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【北海道2歳優駿】今年もホッカイドウ競馬勢・サンライズC組が上位争いか

  • 2019年10月30日(水) 18時00分

未来のスターホースを見つけるのも面白いレース


 10月31日(木)門別競馬場で行われる『第46回北海道2歳優駿』。過去10年の優勝馬を見るとJRA所属馬5勝に対して、ホッカイドウ競馬所属馬も5勝と互角の戦いを繰り広げています。ホッカイドウ競馬では若駒の育成に力を入れ、早々に(4月)2歳新馬戦をスタートさせていることに加え、2歳戦線の体系も充実していることが活躍の大きな要因。毎年、強い2歳馬たちを次々と輩出しています。

 一方JRA勢を見ると、今年は4頭すべて1勝馬。近年このレースを制したJRA馬は、2017年のドンフォルティス、2016年のエピカリスと、ともにここまで2勝を挙げての参戦でした。2勝馬不在の今回は、戦歴が多く経験値が高いホッカイドウ競馬勢を上位に推したいと思います。

 中でも同コース・同距離で実施されるサンライズCは最も重要なステップレース。北海道2歳優駿・2013年1着のハッピースプリント、2016年2着のヒガシウィルウィンと3着のスウィフトハート、2017年3着のサザンヴィグラス、昨年1、2着のイグナシオドーロとウィンターフェル。上記した面々はすべてサンライズCで上位争いを演じた馬たち。早速今年のサンライズC組上位馬から見ていきましょう。

 サンライズCを5番人気で制したティーズダンク。道中後方からの競馬で、直線外から末脚炸裂。これまでの重賞(栄冠賞9着、ブリーダーズゴールドジュニアC7着)で届かなかった上位馬たちをまとめて差し切り、成長した姿を見せてくれました。近5走は1700m以上のレースを使って5戦2勝【2-1-1-1】というのも好材料。今回も鋭い末脚を繰り出すことができるか?! 伸びしろ十分の期待馬です。

ティーズダンクは今回も鋭い末脚を繰り出すことが出来るか?!(写真は19年ブリーダーズゴールドジュニアC出走時、ユーザー提供:史緒さん)


 サンライズCで2番人気2着のアジュバント。道中じわじわと動き、最後はティーズダンク、ヨハネスボーイと接戦を演じての2着。7月のブリーダーズゴールドジュニアCでもヨハネスボーイの2着で、ホッカイドウ競馬の2歳世代で上位の力があることは確か。

ホッカイドウ競馬の2歳馬で上位の実力があるアジュバント(写真は19年ブリーダーズゴールドジュニアC時、ユーザー提供:史緒さん)


 サンライズCで1番人気に推されたヨハネスボーイ。直線でいったん先頭に立ったもののティーズダンクとアジュバントに差されて3着でしたが、馬体重プラス14kgで最後のひと伸びがなかった印象。ブリーダーズゴールドジュニアCを制したのち、芝のレースに挑戦。札幌のクローバー賞2着、札幌2歳S5着と好走し、地力の高さを証明しました。巻き返しの可能性大。

札幌2歳Sでも5着と好走したヨハネスボーイは巻き返しに期待(写真は札幌2歳S出走時、ユーザー提供:かっちゃさん)


 別路線からタイセイサクセサー。デビューから7戦3勝【3-1-3-0】とすべて馬券圏内。特に前走、初の1700mでのレースぶりに注目してみると、スタートで後手を踏み後方からの競馬に。道中も外々を回る競馬だったにもかかわらず、直線だけで5馬身差の圧勝。スムーズに自分の競馬ができればさらに上を目指せそうで、非常に面白い存在です。

前走5馬身差の圧勝を飾ったタイセイサクセサー(写真は19年イノセントC出走時、ユーザー提供:史緒さん)


 アベニンドリームは前走・鎌倉記念に遠征して2着。無傷の4連勝で鎌倉記念を逃げ切ったインペリシャブルのクビ差2着まで猛追したレースぶりは秀逸。ここでも侮れない1頭。

鎌倉記念で2着に好走したアベニンドリームにも注目(写真は19年鎌倉記念出走時、撮影:高橋正和)


 JRA勢で最有力候補はピオノノ。ひとつ年上の全兄ハヤヤッコは今年のレパードSを制し、叔母のユキチャンはダートグレード競走3勝を挙げた(2008年関東オークス・2009年クイーン賞・2010年TCK女王盃)良血馬。デビューから3戦目の前走、ダートに転じて2戦目で初勝利を挙げたばかり。初の地方競馬、ナイター競馬を前に早めに門別競馬場に入厩しているとのことで、陣営の期待もうかがえる態勢。3戦1勝【1-1-0-1】と、まだまだこれからの馬で、ここからの飛躍を目指します。

叔母にユキチャンがいるピオノノ(写真は19年未勝利優勝時、ユーザー提供:サクヤノチチさん)


 キメラヴェリテも3戦1勝馬【1-0-1-1】。2走前、2歳未勝利(小倉・ダート1700m)で逃げて余裕のある勝ちっぷり。前走は1400m戦で負けてしまいましたが(3着)、今回再び勝った長めの距離に戻るのは好材料。末脚にかける有力馬が多い中、逃げて自分の競馬ができれば、そのままゴールする可能性も。

キメラヴェリテの逃げ脚に注目が集まる(写真は2歳未勝利優勝時、(C)netkeiba.com)


 そのほか10月12日の新馬戦(京都・ダート1800m)を勝ったばかりのラーラクロリ、キャリア4戦1勝【1-0-0-3】のマイネルアストリアも参戦。JRA勢4頭、すべてキャリアは少ないものの、地方競馬初参戦で新しい魅力が引き出せるか注目です。

新馬戦を勝ったばかりのラーラクロリも果敢に重賞に挑戦(写真は19年2歳新馬優勝時、(C)netkeiba.com)


新潟で未勝利戦を勝ったマイネルアストリアも出走(写真は19年未勝利優勝時、ユーザー提供:クモユニさん)


【今回のイチオシ馬】
・アジュバント
初コンビ・高知の赤岡修次騎手を配して、重賞初制覇を狙います。

【気になる馬】
・タイセイサクセサー
別路線からは底を見せていないこの馬の可能性に期待。

 ホッカイドウ競馬で行われる2歳重賞の集大成でもある北海道2歳優駿。実は来年2020年のJBC競走から新設される2歳部門に組み込まれ、『第1回JBC2歳優駿』となることが決まっています。『北海道2歳優駿』という名称で実施されるのは今回がラスト。

 このあとは12月の全日本2歳優駿、来年のダートクラシック戦線へと繋がる重要な戦い。2歳馬たちの成長度合いを見極め「未来のスターホースを見つける」という意味でも非常に楽しみなレースです。皆さんぜひ馬券を買って、最後の『北海道2歳優駿』にご参加ください!

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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