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【天皇賞・秋】豪華メンバー集結の一大決戦

  • 2019年10月25日(金) 18時03分

女王アーモンドアイに待ったをかける馬は!?


 アーモンドアイとサートゥルナーリアの対決が話題の天皇賞秋。東京は金曜にかなりの雨が降っているが、土日に降らなければレースは良馬場でやれそうだ。

 アーモンドアイは安田記念以来となるが、ここと目標レースを決めたうえでの休み明けは不安材料にならない。安田記念は枠順やスタート、展開など敗因が重なったうえで3着だったが、むしろあの形からの3着はよく走ったという印象。今回は好枠も引いた。捌きのリスクはあるが、最近の傾向だとインが極端に伸びない馬場にはなりづらく、今回は条件が揃ったという印象だ。

 サートゥルナーリアは神戸新聞杯を完勝して臨む一戦。乗り替わりだがスミヨンなら不安視する理由にはならない。それよりも問題は上の世代との対戦。3歳馬があまり勝っていないということもあるが、そもそも初の対古馬戦そのものがリスクではある。前走の勝ちっぷりが良すぎるのも人気を押し上げる材料として馬券上ではマイナス。超スローを番手から進めた前走が、逆に距離短縮の一戦でレース勘を狂わせないかもちょっと気になる。

 ダノンプレミアムは安田記念で最下位、入線後騎手が下馬ということになったが、その日のうちに異状なしがアナウンスされたしそこは不安視する必要なし。この馬に関してはとにかく、人気2頭より前でレースができる点が魅力。2000mは守備範囲だろうし、強気の位置取りで進めてほしいところだ。

 ワグネリアンは今年2戦が3、4着だが、キレない馬や時計を要する馬場が得意な馬に負ける形で、良馬場・決め手勝負になればもっとやれる可能性は十分。今回は外枠を引いてしまったのでその点はマイナスだが、脚を溜めて自分向きの展開になるのを待つしかない。

 スワーヴリチャードは悪くない競馬を重ねているのだが、勝ち星には恵まれない状態が続いている。東京コースは合うわけだし、距離も大阪杯を勝った以上マイナスとは言えない。今回の乗り替わり自体がプラスなのかどうなのかはよく分からないが、目先を変えるという意味では悪くないのかもしれない。

 アエロリットはスタミナというよりは気性や馬のタイプとして2000mだとちょっと長いのだろうが、単騎逃げの馬は常に波乱を起こす可能性がある。ダノンプレミアムに早めに来られると厳しいが、皆が後ろの人気2頭を待ちすぎた場合はこの馬が馬券圏内に残る可能性もある。

 スティッフェリオはオールカマーの競馬が上手すぎたぶん、前走1着でも評価しづらい。馬がどうこう以前にオールカマー→東京GIが繋がりにくく、中山のオールカマーに出走した馬がその年秋の東京GIで馬券になったのは最近だとショウナンパンドラとレイデオロだけで、既にGI勝ちがあるレベルでないと厳しい。個人的には有馬記念で評価したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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