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初勝利まであと一歩! 期待の2歳馬モンサンイルベントの可能性

  • 2019年10月30日(水) 18時01分
太論

▲モンサンイルベントの可能性について語ってくれました


今週の『太論』は、初勝利まであと一歩の2歳馬、モンサンイルベントのレース回顧です。小牧騎手とコンビを組んでからの2戦は、十分な手応えを感じながらも2着→2着。若駒ゆえの難しさとともに、伸びしろと可能性を語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)


手応えを感じていた分、ショックだった敗戦


──今週は、10月13日の京都2R、10月26日の京都1Rと、2戦連続2着のモンサンイルベントのレースを振り返っていきたいと思います。

小牧 勝てんねぇ、なかなか。この馬も力はあるから、どっちも相手が悪かったとしか言いようがない。

──とくに小牧さんが初めて騎乗された10月13日のレースは、3着馬に8馬身をつけての2着でしたものね。そのレースの最終追い切りで初めて騎乗されたわけですが、ファーストコンタクトの印象は?

小牧 うん、いい感じやったよ。未勝利はすぐに卒業できると思った。レースでも手応えが良かったし、これは勝てそうやなと思いながら乗ってたんやけどねぇ。あとでVTRを見たら、勝ち馬(レッドブロンクス・ルメール騎手)の手応えはもっともっと良かった(苦笑)。

──1番のウェイヴァリー(5着・松山騎手)と競り合うような形での逃げで。展開的には決して楽ではなかったのかなと思ったのですが。

小牧 いや、そんなことはない。ペース自体はそんなに速くなかったからね。それに、モンサンイルベントは物見をする馬で。だからちょっと下げていったんです。1頭で先頭に立つと、まだ物見が激しくて。

──なるほど。それでああいう展開に持ち込んだんですね。

小牧 そうやね。勝ち馬にはアッサリかわされてしまったけど、3着馬には8馬身差つけていたし、時計的にも次はいけると思ったんやけどなぁ。

──次走は単勝2.7倍の1番人気。小牧さんも力が入った一戦だったのでは?

小牧 1番人気に乗るのは久しぶりやったからね。力が入ったというより、しみじみ「勝ちたいなぁ」と思ってた。でも、ゲートで一回立ち上がって、態勢が悪くなってしまって。ハナを切れるかと思ってたんやけど、出遅れてしまったね。今思うと、出遅れたわけやから、ジッとしていてもよかったんやけどね。砂を被った経験がないから、とりあえず砂を被らない位置で競馬をしたいなと思ったのと、やっぱりついつい勝ちたい一心で前に行ってしまった。手応えを感じていた分、ショックやったね、負けたことが。

──500キロ以上ある大型馬で、まだ絞れそうな印象も。良くなる余地を多分に残していますよね。

小牧 そうやね。あとは、ちょっと気が小さい馬なのか、調教のときからキョロキョロしてるわ。そういう子供っぽいところがまだあるから、逆に伸びしろは十分にあるでしょうね。

──キョロキョロしているということは、近くに馬がいないと不安なのかもしれませんね。

小牧 そうだと思う。それが物見につながってるんやないかな。

──ということは、馬群の中のほうが集中して走れたり?

小牧 そうかもしれんけど、さっきも言ったように砂を被ったことがないから。もし砂を被って嫌がったら、力を発揮できずに終わってしまうからね。この前は、そうなるのが嫌で前に行ったっていうのもある。まぁいつかはそういう競馬も経験させなくちゃいけないんやけどね。そのためにも、もうちょっと落ち着いてというか、集中して走れるようにならんと。あくまで僕の感覚やけど、一度放牧に出たら変わってきそうな感じはしてる。

──この馬に関しては、ユーザーからもこんな質問がきています。「小牧騎手は先行しているとき、4コーナーで後ろを振り返ることが多いような気がしますが、(10月13日の)モンサンイルベントのときは後ろを振り返ることがありませんでした。それは、イケる!という確信があったからですか?」。

小牧 4コーナーの時点で勝てると思ってたのはそうやけど、だから振り返らなかったわけじゃなくて、物見をするから前に集中させていただけ。とにかく物見をさせたくなかったから、僕も後ろを確認する余裕がなかったね。

──確かに小牧さん、4コーナーでチラッと後ろを確認することが多いですよね。あれは、追い出しのタイミングを計るために、後続の手応えを確認しているんですか?

小牧 手応えだったり、隊列だったり、あとはどのくらい近くにいるのかとか。自分の馬の手応えが悪い場合は、直線で邪魔をしちゃいけないから、そういう意味でも後ろの動向は気になるからね。

太論

▲「子供っぽいところがまだあるから、逆に伸びしろは十分にある」

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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