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【スペシャル企画】「太のはしご酒」第3回 引退してからの自分を想像したことはありますか?

  • 2019年09月24日(火) 18時01分
太論

▲前回に引き続き同級生対談!


同級生対談第3弾のテーマは、「今後の目標と夢」。小牧騎手は「60歳まで乗ること」を目標に掲げましたが、はたして熊沢騎手は!? また、今後叶えたいこととして、同じ夢を語ったふたり。今回の『太論』も、ベテラン対談ならではの含蓄のある言葉が響きます!(取材・文:不破由妃子)


馬に乗らないんだったら、飲んだくれるしかない


小牧 若い頃は、まさか50歳まで乗れると思っていなかったら、目標を50歳にしててん。でも、いざ50歳になったら、全然余裕で乗ってるからね。自分でもビックリや。だから、今は60歳を目標にしてもいいかなと思ってる。

熊沢 体をメンテナンスする方法なんかも、どんどん進化しているからね。

小牧 そうやね。熊ちゃんは、なんかそういう目標みたいなものはないの?

熊沢 具体的にはないなぁ。俺の場合、昔から「あと5年、あと5年」って言いながら、ここまできちゃったからね。だから、そのときになってみないと本当にわからない。

小牧 確かに一年一年やもんね。

熊沢 その意識は俺もある。毎年、「今年一年頑張ろう」って年初に思うから。

──おふたりの引退は想像もできませんが、引退してからの自分を想像したことはありますか? 小牧さんはよく、「グルメリポーターになりたい」とか「温泉ソムリエの資格を取ろうかな」とか、冗談でおっしゃってますけど(笑)。

小牧 そりゃあ夢はいっぱいや(笑)。でも、現実的にはジョッキー以外できないもんね。今さら調教師という選択肢はないし…。熊ちゃんは?

熊沢 いや、辞めたあとのことは全然考えてない。嫁にも「なんか考えときや」って言われるんだけど、どうもピンとこなくて…。助手になるという道はあるかもしれないけど、林(満明)さんを見てると辛そうだしね(苦笑)。

小牧 だったらもう焼き鳥屋のオヤジになるしかないな(笑)。

熊沢 そうかもね。店主が誰よりも酔っ払っている可能性はあるけど(笑)。だいたいね、馬に乗らないんだったら、あとは飲んだくれるしかやることがないから。

小牧 俺も辞めたら飲んだくれたろ…。

──小牧さん、今も十分…。

小牧 言われると思ってました(笑)。

──「馬に乗らないんだったら、飲んだくれるしかない」という言葉、なんか奥が深いですね。それだけ馬一本で生きてこられたということの裏返しですから。では、まだまだ現役生活が続くおふたりにお聞きします。ジョッキーとして、今後叶えたい夢は?

小牧 やっぱりジョッキーをやっている以上、いい馬にめぐり合うこと。

熊沢 それは俺も一緒。乗り役をやっているあいだは、それはもう変わらない夢だよね。出会えなければ、技術も発揮し切れないんでね。なんやかんやいっても、競馬は素材が命。食べ物屋さんじゃないけど、いい素材がなければいい料理もできないし、いい仕事もできない。馬の土台を作るのは、牧場だったり調教師なのかもしれないけど、最後の最後に手を加えるのは僕らだから、その楽しさっていうのはすごくある。もちろん、逆に苦しみもあるけどね。でも、それを楽しいと思えるから続けてこられたんだろうし、これからもっと楽しく仕事をしていくためには、やっぱり馬との出会いが大事になってくるよね。

──熊沢さんは常々、「今の自分があるのはダイユウサクのおかげ」とおっしゃっていますよね。馬との出会いは、ときにジョッキー人生そのものを左右すると。

熊沢 あの馬がいなかったら、今の俺はいない。本当にそう思ってます。そういう馬が1頭でもいるというのは、すごく幸せだなと思う。

小牧 ダイユウサク! あの有馬記念は衝撃やったなぁ。熊ちゃんは障害と平地でGIを勝ってるんやもんね。すごいなぁ。今後も二刀流でいくの?

熊沢 平地はたまーにオマケで乗せてもらっているだけで、今はもう二刀流とはいえないよ。でも、障害馬を作るのが、今は何より楽しいから。さっき言ったように苦しみもあるし、もしかしたら苦しみのほうが大きいのかもしれないけど、人間はそのくらいでちょうどいいと思っているからね。

小牧 そうやな。そこまで悟るのは難しいことやけど、そういうふうに考えておかなアカンね。なんせ60歳まで乗ろうと思ったら、いろいろ乗り越えていかんと! あとは何より、体が衰えんようにすること。「もうアカン」と思い始めたら、俺はそこで腹を括るわ。俺もそうやけど、熊ちゃんもくれぐれもケガをせんようにね。

熊沢 うん。乗り続けるためには、ケガをしないことが一番だからね。今でも右の脛と鎖骨にプレートが入っていて、ボルトで留めている状態だけど。

小牧 それって抜くんちゃうの?

熊沢 いや、抜こうと思ったら1カ月くらい休まなくちゃいけないので、もう一生モノだと思ってる。

小牧 そうなんや。熊ちゃんに比べれば、俺もまだまだ普通の人間やな。

熊沢 そうだよ。同じ人間なのに、俺のほうが体のパーツが多いんだから(笑)。

小牧 俺、ボトルならいっぱい入ってるんやけどなぁ…(笑)。

──さて、渾身のオヤジギャグが決まったところで(笑)、二軒目に移動します! 熊沢さんもぜひご一緒に。

熊沢 いいの? じゃあ遠慮なく。

小牧 そうやそうや、今日は二軒目があるんや。次のゲストは誰? ヒントは?

──教えません!!!

太論

▲「俺も辞めたら飲んだくれたろ…。」



【今回のお店】
炙り焼き、地鶏の焼鳥が楽しめる居酒屋「炙り屋 あとり」
JR草津駅 徒歩5分 050-3462-3602
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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