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10月デビュー、期待の新人騎手

  • 2019年09月24日(火) 18時00分

各競馬場でデビューする新人騎手の活躍に注目


 まずは9月10日付の本コラムで、『難しい3歳秋の重賞日程』として、3歳秋のチャンピオンシップの日程が今年は大幅に繰り上がったことを取り上げたが、それについての追記から。

 16日(月)は西日本ダービーの取材で高知競馬場にいた。終えてその夜、パソコンを立ち上げると、ダービーグランプリ(10月6日・盛岡)出走予定馬(他地区馬のみ)についてのリリースがあった。その時点で発表されていたということは、締切はもっと以前で、選定馬および補欠馬は西日本ダービーが発走する前に決まっていた、ということになる。

 西日本ダービーといえば、3歳秋のチャンピオンシップではカテゴリーB。その勝ち馬がダービーグランプリも勝てば800万円のボーナスが得られる。その重要なステップレースの結果が出ていないうちに、本番の選出馬が決まってしまうというのは、やはりおかしい。

 地方3歳馬の頂点を決めるダービーグランプリからJBCへという道筋をつくりたいという意図はわかるが、ダービーグランプリの日程を大幅に前倒ししたことによるしわ寄せはさまざまなところに来ている。やはり来年は、3歳秋のチャンピオンシップの日程は見直すべきだろう。

 さて今回の本題は、地方の新人騎手について。

 地方競馬教養センターの騎手課程では、長らく半年ごとに候補生が募集されていたが、2005年度募集(2007年4月付免許)からは1年ごとの募集となっていた。それが2017年度からは半年ごとの募集が復活。この10月1日付で新人騎手が4名誕生することとなった。

 それに先立ち、合格発表のあった9月11日、開催終了後の浦和競馬場で記者会見が行われた。

左から、金山昇馬(佐賀)、中島良美(浦和)、関本玲花(岩手)、浅野皓大(名古屋)


 所属場の北から順に、まずは写真右から2人目、水沢競馬場の関本玲花(せきもとれいか)さん。父は元騎手の関本浩司調教師で、その父の厩舎所属となる。そうした環境なので、物心がついたときから騎手になろうと思っていたという。中学を卒業した後は飲食店でアルバイトをしながら、3度めの試験で合格。2度落ちたのは体力面が理由だった。デビュー後も筋力アップが課題となるようだ。

 浦和競馬場所属は、写真左から2人目の中島良美(なかしまよしみ)さん。小さい頃、15歳年上の姉に阪神競馬場に連れて行かれ、小学3年の頃から騎手になりたいと親に伝えていたという。高校では陸上で体を鍛えた。所属するのは平山真希厩舎。元騎手の女性調教師のもとに所属する女性騎手ということでは注目を集めそうだ。

 右端が名古屋競馬場・今津博之厩舎に所属する浅野皓大(あさのこうだい)くん。実家は岐阜県羽島市。小さい頃、競馬ファンの父に、笠松・名古屋・中京などの競馬場に連れて行かれて騎手に憧れた。とにかく武豊騎手の大ファン。厩舎実習で名古屋競馬の開催中、武豊騎手が交流レースで乗りに来ていて、そのとき自分がかぶっていた教養センターの帽子にサインをもらったのが一番の思い出。目標は地方馬で名古屋のグレードレースを勝つこと。武豊騎手と同じレースで騎乗することも夢だ。

 左端は佐賀競馬場・池田忠好厩舎に所属する金山昇馬(かなやましょうま)くん。実家は東京だが、教養センターで訓練中、池田調教師から誘いがあって佐賀所属となった。名前に「馬」がついているが、家族は直接競馬とのかかわりはなく、祖父から三代続けての午年生まれで「馬」が付けられたようだ。手足が長く体型が似ている鮫島克也騎手が目標という。

 近年デビューする騎手は、ヤングジョッキーズシリーズが行われるようになったことと関係があるのかどうか、デビュー直後から活躍がめざましい。最近のこのコラムでも、『新人騎手が続々勝利』(4月30日付)、『新種牡馬の活躍と新人騎手』(5月21日付)、『デビュー2年目、重賞勝利1番乗り』(6月4日付)、『2年目ジョッキーの快進撃』(7月9日付)、『あっぱれ!新人騎手が1日4勝』(7月30日付)、『北海道で新人騎手が1日5勝』(8月27日付)と、昨年、今年にデビューした騎手の活躍をたびたび取り上げてきたことでもそれがわかる。

 10月以降、各競馬場で順次デビューする新人騎手の活躍に注目していただきたい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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