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【スペシャル企画】「太のはしご酒」第4回 奇跡のツーショットが実現! 2軒目で待つマル秘ゲストとは

  • 2019年10月01日(火) 18時04分

▲『太のはしご酒』2軒目のゲストは!?


『太のはしご酒』2軒目のゲストは──小牧騎手の4つ下の弟であり、NAR(兵庫)の調教師・小牧毅さんです!初の兄弟対談ということで、子供の頃の思い出や園田時代の秘話など、貴重なエピソードが盛りだくさん。また、それぞれのステージで戦うお互いへの思いも明かしてくれました。(取材・文:不破由妃子)


太兄ちゃんのコブラツイストがトラウマで…


──二軒目のゲストは、意外にも『太論』初登場、小牧毅さんです! 待ちくたびれて、すでに仕上がっちゃってますが(苦笑)。

 もう酔っ払ってしまったぁ〜(笑)。

小牧 相変わらずやな(笑)。熊ちゃんもそうやったけど、まさか毅がゲストとは想像もつかんかったわ。

 店に入ってくるなり、「なんや、お前か!」だもんね(笑)。改めまして、いつも太くんがお世話になってます。地方の関係者やファンも、みんな『太論』見てるよ。僕は見てないんやけど…。

──えっ!? それは残念…。

 新聞のコラムは読んでたけど、ネットはどうやって見ればいいのかわからへん…(苦笑)。

小牧 さすが兄弟、俺と一緒や(笑)。

 熊ちゃんもご無沙汰してます。あ、大先輩なのに、熊ちゃんなんて呼んですみません…。ジョッキーをやっている頃、仲良くさせてもらってたもんで。

小牧 そうなん!? それは知らんかったわ。

 めちゃくちゃお世話になったんやで。

熊沢 いやいや、こちらこそ。昔は毎週のように地方に乗りに行っていて、毅くんは必ず声を掛けてくれたからね。

 なんかね、JRAのジョッキーは話しかけづらい雰囲気があったけど、熊ちゃんは何でも話せるお兄ちゃんみたいな感じで。すごく助かりました。

小牧 俺たちが地方にいた頃、JRAのジョッキーはみんなシュッとしていて、近寄りがたかったからね。

 うん。でも、熊ちゃんは違った。“都会人”という感じじゃなくて。

──熊沢さん、軽くディスられてますけど(笑)。

熊沢 全然平気でーす(笑)! 俺がこんなこと言ったらアレなんだけど、当時は確かに地方のジョッキーを見下しているような雰囲気があったよね。でも、いざ乗ったらみんな巧くてさ。俺は交流以前に騎手招待とかでもいろんなところに行かせてもらっていて、地方に行くのが大好きだったからね。

──偶然とはいえ、熊沢さんと毅さんをゲストにご指名したのは大正解でしたね。今日はせっかくご兄弟が揃ったので、ちょっと子供の頃のお話などをお聞きしてみようかと思っているのですが。

小牧 毅とは4つ違いで、俺は15歳で田舎を出てしまったから、実質11年しか一緒に暮らしてないもんな。

 うん。兄弟っていうより、友達みたいな感じだったような。

小牧 今でも憶えているのはね、俺が鹿児島から兵庫に行くとき、空港でオカンと毅がふたりで泣きながら手を振っていたこと。

 いやぁ、憶えてないなぁ。だって泣く必要ないやろ。しっかり稼いでこいよ〜ってな感じやったから。でも、俺たちは昔から泣き上戸やからね。けっこうよく泣くよね。

小牧 なんせ「泣き虫ジョッキー」やからね(笑)。子供の頃、よくプロレスごっこしてたやん。そのときも毅はよう泣いてたわ。いつも俺にコブラツイストとか技を掛けられて(笑)。

 今でもギューッとされるのがトラウマやわ(笑)。熊ちゃん、ご兄弟は?

