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【デイリー杯2歳S】父は世界的名血、マイル挑戦に注目

  • 2019年11月08日(金) 18時00分

小倉2歳S組という評価を一蹴するような走りを


 例年、小倉2歳S組は3歳を迎えるころからしだいに評価が下がるケースが多い。近年では、16年の勝ち馬レーヌミノルがのちに桜花賞を勝ったのと、13年の2着馬ベルカント、7着馬ネロ。そして09年の2着馬ダッシャーゴーゴーなどが、やがて短距離重賞で活躍したのが目立つにとどまる。まして今年は、小倉2歳Sを勝って3戦3勝だったマイネルグリットが、先週2日のGII「京王杯2歳S」を2番人気で9着に凡走してしまった。

 だが、今年の小倉2歳Sの2着馬トリプルエース(父Shamardalシャマーダル)は、阪神の新馬1200mを勝ち、同じ1200mの小倉2歳Sをクビ差2着だが、決して1200m向きの馬とは思えない。距離が1600mになるここで注目したい。

 父Shamardalシャマーダル(その父Giant's Causeway)は、2004年のカルティエ賞最優秀2歳馬となっただけでなく、3歳時も仏ダービー2100m、仏2000ギニー1600mなどを勝ち、GIの4勝を中心に通算【6-0-0-1】。

 種牡馬となってからが素晴らしくMukhadramムカドラム(GB)、香港のAble Friendエイブルフレンドなどが世界各地で活躍し、15年のエクリプス賞(仏GIII)を勝った牝馬サスパレラSasparellaは輸入牝馬。Lope de Vegaロペデヴェガは父と同じく仏2冠の勝ち馬となり、その牝駒Jemayelジュマイエル(仏GIサンタラリ賞勝ち馬)は、日本に輸入されている。

 また、今年の新潟2歳Sを勝って2戦2勝の牝馬ウーマンズハート(父ハーツクライ)は、母の父がShamardal。短距離を中心に5勝のオープン馬デザートストームの母の父もShamardalになる。

 距離1200mの小倉2歳Sでは出負けして先行できず、苦しい位置から追い込んで勝ち馬をしのぐ上がり35秒9でクビ差だけ。母トリプルピルエットは公営の2歳時に3戦1勝で早期に引退したが、祖母は米GII芝9Fの勝ち馬。3代母は同じく米GII芝9Fデルマーオークスの勝ち馬。4代母は1966年の英オークスの勝ち馬。

 距離が1600mになってのレース内容に注目したい。新潟2歳S2着のペールエール、アスター賞を勝って2戦2勝のサクセッションと好勝負なら、近年の小倉2歳Sの2着馬とは違った評価になるだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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