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ノーザンファームで蓄積されてきた騎乗育成のノウハウ(村本浩平)

  • 2019年10月29日(火) 18時00分

リアアメリアとグランアレグリア「2年連続」の接点


 訳あって、アルゼンチンに来ている。

 その訳とは、年末ぐらいにグリーンチャンネルを見ていれば分かるかもよ?と匂わせたところで、地球のほぼ真裏(帰りの飛行機は、乗り換え含めて38時間!)から、原稿を書かせていただいております。

 とは言えども、地球のほぼ真裏からでも、インターネットに接続が出来るWi-Fi万歳\(^o^)/というわけで、リアルタイムでは無いのですが(時差はマイナス12時間)、10月26日、27日に行われた競馬もしっかりとチェックしておりました。

 天皇賞・秋ではアーモンドアイの強さを見て、次の日にお会いしたアルゼンチンのホースマンに、「日本には世界最強クラスの牝馬がいますよ!」とおぼつかない英語で伝え、スワンステークスでは、浦河の名門、酒井牧場の生産馬であるダイアトニックの勝利に、帰ったら酒井代表に「おめでとうございます!」と連絡しなくては、と思っていたところ、「2年連続か…」と驚愕したのが、アルテミスステークスで1番人気の支持を集めた、リアアメリアの勝利だった。

 2年連続と言っても、昨年の勝ち馬であるシェーングランツとは、生産牧場(社台ファーム)が違う。ここで取り上げたい「2年連続」の接点となる馬とは、リアアメリアとグランアレグリアである。

 実はこの2頭は共に2歳6月のメイクデビューを勝利しており、その後は2歳重賞(グランアレグリア…サウジアラビアRC)を勝利。しかも、ノーザンファーム空港のA2厩舎の育成馬であるだけでなく、3月中に牧場から天栄としがらき、そして厩舎へと移動していった馬なのだ。

 早期デビューからの活躍を可能としたのは、やはり、現場で常に成長を見極めてきた調教主任や厩舎長、そして育成スタッフの観察眼のたまものと言える。それでも、2年連続で重賞馬を送り出したのは、凄いとしか言い様がない。

 勿論、早期デビューのノウハウが全ての育成馬に当てはまるわけではない。そこには「強い」の言葉だけでは到底片付けられない、ノーザンファームの様々なカテゴリーにおける管理もあれば、様々な活躍馬を経てきた中で蓄積されてきた騎乗育成のノウハウが、この2頭にしっかりと生かされたと言える。

 A2厩舎には帰国後にでも「おめでとうございます!」とアルゼンチン土産(あくまで予定)を持って行こうと思う。その時、自分の目の前には来年の6月のメイクデビューをあっさりと勝利するだけでなく、A2厩舎にとって、3年連続での2歳重賞制覇を成し遂げてしまうような1歳馬がいるのかもしれない。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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