熊沢 俺も4つ下の弟がいる。

小牧 まったく一緒やん!

熊沢 うん。4つ離れていると、けっこう世代間ギャップがあるよね。

小牧 そうやね。俺は子供の頃からけっこう苦労してきたけど、毅はその苦労を知らんからね。ジョッキーになったのも、いいところばかりを見て俺を追いかけてきて。

 やっぱり憧れたし、あとは稼げそうやったから(笑)。なんせド田舎で生まれ育って、貧乏やったからね。

小牧 中学の頃から、夏休みになるとよう厩舎に遊びにきてたもんな。

 俺、優しいからさ、「太くん、食べるのを我慢してるんやろ?」言うて、チョコレートとかこっそり差し入れしたり。そんな時代もあったね。

──1989年にお兄さんと同じ曾和直榮厩舎からデビュー。兄弟から一転してライバルになったわけですが、兄弟間の関係がギクシャクした時期などはなかったんですか?

小牧 ないね。

 あるよ! まぁ俺はこういう性格やから、嫉妬したりはせんかったけど。

小牧 馬を取った取られたとかで揉めたことは一度もないけど、俺がケガをしたとき、毅が曾和厩舎の馬に全部乗って、全部勝ったことがあったやん。そのときにね、「太くんは、いつもこんなにいい馬に乗ってんねんな…」ってしみじみ言ってたのを憶えてるわ。

 俺も憶えてる。ロードバクシンとかね。あのときはうれしかったなぁ。なかなかないチャンスやったから。

小牧 俺もね、勝ったのが毅だったから全然嫌じゃなかった。ほかの騎手が乗って勝っていたら、複雑だったかもしれん。そのあたりの感情は、兄弟ならではやね。

 あのときはチャンスを生かせたけど、俺はそういう波を持続できへんかった。

小牧 腕はあるんやけど、性格的に集中力が続かへんねんな、毅は。でも、20年弱の現役生活のなかで、1000勝以上したんやから。ジョッキーで1000勝するってなかなかできんことやで。

 太くんは騎手として“小牧”の名前を残してくれたから、俺は俺で調教師として“小牧”の名前を残したくてね。それで悩んだ末に、調教師になった。

熊沢 弟さんが調教師になって、小牧さんもうれしかったんじゃない?

小牧 うれしかったねぇ。まぁうれしい半面、心配は尽きんけど。毅を見ていて思うけど、調教師の仕事ってすごく苦しいと思う。でも、そんななかでもよう頑張ってる。しょっちゅう会うわけでも話すわけでもないけど、常に心の片隅にいるっていうかね。兄弟ってそんなもんやろ?

熊沢 男兄弟はとくにそうだよね。

小牧 俺もなかなか勝てなくて苦しい状況だけど、兄弟として、今の戦い、今の頑張りこそ見ていてほしいな。

 もちろんいつも見てるよ。それに、全然心配してない。なんせ腕があるし、俺のなかで太くんはすごい人やから。太くんもすごいけど、熊ちゃんもホントにすごいよね。ふたりとも偉大!

熊沢 いえいえ、とんでもございません(笑)。俺も小牧さんも、「ジョッキーを続けたいーッ!!!」って幼稚園児のように駄々をこねているようなもん。まぁそれだけこの仕事が好きなんだけどね。

小牧 せやな。

 一昔前は、50代、60代のジョッキーといったらもう“おじいちゃん”だったけど、今はホントにみんな若いからね。なんせ、熊ちゃんも太くんも髪の毛フサフサやし(笑)。今日改めて思ったけど、俺はね、ふたりが乗っている姿をまだまだ見ていたい!

小牧 うん、頑張らな。今日はふたりともありがとう。そろそろ毅が限界なので(笑)、このへんでお開きということで!

太論

▲3人で乾杯しました!



【今回のお店】
貝と白ワインのバル「KAKIMARU 草津駅前店」
JR草津駅 徒歩2分 050-3373-2059
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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