スマートフォン版へ

【コーフィールドC展望】現地高評価のメールドグラースと馬券で狙いたい元欧州馬(無料公開)

  • 2019年10月18日(金) 18時03分
海外競馬通信

▲調教中のメールドグラース(撮影:Darryl Shere)


オーストラリアの現役騎手・通訳兼コーディネーターの川上鉱介氏が、明日に迫ったオーストラリアの三大レースのひとつコーフィールドCを現地から生展望。現地関係者に取材を重ねて集めた、注目の情報を交えてお届けします。

(文=川上鉱介)


レーン騎手が陣営を説得した背景からも


 10月19日、日本時間15時15分(現地時間17時15分)に世界で最も賞金の高い2400mのハンデG1・コーフィールドC(1着賞金300万豪ドル)が発走する。

 過去にはアドマイヤラクティが日本馬として初めての優勝を果たしたほか、アイポッパーの2着、デルタブルースの3着を含む多数の日本馬が挑戦している豪州を代表する大レースだ。

 メルボルンの春のG1シーズンでも、コーフィールドC、コックスプレート、メルボルンCは三大レースとして競馬ファン以外の注目度も非常に高い。

 今年、日本から同レースに挑戦するメールドグラースは現地でも非常に高く評価され、出走が表明された時点からブックメーカーの前売りでは1、2番人気に支持され続けている。

 コーフィールドCはハンデG1という事もあり、圧倒的な実績を持つ馬よりもG1の実績は少なくとも成績を上げてきている勢いのある馬が有利なレースだ。

 その点からも、G1実績はなくともG3を三連勝中で、能力と勢いがありながらもハンデは55.5kgと比較的低斤量でレースに臨めるメールドグラースは正にこのレース向きの馬と言える。

 このレースの特徴をよく知る、メルボルンの若き名手ダミアン・レーン騎手が日本での勝利後にぜひこの馬でコーフィールドCに挑戦を、と陣営を説得した背景からも、同馬がいかにこのレースに適したタイプの馬かという事が分かる。

 2400mは初めてとなる同馬だが、オーストラリアの競馬は日本よりも道中のペースが遅くなる傾向があり、スローペースからの瞬発力勝負になる事が多い。

 そのようなレーススタイルの違いからも、過去にオーストラリアに移籍した日本馬達は日本で結果を出していた距離よりもより長い距離で成績を残す傾向がある。

 2000mで素晴らしい瞬発力を見せて重賞を勝っているメールドグラースにとって、オーストラリアの2400mは距離不安の材料にはならない。

 アドマイヤラクティ以来の日本馬によるコーフィールドC制覇の期待が高まるメールドグラースだが、そこは国際G1、そんなに易々と勝たせてくれるレースではない。

 オーストラリアの生産、調教は短距離偏重であり、オーストラリアの長距離路線はメンバーが弱いとも言われているが、近年は欧州よりハイレベルな長距離馬達が輸入されており、このレースも主な相手は元欧州馬となる。

 現時点で1番人気に支持されているフィンシュは昨年春にオーストラリアに輸入されG3・ジーロングCで3着、G1・メルボルンCで4着と素晴らしい成績を残した。

 距離は長い方が良いと言われていたが、前々走でG3を制し、前走のG1・ターンブルSではハイレベルなメンバーを相手にアタマ差の2着と2000mでも使える脚を見せた事で一気にコーフィールドCの主役へ躍り出た。54.5kgというハンデも魅力的だ。

 また、現地で一気に評価を上げているのがコンスタンティノープル。キャリアわずか8戦ながら、アイルランドでは重賞で3戦1勝、2着2回と抜群の安定感を見せ、鳴り物入りでオーストラリアに移籍して来た。

 この馬もG1実績のない上がり馬という事で、わずか53kgのハンデでコーフィールドCに臨む。現地ではコーフィールドCとメルボルンCの中心になると目されている馬だ。

 移籍前はまだ未熟さを残す走りを見せていたが、オーストラリアで同馬を管理するD・ヘイズ師は「こちらに来てから色々と馬具を試して、今ではすっかり真っ直ぐ走るようになった」と自信を覗かせている。コーフィールドCではチークピーシーズ、クロス鼻革を装着、ハミもリングハミに変更して出走する。

 一昨年もブームタイムで同レースを制し、ジャパンCにも挑戦したオーストラリアの名伯楽が見込んだコンスタンティノープルの走りに注目だ。

 外国産馬がずらりと並ぶ中で、数少ない豪州産馬のミスタークイッキーとヴァウアンドディクレアは、6月に行われたG1・QLDダービーの1、2着馬。それぞれ53kg、52.5kgの低ハンデで出走する。

 今年のトップハンデのハートネルはG1を4勝している実績馬で、今年もハイレベルなG1で安定した成績を残している。58kgのハンデを背負うが、圧倒的に低ハンデ馬が有利なメルボルンCとは違い、トップハンデでも完全に切ることは出来ないのがコーフィールドCだ。

 その他には、水曜日に見事優先出走権を獲得した日本産馬ウォルフにも注目したい、中2日というと日本では考えられないローテーションだが、昨年もプリンスオブアランがレクサスSから中2日でメルボルンCに出走し3着に入るなど、決して不可能ではない日程だ。

 なお、ニュージーランドより同レースに出走予定だったクラウンプロセキューターは獣医検査の結果出走取り消しとなり、代わりにサウンドが出走する事となった。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

専属特派員による現地からの最新情報や、著名人によるレース展望・レポートなど、日本馬出走の海外ビッグレース情報をどこよりも詳しく、より早くお届けします。公開はプレミアムサービス限定となります。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング