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【サウジアラビアRC】今年の2歳世代で特に注目したい産駒は…

  • 2019年10月04日(金) 18時00分

例年になく好スタートを切ったハーツクライ産駒


「今年の2歳世代には、近年になくいい馬がいる」と評判だったが、その通り種牡馬ハーツクライ(父サンデーサイレンス、18歳)産駒は好スタートを切った。早くも牡馬マイラプソディが新馬→野路菊Sを「1着、1着」、牝馬ウーマンズハートは新馬→新潟2歳Sを「1着、1着」している。

 ハーツクライの総合種牡馬ランキングは最近5年間、今年を含め3、4、4、3、2位。少しずつ順位を上げているが、急に産駒成績が良くなったわけではない。2歳ランキングも例年通り5位前後で、10月3日終了現在、全国で8頭が勝ち上がり計10勝しているにすぎない。今春の種付け頭数もディープインパクトが途中で、キングカメハメハが最初から停止のわりに、18歳という年齢もあってか、近年と同様の180頭止まりだった。ただし、現2歳には光る素質十分の馬が含まれ、それが頭角を現している。

 サウジアラビアRCには、重賞になって過去4回、17年に人気薄の伏兵を1頭挑戦させただけなのに、今年は牡馬サリオス(母の父Lomitas)、牝馬クラヴァシュドール(母の父Giant's Causewayは、前出ウーマンズハートの母の父Shamardalの父でもある)。注目馬を2頭も出走させてきた。

 4分の3同血の姉に、ローズS2着、エプソムC2着などの4歳オープン馬サラキア(父ディープインパクト)のいるサリオスは、母サロミナが独オークス馬。母の父Lomitasは独2400mのGI3勝であると同時に、11年の凱旋門賞5馬身差独走を中心に、キングジョージVI世&QエリザベスSなど12F級のGIを5勝したデインドリームの父。東京1600mの新馬は今回も対戦するアブソルティスモ(父ダイワメジャー)を完封して上がり33秒1。D.レーンが坂上で気合を入れるためちょっと追ったが、ほぼ馬なりだった。530kg台の巨漢馬とあって仕上げは慎重にかつ入念。ここを勝てるなら、さらに評価上昇となる。

 クラヴァシュドールの新馬も猛然と伸びて上がり33秒1。直線、牝馬とは思えない力強いフットワークで牡馬相手にグイグイ伸びた。身体が大きく映ったから、ストライドも大きいのだろう。祖母の全姉スペイン(父サンダーガルチ)は、BCディスタフ【1-1-0-0】など35戦9勝の活躍馬。こちらもパワー兼備の追って味のある牝馬に育ちそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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