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【天皇賞・秋】枠番と馬場次第で評価は大きく変わる!

  • 2019年10月21日(月) 18時00分

■天皇賞・秋(G1・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録17頭


★3行でわかる!天皇賞・秋 攻略の糸口

1. なぜか偶数馬番が好成績。人気薄はここを狙い撃て!
2. 末脚のキレは超重要。勝つのは前走上がり上位馬!
3.外枠はやはり割引。内容がもっとも優秀なのは中枠。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし


 アーモンドアイとサートゥルナーリアが激突と、今年のG1でも最高にレベルが高いレースになりそうな、今年の天皇賞・秋。巻き返しを期するダノンプレミアム、ワグネリアン、ウインブライトなども軽くは扱えず、じつに面白いレースが期待できそうである。

 レースやコースの特徴はいくつもあるが、特注データとして今回とりあげるのは、なんと「出目」である。理由が説明できないモノを特注で扱うな!とお叱りを受けるかもしれないが、理由がよくわからなくとも実用性があれば使えてしまうのが、競馬の懐の深さ。そういったところも大きな魅力といえる。

 簡潔にいえば、天皇賞・秋は「偶数馬番」が強いレース。馬券に絡んだ馬の3分の2が偶数馬番と、かなり大きく偏っている。また、偶数馬番の単勝適正回収値が126.6と非常に高いというのも、コレを特注に推す理由のひとつ。近年の天皇賞・秋はかなり順当決着傾向が強いのだが、偶数馬番ならば人気薄でも狙いが立つ。

 奇数馬番もトータル[3-5-2-77]とそれなりに馬券に絡んではいるのだが、単勝適正回収値43.0、複勝回収値22と、回収値ベースの数値は低空飛行。それもそのはずで、じつは馬券に絡んだ10頭は、すべて5番人気以内なのだ。6番人気以下の奇数馬番は[0-0-0-58]と、なんと全滅。つまり、上位人気に推された馬だけ買えばいいということだ。

 あとは、上がり上位馬が素晴らしい成績を残していることや、やはり外枠不利の傾向が強いコース&レースであることなども、予想する上で重視すべきポイント。枠番による影響が大きいレースなので、データ特注推奨馬は現時点では「なし」とさせてもらった。あえて言うならば、「内〜中枠に入った前走で最速上がりをマークしている偶数馬番」か。

【コース総論】東京芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★人気馬の成績は意外に優秀。穴での狙いは7〜9番人気がいちばんオイシイ。
★やはり内枠有利&外枠不利。多頭数での外枠は相応の割引が必要となるか。
★最速上がり馬が素晴らしい成績。クラスが上がると差し優勢になるコース。





 スタート直後に急なコーナーがあるというトリッキーな形態で、誰がどう見ても内枠有利&外枠不利のコース。東京芝1800mとは200mしか差はないが、スタート位置の違いで、性質はかなり異なっている。これはもうある意味「名物」なので、いまさらどうこう言う話ではないが、外枠から前に行こうとする馬にとっては鬼門となるコースである。

 まずは人気別だが、1番人気など人気サイドは意外なほどにしっかり、人気に応えている。3番人気以内馬は連対率37.6%、複勝率50.9%をマークしており、複勝回収値も85となかなかの高さ。人気薄では、7〜9番人気の好内容が目立っている。ふたケタ人気馬も悪くない結果を残しているコースだが、バランスがいいのは断然こちらである。

 次に枠番データだが、こちらは前述したようにハッキリと内枠有利&外枠不利。中団〜後方に位置する馬ならば挽回もできるが、前に行きたい組が外枠に入った場合には、思いっきり評価を割り引く必要がある。また中団待機組も、欲しいポジションを取りやすいのは、やはり内。勝ち負けには「真ん中よりも内」の馬番が欲しいところだ。

 最後に脚質面。データ的には先行勢が優勢といえるが、クラスが上がるにしたがってどんどん差し優勢にシフトするのがこのコース。最速上がりをマークした馬が素晴らしい成績を残しているように、勝ち負けには決め脚が必須といえる。後方からの追い込みもそれなりには決まるが、安定感があるのは中団待機組のほう。あまり後方に置かれてしまうと、直線の長いこのコースでも間に合わなくなる。

【レース総論】天皇賞・秋(G1) 過去10年

・レースの要所!

