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【菊花賞】競馬ってそんなに単純じゃない!

  • 2019年10月19日(土) 12時00分

過去のデータから穴馬を探してみる


 まずは、このたびの台風19号で被災された方々に謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 中央競馬の開催にも大きな影響が出てしまいました。それでも、G1の秋華賞とエリザベス女王杯トライアルの府中牝馬Sが当初の日程どおりに行われたのは何より。今後は競馬界全体で被災者の方々を支援する取り組みが求められそうです。

 さて、今週は菊花賞。ダービー1、2着のロジャーバローズ+ダノンキングリーと、皐月賞+神戸新聞杯の勝ち馬サートゥルナーリアが不在で、その3つのレースで最先着しているヴェロックスが本命に推されています。でも、競馬ってそんなに単純じゃないと思っている方も多いことでしょう。

 お察しのとおり、私もそう思う人の1人。去年まで10年間の成績を見ると、1〜3着に来た30頭のうち11頭は7番人気以下の馬でした。5番人気以内の3頭で決着というのも3回ありましたが、基本的には荒れてもおかしくないレースだと思います。

 10回中9回で3着以内に来ているのが、前々走=ダービー、前走=神戸新聞杯という馬。しかもそれらの馬のダービー着順はバラバラですが、神戸新聞杯では例外なく3着以内に来ています。このことからすると、ヴェロックスはかなりの高確率で3着以内に来るはず。ならば、同馬と穴馬を絡めて“2頭軸”の馬券を買う作戦でいきましょうか?

 穴馬を探すには、7番人気以下で3着以内に来た11頭のパターンをあぶり出す必要があります。その11頭のうち5頭は前走で1000万(現2勝クラス)特別を勝った馬。一方、1〜3着馬30頭の中で前走が4着以下だった馬は3頭しかいません。その3頭は、古い順に7、6、10番人気でした。7番人気以下で3着以内に来た11頭のうち2頭はそういう馬だったわけです。

 そして、11頭の馬番は、これも古い順に1、3、6、12、15、10、11、4、14、12、7。目立つのが10〜15番の馬です。人気を問わず、16〜18番の馬で3着以内に来たのはここ10年で2頭だけ。8枠に入ってしまった馬にとっては厳しい数字と言わざるを得ません。

 じゃあ今回、10〜15番を引き当てた馬の中に穴馬はいるでしょうか?一番雰囲気を感じるのは、前走の阿賀野川特別(2勝クラス)を勝ったホウオウサーベル。おととし、去年と2年連続で阿賀野川特別の勝ち馬が3着(しかも13、10番人気で!)に来ていますからね。でも、みなさんそれを分かっているのか、けっこう人気になっています。7番人気以下になるかは微妙なところです。

 だったら、前走のHTB賞(これも2勝クラス)を勝ったカウディーリョか、12年に7番人気で3着に来たユウキソルジャーと同じ神戸新聞杯4着のレッドジェニアルはいかがでしょう?勝つまではどうかと思いますし、あくまでもヴェロックスとの“2頭軸”を作るための穴馬として、ですけどね。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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