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凱旋門賞。ディープインパクト産駒の可能性

  • 2019年10月05日(土) 20時02分

父を越える走りができないだろうか?


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 ディープインパクトとその父サンデーサイレンス。種牡馬としてどちらが優れているか? という議論。これは「何が優れているか?」の方向性によって変わりますから置いときます。

 ひとついえるのは、JRAダービーが行われる東京芝2400mG1の勝ち馬を出すための「繁殖牝馬の成功パターン」がディープインパクトとサンデーサイレンスでは大きく異なることです。

 サンデーサイレンス産駒で東京芝2400mのG1を勝利した馬は10頭。母父ニジンスキー系、グレイソヴリン系、リファール系など「欧州型」。なかでもフランス寄りの血統の成功例が目立ちます。(スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、ディープインパクト。なおハーツクライは最高着順が2着で母父はグレイソヴリン系)ミスタープロスペクター系の勝利は1頭。ダンチヒ、ヴァイスリージェント、ストームキャット系からは連対馬も出ませんでした。

 一方ディープインパクトも東京芝2400mのG1を勝利した馬は10頭。しかし、母父の傾向は父とは大きく異なります。ダンチヒ系、ヴァイスリージェント系、ストームキャット系、ミスタープロスペクター系(キングマンボ系)など、サンデーサイレンスに比べると「米国寄り」の繁殖で実績を残しています。(血統、系統はスマート出馬表を参照)

 もちろん産まれてきた時代が違うのですし、繁殖の質や流れも違います。JRAの馬場もサンデー直仔全盛時代とはだいぶ異なります。それでもサンデーサイレンスは欧州寄り。ディープインパクトは米国寄りの繁殖に成功パターンが偏っている。という大雑把な認識は、馬券でも役に立つこともあります。

 日本時間の日曜の夜は凱旋門賞が行われます。今年ディープインパクト産駒では、フィエールマンが出走を予定しています。

 同馬の母はリュヌドール。欧州のフランス生産馬。父はニジンスキー系のグリーンチューン、その父グリーンダンサーはフランスのリーディングサイヤーも獲得。母父の父ラインゴールドは凱旋門賞馬。母母父リュティエはフランスのリーディングサイアーを4度獲得。まさにフランスの名血。

 どちらかというと、父サンデーサイレンスの成功パターンとして重宝されそうな繁殖。ダービーが行われる季節の東京芝2400mに自己最高のパフォーマンス発揮できる確率は下がるパターン。

 けれどもJRAダービーではベターではない配合だからこそ、古馬になっての凱旋門賞遠征は「JRAダービー最適化」の配合と育成を施されたディープ産駒よりも合うかもしれません。路盤はカタすぎるよりは、推進力を生めるぐらいの柔らかい方が合いそうです。

 もちろん、凱旋門賞出走馬には、よりロンシャンに最適化された配合と育成を施された馬が出走しますから簡単なことではありませんが。(血統傾向だけの予想でフィエールマンを本命にするのはどうか? とも思いますが)

 凱旋門賞では、今まで挑戦したディープ産駒、そして父を越える走りができないだろうか? と個人的には期待しております。他のJRA所属馬のチャレンジも感服いたします。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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