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【アルゼンチン共和国杯】若くて勢いのある馬を買うべし!

  • 2019年10月27日(日) 18時00分

■アルゼンチン共和国杯(G2・東京芝2500m)フルゲート18頭

★3行でわかる!アルゼンチン共和国杯 攻略の糸口

1. 4歳以下馬が猛烈に強い。若くて勢いのある馬を重視!
2. 内枠の有利さが目立つコース条件。脚質は差し優勢
3. 基本的にはメチャクチャ堅い。極端な穴狙いは危険!


データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 東京芝2500mという「レア」なコースで開催されるハンデ重賞が、アルゼンチン共和国杯。ハンデ戦ながら、ゴールドアクターやシュヴァルグラン、スワーヴリチャードなど後のG1馬を輩出しており、年末の有馬記念などにも繋がる重要な一戦だ。

 その最大の特徴が「若くて勢いのある馬」の強さである。極端なまでに4歳以下馬が強いレースで、ここに駒を進めてきた3歳馬も、5頭中4頭が馬券絡み。「3〜4歳=強い・5〜6歳=ボチボチ・7歳以上=弱い」と、年齢によって成績がハッキリと分かれている。今年も馬券の中心となるのは、4歳以下馬だろう。

 あとは、今年の日本ダービーの例を持ち出すまでもなく、かなり内枠有利の傾向が強いレース条件であるのもポイント。出走頭数が増えれば増えるほど、内枠有利&外枠不利の傾向が強まる。前に行きたい組はもちろん、最後の直線で馬群がバラける東京芝では、中団待機組も内枠のほうがベター。人気薄でもマークは怠れない。

 そして最後に、メチャクチャ堅く決まっているのも、しっかり意識しておきたい要所。4番人気以内馬が、トータル[8-9-5-18]で連対率42.5%、複勝率55.0%、複勝回収値111という好結果を残しているように、波乱傾向はきわめて低い。ハンデ戦ではあるが、ブンブン振り回すような馬券での勝負はオススメしかねる。バットを短く持った、シュアなバッティングで臨みたい。

【コース総論】東京芝2500m Bコース使用

※今回は東京芝2400mと東京芝2500mの2コースを集計対象としています

・コースの要所!

★基本的には人気馬が強いコース。1番人気の信頼度や回収値も非常に高い。
★馬番1〜4番が飛び抜けて好成績と、内枠の強さが目立つ。外枠はやはり不利。
★上がり上位馬がすべて好成績と差し優勢の傾向。高い瞬発力が要求される。




 東京芝2500mは、目黒記念とアルゼンチン共和国杯でしか使われないコース。あまりにデータ母数が不足するので、今回は東京芝2400mのデータも含めた上で、分析を行っている。スタート位置が4コーナー方向に100mズレるだけなのだが、坂下からのスタートとなるため、その性質はやや異なる印象。それだけに、本当は同列に扱いたくはないのだが、こればっかりは仕方がない。

 まずは人気別成績。目立っているのが人気サイドの強さで、1番人気は勝率32.0%、連対率53.3%、複勝率69.3%という、非常に高い信頼度を誇っている。回収値ベースの数値も優秀で、文句なしに「買い」といえる内容だ。その他の上位人気も全体的に優秀で、基本的には人気馬を信頼すべきコースといえる。

 次に枠番データだが、内枠である馬番1〜4番が飛び抜けて好成績。トータル[34-24-26-212]で連対率19.6%、複勝率28.4%という信頼度の高さで、さらに単勝適正回収値も123.7と、大台を大幅に上回っている。対照的に外枠の成績はイマイチで、内枠有利&外枠不利のコース条件と考えるべきだ。

 最後に脚質面。上がり3F順位の上位馬がすべて好内容であるように、瞬発力の要求度がきわめて高いコース条件である。速い上がりが繰り出せるというだけで、狙ってみる価値は十分にあるはず。先行勢もそれなりに健闘しているが、差し優勢であるのは、4コーナーを先頭で回った馬の信頼度の低さが物語っている通り。中団から一気の脚で伸びてくるような馬を、馬券の中心に据えたい。

【レース総論】アルゼンチン共和国杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★馬券絡みした馬の過半数が3番人気以内と、順当決着傾向がかなり強いレース。
★やはり内枠が有利。多頭数での外枠は相応の割り引きが必要不可欠といえる。
★差し優勢であるのはコースデータ通り。年齢別では4歳以下馬の強さが目立つ。
★ハンデを背負っている組のほうが強い。前走3勝クラスの馬の勢いも侮れない。








 レースの平均配当は、単勝687円、馬連2903円、3連複1万8062円と、馬連平均の低さが目立っている。その要因となっているのが人気サイドの強さで、4番人気以内馬のトータル成績[8-9-5-18]と、なんと連対馬のほとんどがここに含まれている。昨年も、11番人気のマコトガラハッドが3着に激走したが、1着は3番人気のパフォーマプロミスで、2着は1番人気のムイトオブリガードだった。

