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【京王杯2歳S】男馬が20連勝中で関西馬が主役の一戦

  • 2019年11月01日(金) 18時04分

ファンタジーSでは巻き返しに燃える関東馬


 かつて、1200m当時はもちろん、1400mになっても仕上がりの早い牝馬が大活躍した時期があったが、同じ1400mのファンタジーS(牝馬限定)が1996年に創設されると様相一変。目下、男馬の「20連勝」がつづいている。

 もちろん、まだ遠征したくない馬もいるので、牝馬の出走もあるが、12年からファンタジーSと京王杯2歳Sが同じ週になった。最近7年の牝馬は【0-2-0-16】。

 2着した牝馬は、ともに2戦2勝の1番人気の関西馬だった。今年の牝馬はみんな1勝の関東馬。主力になるのは断然、牡馬としていい。

 最近10年の東西別成績は、(3着以内率)

  関東馬【3-4-4-69】 (.138)
  関西馬【7-6-6-38】 (.333)

 この距離を狙って遠征してきた関西馬が圧倒している。

 函館2歳Sでは今回も対戦するビアンフェに逃げ切られたが、上がりでは0秒9も上回っていたタイセイビジョンの逆転が望める。出負けして前半はもたついたが、直線の脚色は断然光った。それも、直線はすでに勝利は望めない差があったので、必死に追っての2着ではなかった印象がある。前回につづいて騎乗のC.ルメールは、先週終了時点で133勝、トップだった川田に並んで2着数の差でランキング1位となっている。今年はムリかと見えた時期もあったが、騎乗数で上回るので、今年もリーディングジョッキーのタイトルが見えてきた。貪欲に騎乗するだろう。

 当然、函館2歳Sを完勝しているビアンフェ(父キズナは10月30日終了現在、2歳種牡馬ランキング2位)は強敵だが、中間の動きがもっとも目立ったのは、マイネルグリット。小倉2歳Sの勝ち馬だが、スピード能力で勝ったというより、強引にまくっての3連勝だった。新馬は中京の1600m快勝。前走の1200mより明らかに今回の1400mのほうが合う。

 ファンタジーSは、ここまで23回、地元の関西馬22勝に対し、関東馬は【1-3-3-28】。ただし、巻き返しに燃える今年の関東馬は史上最多タイの4頭も挑戦する。

 穴馬なら、伏兵ペコリーノロマーノ。新馬は時計は平凡でも、追ってのしぶとさ十分。2、3着馬は次走で快勝している。英オークス3着の祖母サミットヴィルは6カ国で走ったタフな馬だった。2戦目でガラリ一変がある。

 アーモンドアイの天皇賞(秋)で勢いに乗る国枝厩舎のマジックキャッスルの母は、叩きつつ良化し、3戦目から3連勝して桜花賞を少差3着したソーマジック。この馬の上昇度にも注目。関東馬の快走がありそうに思える。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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