、簡単にはバテないスタミナがある。

 父キンシャサノキセキ(その父フジキセキ)は、Haloの「4×4」の本領を発揮し、今年は全国ダート戦サイアーランキング部門で、ゴールドアリュール、サウスヴィグラス、ヘニーヒューズに次いで目下4位。キングカメハメハ、パイロ、クロフネなどを上回っている。

 ゴールドクイーン、ヒロシゲゴールドの先行勢は軽視できないが、春の千葉Sを1分10秒3でウインオスカー(17年のこのレースの勝ち馬)に勝ち、3走前には59kgで好走しているシュウジ(父キンシャサノキセキ)は侮れない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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