 というわけで、ハンデ重賞ではあるのだが、波乱傾向は「超」弱め。人気薄で勝った馬もいることはいるが、そこを狙い撃つのはメチャクチャ難しい。穴で狙えそうなのは7〜9番人気くらいのもので、それもギリギリなんとか買えるかどうか。穴狙いはできるだけ避けて、堅めの決着を狙ったほうがいいレースだろう。

 枠番については、コースデータと同様に内枠有利&外枠不利という結論に。少頭数で行われたレースも含まれているので公平なデータではないが、内枠である馬番1〜6番は単勝適正回収値135.6、ギャップ値プラス0.9という好内容を残しており、平均人気の差を考えると中枠よりもはるかに優秀といえる。逆に、多頭数での外枠はやはり、相応の割り引きが必要となる。

 脚質面も、おおむねコースデータ通り。先行勢も踏ん張っているが、信頼度が高いのは中団待機組だ。最速上がりをマークした馬は、[4-3-3-1]で複勝率なんと90.9%と、そのほとんどが好走。後方に置かれると分が悪いが、中団からキレ味の鋭い末脚を繰り出せる馬は、高く評価してしかるべきである。

 重視したいのが年齢別成績データだ。このレースでは3〜4歳馬がトータル[7-4-6-24]で複勝率41.5%、複勝回収値117と非常に強く、5歳以上馬を圧倒。7歳以上の高齢馬が不振であることからも、若くて勢いのある馬のほうが強いレースであるのは間違いない。「4歳以下馬が中心、5〜6歳馬が押さえ、7歳以上馬は消し」と決め打つのも面白い。

 ハンデについては、基本的には「背負っている組」のほうが強いレース。勝ち負けになるのは、牡馬ならば56キロ以上馬だ。ただし、58キロ以上を背負わされるとさすがに厳しいので、56〜57.5キロあたりのゾーンが狙い目。ハンデ55キロ以下馬については、前走が自己条件戦だった組が要チェックといえる。

 前走クラス別成績は、両極端な結果となった。前走G1組は文句なしの好成績を残しているのだが、それに次ぐ存在が、前走が3勝クラスや2勝クラスだった組なのである。このあたりにも、「若くて勢いのある馬が強いレース」であるのが見え隠れしている。あとは騎手関連データから、一応は継続騎乗組のほうが好内容であること、関西所属騎手がもっとも期待できる存在であることなども押さえておきたい。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒とルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。特注といっても過言ではないのがルーラーシップ産駒で、その信頼度の高さはディープインパクト産駒をゆうに上回るもの。また、単勝適正回収値が100の大台を突破しているのも見逃せない。プラス評価の対象とはしなかったが、ステイゴールド産駒、ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒なども内容は良好だ。

★出走想定馬 総論×各論

 回避する可能性のある馬も含めて、現時点で出走の意向が把握できているのは11頭。おそらく特別登録の段階でかなり増えるとは思うが、確たる中心となりそうな馬が見当たらない、かなり悩ましいメンバー構成となりそうだ。どの馬が人気になるのかも、現段階ではなかなか見極めが難しい。

 前走G1組が見当たらないとなると、重視すべきは「若くて勢いのある」前走条件戦組。この条件を満たすのはアフリカンゴールド、バリングラの2頭で、面白いことにいずれもセン馬である。上位に取ったのは4歳馬であるアフリカンゴールドのほうで、重賞にはこれで三度目の挑戦。菊花賞や日経新春杯は惨敗だったが、ここまで相手関係が軽くなれば、三度目の正直も期待できそうだ。というわけで、トップ評価とする。

 二番手評価にルックトゥワイス。春の目黒記念1着以来となるが、藤原英厩舎らしい入念な仕上げでレースに臨んできそう。末脚のキレ味はピカイチで、最後の直線では確実にいい脚を使える。問題は展開だが、こちらは現時点では何とも言いかねる。出走頭数がもっと増えて、道中それなりに流れてくれるような組み合わせになれば、ここも上位争いが期待できるはずだ。

 以下はアイスバブル、ノーブルマーズ、ムイトオブリガード、バリングラ、グレイルという評価の序列だが、このあたりは大きく入れ替わりそう。もっと「若くて勢いのある馬」が登録してくる可能性もありそうなので、月曜日にしっかりチェックしていただきたい。あとは、堅く決まる傾向が非常に強いというのもお忘れなく。


■総論×各論・先々週の馬券回顧


当たった!当たったぞおお!!(*^ω^)♪

 ……と思わず叫んでしまうほど久々の的中でございます。上位に評価した2頭がキッチリ上位に食い込んで、ヒモで「7〜9番人気」を連れてきたという、近年のデータにかなり合致した決着となりました。こういうレースばっかりだと気が楽なんですけどねえ……。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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