キズナ1強の牙城を揺るがすエピファネイアの快進撃!(辻三蔵)
正攻法の競馬で好結果を残しているエピファネイア産駒
2019年ファーストシーズンサイヤー(中央競馬限定)は、キズナが収得賞金2億3080万円で1位快走(中央競馬2歳リーディングサイヤーでも首位堅持)。
そのキズナに猛烈な勢いで迫るのが2位エピファネイア。10月12日(土)〜15日(火)4回東京、京都2週目で、エピファネイア産駒が4勝の固め打ち。
10月13日(日)京都9R紫菊賞(2歳1勝クラス)はロールオブサンダーが逃げ切り、デビューから無傷の2連勝。新馬戦、未勝利戦で3頭が勝ち上がり、勝馬頭数17頭はキズナ(16頭)を抜いた。収得賞金1億8525万円を積み重ね、1位キズナを射程圏内に捉えた(データは2019年10月15日現在)。
JRA18勝中17勝が芝のレース。芝1200m6勝(勝率27%)、芝1600m5勝(勝率21%)、芝2000m6勝(勝率29%)と根幹距離に滅法強い。
エピファネイア自身も芝2000mで京都2歳S、ラジオNIKKEI杯2歳Sを2連勝。3歳以降、芝2400mを主戦場とし、日本ダービー2着、神戸新聞杯1着、ジャパンカップ1着と好走した。血統的には芝2400mは大歓迎。来年の日本ダービー、オークスでの活躍が楽しみだ。
脚質別成績では逃げ[6-2-1-5/14](勝率43%、複勝率64%)、先行[7-5-5-23/40](勝率18%、複勝率43%)が得意。先行して速い脚を使える特長を受け継ぎ、正攻法の競馬で好結果を残している。
持ち味のスピードの持続力を鍛えるには、坂路調教が最適。エピファネイア産駒の調教コース別成績では、栗東坂路調教馬が[8-5-2-24/39](勝率21%、複勝率38%)、美浦坂路調教馬が[4-2-1-17/24](勝率17%、複勝率25%)と好成績を収めている。
中間の調整ではウッドチップコースを活用して乗り込み量を増やす。1週前追い切りで速い時計を出し、直前は坂路で終い重点の調整を行う。
走行距離が短い坂路なら集中力が持続し、効率的に負荷が掛けられる。3ハロン目から速めのラップを刻み、ラスト1ハロン12秒台にまとめる。
好走時計は[4ハロン52-53秒台、3ハロン37-38秒台、1ハロン12秒台]
あまり速い時計を出すと、テンションが高くなるので、全体時計は遅くても良い。動きは地味でも実戦で集中力が増し、ハイパフォーマンスを発揮する。
奇しくも2014年ジャパンカップでエピファネイアを勝利に導いたクリストフ・スミヨン騎手(38歳)が今秋、7年ぶりに短期騎手免許を取得する。期間は10月19日(土)から12月23日(月)まで。エピファネイア産駒の更なる可能性を引き出す名手の来日は、首位奪取への最大の切り札だ。