★意外に荒れない一戦。成績優秀な1番人気からの「チョイ荒れ」狙いを推奨。
★外枠は大不振だが、好成績なのは内枠ではなく中枠。序列は「中>内>外」。
★最速上がり〜上がり2位馬は強烈なまでの強さ。前走内容からも推測は可能。
★G1ながら、乗り替わり組のほうが強い。外国人騎手へのスイッチは超好成績。









 レースの平均配当は、単勝1033円、馬連4430円、3連複9667円と、意外なほどに低い水準。コースのイメージから「荒れる」印象がある一戦だが、近年はけっこう順当に決まっている。1〜2番人気が連対を果たせなかったのは、過去10年で2009年の1回だけ。その2009年にしても、1番人気馬が3着に残っている。人気馬が総崩れになるケースは、まずないと言えるだろう。

 目立っているのが、中穴ゾーンである4〜6番人気の強さ。コースデータではイマイチだったが、レースデータではここが絶好調で、毎年のように馬券絡みしている。対照的に意外なほど弱いのがふたケタ人気で、トータル[0-1-1-78]で複勝率2.5%と、ちょっと手を出しづらいレベル。3着のヒモで狙うのが精一杯で、連対までは厳しい──というのが、近年の傾向である。

 次に枠番だが、こちらはコースデータ以上に外枠が不振。馬番13番よりも外に入って、勝った馬は1頭も出ていない。さらに出走頭数を問わず、大外に入った馬は[0-0-0-10]と全滅中。ギリギリ買えても14番までで、15〜18番に入るとその時点で、かなり厳しい戦いとなってしまう。あとは、好成績なのが「内枠ではなく中枠」であるのも、覚えておいて損はないはずだ。

 脚質面は、先行勢と中団待機組が拮抗。ただし、上がり最速〜2位の馬が、トータル[8-5-5-4]で勝率36.4%、連対率59.1%という驚異的な成績を残していることから、軸には「中団から差す馬」を選ぶべきだろう。勝ち負けに鋭い差し脚が要求されているのは、前走での上がり3F順位別成績からも間違いなし。1着にくるのは、これが「3位以内」の馬である場合が非常に多い。

 前走レース別成績では、宝塚記念からの直行組と、札幌記念組の好成績が目立つ。それに次ぐのが毎日王冠組で、京都大賞典やオールカマーからのローテは総じて不振である。そして騎手関連データからは、G1であるにもかかわらず乗り替わりがマイナスとはならないことや、外国人騎手の異様なまでの強さが浮かび上がってきた。外国人騎手が騎乗予定であるアーモンドアイ、サートゥルナーリアの2頭は、やはり期待大だ。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ヴィクトワールピサ産駒をプラス評価の対象とした。とくに高く評価したのがキングカメハメハ産駒で、信頼度の高さはディープインパクト産駒とほぼ互角。それでいて、単勝適正回収値は112.2と高く、2着よりも1着のほうが格段に多い「勝ちきる」レースができているのも魅力的だ。逆にヴィクトワールピサ産駒は、2〜3着で狙ったほうが面白そう。ロードカナロア産駒のコース適性については、データの母数が少なすぎて、正直なところ何とも言いづらい。

★特別登録馬 総論×各論

 ハイレベルなメンバー構成で、前に行きたい組もけっこういるので、よどみのない流れになりそう。問題はBコース替わりで、コレでどういった影響が出るのかは現時点ではまったく読めない。また春のような「超・前残り馬場」が発生する可能性もありそうで、そうなると速い流れでも前が残る──といった結果が出るかもしれない。

 さらに、枠番の影響が非常に大きいコース&レースであるのも、繰り返し解説した通り。偶数馬番か奇数馬番かでも、データを信頼して買うのであれば、攻め方を変える必要が出てくる。登録馬こそ把握できているが、現時点では評価を「ものすごく」付けづらいというのが、正直なところである。

 馬場バイアスや枠番をまったく考慮しない段階での評価は、トップ評価がアーモンドアイ、二番手がサートゥルナーリアという、身も蓋もないもの。以下の序列も、現時点ではおおむね「人気する順」といった印象で、コレという穴馬も見当たらない。netkeiba.comの予想オッズ=枠番決定前の評価順と考えてもらって、まったく問題ないはずだ。

 しかし、それは枠番が決まり、土曜日のレース結果が出た段階で、ガラッと入れ替わる。Bコース替わりの影響が強く、内〜中枠に入った場合には、ここもハナを切るであろうアエロリットの評価などは、一気に高くなる。本気と書いてマジで、今年の天皇賞・秋については、現段階での評価に何の意味もない。

 アーモンドアイやサートゥルナーリアにしても「多頭数での8枠」にでも入った場合は、押さえ評価あたりが適当となるはず。それくらい、相対的に評価が入れ替わるレースだと考えていただきたい。特注データに「出目」なんかを選んでいたりする理由も、このあたりにあったりする。断言できるのは、どんな条件下でも勝ち負けになるほど、この2頭が抜けて強いわけではない──ということだけだ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



見せ場ナス!(#^ω^)ビキビキ

勝った05クロノジェネシスを、上位に評価できていない時点でアウツ。ノーザン育成馬の「ぶっつけ」は割り引き不要だと知ってはいても、長年の習性でつい割り引いてしまうのよね(老化)。掲示板に載った人気薄は、14シゲルピンクダイヤだけでなく09シャドウディーヴァまで押さえているというのに!

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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