スマートフォン版へ

【外国人騎手の本当の狙い時】佐藤哲三が解説! マーフィー騎手、ムーア騎手、デットーリ騎手編

  • 2019年11月04日(月) 18時03分
馬ラエティBOX

▲(左から)マーフィー騎手、ムーア騎手、デットーリ騎手


名手の中の名手・デットーリ騎手、9年ぶりに来日中のスミヨン騎手…今秋の短期免許の外国人ジョッキーは超豪華。佐藤哲三元騎手も、名手の競演を前に大興奮。具体的に、世界の名手たちはどう巧いのか? 哲三元騎手が詳しく、わかりやすく解説します。

(取材・構成=不破由妃子)

※全2回。公開中の前編「スミヨン騎手、ビュイック騎手、シュタルケ騎手編」はこちらから


オイシン・マーフィー騎手(英)が乗ると…
「馬がしなる!」


 まだ24歳で、日本での騎乗歴も浅いマーフィーですが、彼の乗り方を見ていると、さすが世界のトップジョッキーだなぁと思う部分が随所にあります。

 まずひとつは、肘の使い方。道中、スピードをコントロールするときでも、決して肘が膝に被らない。つまり、下からではなく、上から圧を掛けてコントロールしているということです。

 日本人ジョッキーの多くは、拳を返して下のほうで引っ張るから、馬の首の動きが窮屈になり、どうしてもスピードで損をしてしまう。

 その点、肘を下げずに上からコントロールできれば、スピードを殺せずに進めるし、馬も動きやすいんですよね。マーフィーは、24歳にしてそういう乗り方ができている。さすがだなと思います。

 コパノキッキング(2019年根岸Sをマーフィー騎手で勝利)でいうと、もちろん菜七子騎手も上手に乗っていますが、スピードを殺さず、なおかつ距離の融通を利かせる乗り方という意味では、彼が一番上手く乗っていたんじゃないかと思います。

馬ラエティBOX

▲コパノキッキングで勝利した2019年の根岸S (撮影:下野雄規)


 もうひとつ、彼の特徴といえば、直線の追い方です。道中とは違い、今度は下から圧を掛けることで、馬を上手くしならせている。しならせ方の違いはあれど、海外のトップジョッキーが追うと、馬がしなるんですよね。

 おそらく、トモではなくて広背筋の後ろのほうに力が伝わっているから、馬自身のバランスが下がり過ぎない。そうすると、馬の首が勝手に伸びて、推進力につながるんです。

 一見、進みにくそうに見えるかもしれませんが、物理的に捉えると進みやすい追い方。決して美しいフォームではありませんが、僕は好きですね。

ライアン・ムーア騎手(英)が乗ると…
「馬の筋肉を柔軟に使いながら抑えられる」


 決して美しいフォームではない…という意味では、ライアン・ムーアもそうですね。でも、僕は好きです、彼の動かし方。なぜなら、ジョッキーのフォームより、馬がどう動いているかが大事だと思うから。

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

netkeiba豪華ライター陣がお届けするエンタメコーナー。今まで味わったことのない競馬の面白さを体感してください!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング