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【日本テレビ盃】船橋で巻き返すアポロケンタッキーか、ダート界の新星クリソベリルか

  • 2019年09月22日(日) 18時00分

JBCクラシック、そして年末の大一番へ続く道


 9月23日(祝・月)、船橋競馬場で行われるRoad to JBC『第66回日本テレビ盃(ダート1800m)』。今年は浦和で行われるJBCクラシック、そして中京のチャンピオンズC、暮れに大井で行われる東京大賞典へと続く路線。秋の王者たちの1戦目がここからスタートします。

 今回、上位争いを形成するのはアポロケンタッキー、クリソベリル、ヒラボクラターシュ、ロンドンタウンのJRA勢4頭に大井のノンコノユメを加えた5頭。それぞれに魅力ある馬たちの順位付けをどうするのか悩ましいところですが、非常に楽しみな一戦です。

 アポロケンタッキーは2017年の日本テレビ盃の覇者で、2018年も2着と相性が良いレース。東京大賞典(2016年)でGIを制していることから大井での走りに期待しがちですが、実は大井の成績は7戦1勝【1-0-0-6】と不振。それに対して船橋の成績を見ると5戦して【1-3-1-0】の連対率80%と、完全に船橋コース巧者。ここ2年「帝王賞からここへ」というローテーションで、舞台が変わって必ず着順を上げています(2017年帝王賞5着→日本テレビ盃1着、2018年帝王賞11着→日本テレビ盃2着)。今年も帝王賞(13着)から巻き返しの可能性大です。

船橋競馬場では馬券内を外しておらず抜群の相性を誇るアポロケンタッキー(写真は19年帝王賞出走時、撮影:高橋正和)


 人気も話題も集めそうな無敗の3歳馬・クリソベリル。デビュー3戦目で兵庫チャンピオンシップを制してダートグレード競走初制覇。続くJpnI・ジャパンダートダービーも同世代の面々に3馬身差をつけ4連勝を飾りました。全兄・クリソライトは2014年の当レース勝ち馬で、2015年も2着。しかもダイオライト記念を3連覇(2015年、2016年、2017年)している船橋コース巧者。今回、初めて船橋コースを走りますが、血統的に問題ないとみていいでしょう。3歳馬の挑戦自体が少ないレースで、もし勝てば1998年にダートグレード競走になって以来、初の3歳馬による制覇になります。

前走ジャパンダートダービーを勝ち、4連勝を飾ったクリソベリル。兄は14年に当レースを制したクリソライト(写真は19年ジャパンダートダービー優勝時、撮影:高橋正和)


 ロンドンタウンは韓国のGI・コリアC(左回り・ダート1800m)を連覇(2017年、2018年)。2017年の佐賀記念とエルムSも制している重賞4勝馬。1800mは12戦3勝【3-2-1-6】と安定した成績。船橋コースは初めてですが、昨年9月のコリアC以来となる岩田康誠騎手を鞍上に、左回りコースでの走りに期待です。

17年、18年とコリアCを連覇しているロンドンタウンが久々岩田騎手とのコンビで挑む(写真は17年東京大賞典出走時、撮影:高橋正和)


 今年2月の佐賀記念1着、3月の名古屋大賞典2着と地方競馬の競馬場で好成績を挙げているヒラボクラターシュ。じわじわと伸びてくる脚が魅力で、こちらも注目の1頭。

今年2月の佐賀記念で重賞初制覇を飾ったヒラボクラターシュ(写真は19年佐賀記念優勝時、提供:佐賀県競馬組合)


 前走・サンタアニタトロフィーで大井へ移籍後初の勝利を挙げ、復活を印象付けたノンコノユメ。JRAから移籍初戦の帝王賞でも3着に好走し、まだまだ力が衰えていないところを見せてくれました。船橋コースはこれまでかしわ記念を2戦して2016年、2018年ともに4着。今回1800mへの距離延長はプラス材料。JRA時代にジャパンダートダービー(2015年)、フェブラリーS(2018年)を制しているGI・JpnIホース。最後の直線で、ノンコノユメらしい末脚を見せて欲しいところ。移籍後ますますの活躍に期待します。

前走、サンタアニタトロフィーで18年のフェブラリーS以来の勝利を挙げたノンコノユメ(写真は19年サンタアニタトロフィー優勝時、撮影:高橋正和)


【今回のイチオシ馬】
・アポロケンタッキー
このレースはリピーターが活躍することが実に多いレース。2年ぶり2回目の勝利なるか。

【気になる馬】
・クリソベリル
初めての古馬との対戦という点がカギとなりますが、先日のテレ玉杯オーバルスプリントで同じく古馬と初対戦だったワイドファラオが2着に好走し、3歳世代のレベルの高さを見せました。

 歴戦の古豪・船橋コースのベテラン・アポロケンタッキーが貫禄を見せるのか。3歳世代の代表馬・クリソベリルが世代交代を告げるのか。ノンコノユメの末脚が光るのか。今年前半のビッグタイトルを手にしたインティ(フェブラリーS)、ゴールドドリーム(かしわ記念)、オメガパフューム(帝王賞)らが不在のここは、各陣営とも次のJBCクラシックに向けて負けられない戦いです。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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