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桜花賞馬レジネッタの息子ライフレッスンズ

  • 2019年10月16日(水) 12時00分
●シェノン(牡 栗東・矢作芳人 父キズナ、母オールアイキャンセイイズワウ)

 キネオダンサー(3勝/父ディープインパクト)、ディープエクシード(16年毎日杯-GIII・6着/父ディープインパクト)の4分の3弟。母オールアイキャンセイイズワウは現役時代、アイルランドとアメリカで走り、重賞こそ勝てなかったものの、デルマーマイルH(米G2・芝8f)2着、ミレイディH(米G2・芝8.5f)3着などの成績を残した。

 母の父Street CryはドバイワールドC(首G1・ダ2000m)の勝ち馬で、アメリカの女傑Zenyatta(通算20戦19勝、米年度代表馬)、オーストラリアの女傑Winx(通算獲得賞金世界一、G1を25連勝)の父。Street Cryの全姉は名種牡馬Shamardalの母でもある。

 母はRiverman 4×3というインブリードを持っているが、父キズナはRivermanやそれと近い血統構成のMill Reefを持つ配合がうまく行くのではないかと思われるので見どころがある。芝向きの中距離タイプ。

●セイウンソルジャー(牡 美浦・水野貴広 父Constitution、母Invitation)

 母Invitationは米6戦1勝。その4分の3兄にミドルパークS(英G1)、デューハーストS(英G1)でいずれも2着となったTomahawkがいる。2代母StatuetteはニジャナS(米G3・芝8.5f)の勝ち馬。父Constitutionは米リーディングサイアーTapitの息子で、現役時代にフロリダダービー(米G1)とドンH(米G1)を勝った。

 初年度産駒となる今年の2歳世代が大ブレイクしており、米ファーストシーズンサイアーランキングでAmerican Pharoahを抑えて現在トップに立っている。Tiz the Law(19年シャンペンS-米G1)、Amalfi Sunrise(19年ソレントS-米G2)、By Your Side(19年サンフォードS-米G3)、Gouverneur Morris(19年ブリーダーズフューチュリティS-米G1・2着)などコンスタントに活躍馬が出ているのは素晴らしい。

 JRAに登録のあるConstitution産駒はわずか2頭。そのうちの1頭である本馬には大いに期待したい。ダート向きのマイラー。

●テンテキセンセキ(牡 栗東・松永昌博 父キンシャサノキセキ、母プレシャスドロップ)

 母プレシャスドロップは現役時代に芝短距離で1勝。名牝スカーレットインクの牝系から誕生しており、一族は芝・ダート兼用の堅実なスピードを武器としている。本馬の父はキンシャサノキセキ。その2代父フジキセキはDeputy Ministerとニックスの関係にある(カネヒキリ、サウンドトゥルー、ホワイトフーガなどが出る)。

 本馬の母の父フレンチデピュティはDeputy Minister産駒なので、本馬はこのニックスから誕生している。今年の函館2歳S(GIII)で1番人気に推されながら5着と敗れたレッドヴェイパーも「キンシャサノキセキ×フレンチデピュティ」の組み合わせから誕生している。仕上がりが早く芝・ダートどちらでもやれそうだ。いずれにしても短距離がベストだろう。

●フルールドネージュ(牝 栗東・鈴木孝志 父ヘニーヒューズ、母クインネージュ)

 ゴーイングパワー(11年兵庫ジュニアグランプリ-JpnII/父サクラバクシンオー)、ゴーインググレート(17年プロキオンS-GIII・4着/父フレンチデピュティ)、グランドボヌール(19年サマーチャンピオン-JpnIII/父エンパイアメーカー)の半妹。父ヘニーヒューズは女傑ビホルダーの父として知られ、日本に入った外国産馬・持込馬わずか15頭からモーニン、アジアエクスプレス、ヘニーハウンド、ケイアイレオーネと4頭の重賞勝ち馬を出した。

 日本における初年度産駒は4歳。ダート1800m以下を守備範囲としてコンスタントに走っており、ワイドファラオがニュージーランドT(GII)とユニコーンS(GIII)を、ドンフォルティスが北海道2歳優駿(JpnIII)を制し、オーヴァルエースがヒヤシンスS(L)など3戦全勝、といった好成績を挙げている。

 本馬の「ヘニーヒューズ×フジキセキ」という組み合わせは成功しており、前出のドンフォルティス、浦和桜花賞を勝ち東京プリンセス賞で2着となったプロミストリープなどが出ている。ダート向きのマイラー。

●ライフレッスンズ(牡 美浦・国枝栄 父ロードカナロア、母レジネッタ)

 桜花賞馬レジネッタを母に持つ良血馬。母の「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」は、コンスタントに走るものの大物は出ない組み合わせだったが、レジネッタが例外的にGIを勝ったのは、残り4分の1の部分(つまり2代母のマクダヴィア)にHyperionとSon-in-Lawの組み合わせから成る血を5本持つ(Tudor Minstrel、Flower Bowl、Abernant、Imitation、Swaps)という底力の塊のような配合構成だったことが大きい。

 レジネッタは母としてまだこれといった大物を出していないが、これまでJRAでデビューした5頭中3頭が勝ち上がっているので悪くない。本馬の父はロードカナロア。「ロードカナロア×フレンチデピュティ」は10頭中7頭が勝ち上がっており、そのなかにはアンヴァル(19年北九州記念-GIII・3着)が含まれる。本馬はレジーナドーロ(3勝/父キングカメハメハ)、アルトリウス(3勝/父キングカメハメハ)の4分の3弟。芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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