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【マイルCS】超ハイレベル戦でレースも馬券も面白い!

  • 2019年11月11日(月) 18時01分

■マイルCS(G1・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録17頭


★3行でわかる!マイルCS 攻略の糸口

1.レースもコースも中穴が強い。少しひねって買うべし!
2.内枠有利かつ中枠不利。中枠は人気馬でも過信禁物。
3.強い買い材料のある4歳馬が中心。やや差し優勢か。

データ特注推奨馬
★ダノンキングリー・ダイアトニック



 マイルCSの特徴として真っ先に挙げられるのが、中穴の強さと内枠の強さ。詳しくは後述するが、「上位人気は強いが1番人気はあまりアテにできない」レースであり、少しだけひねって馬券を買ったほうが好結果を呼び込めそうだ。また、中枠が極端に弱いというのも、予想をする上でしっかり意識しておきたいポイントといえる。

 そして今回の特注データは、使い勝手がいい「前走人気別成績」を挙げている。データを見ていただければ一目瞭然だが、マイルCSは基本的に、前走での「人気」が今回の結果に直結する傾向が強いレース。そして、「前走2番人気以内馬」の信頼度がとくに高く、しかも爆発力も意外なほどある──というのが、主な推奨理由だ。

 特別登録馬17頭のうち「前走2番人気」という条件を満たすのは、ダイアトニック、ダノンキングリー、プリモシーン、モズアスコットの4頭だけ。そのうち、買い材料の多いダノンキングリーとダイアトニックの2頭を、特注推奨馬とした。2〜5番人気になってくれれば、信頼度はさらにアップするはずである。

【コース総論】京都芝1600m外 Cコース使用

・コースの要所!

★4〜6番人気や7〜9番人気など中穴ゾーンの活躍が目立つ。多少ひねるのが吉。
★内枠が非常に強いコース。不振なのが、外枠ではなく中枠である点に注意!
★基本的には前有利もクラスが上がると徐々に差し優勢になる傾向が見られる。





 今週からB→Cコース替わりとなる京都芝コース。芝1600mは、2コーナー奥のポケットがスタート地点だ。バックストレッチをフルに使うコース形態で、最初のコーナー進入までは約700mと、かなり余裕がある。よって、序盤からポジション争いが激化することは基本的には少ないが、そこはG1。序盤からそれなりに速いラップが刻まれて、底力勝負となる可能性もありそうだ。

 まずは人気データだが、目立っているのは人気サイドではなく、4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴ゾーンの強さ。上位人気が2〜3着に取りこぼすケースが多く、そのぶん中穴ゾーンの成績がよくなっている印象である。ふたケタ人気馬もそれなりには馬券絡みしているが、ここを狙うのは効率があまりよくない。中穴から流す馬券などでの勝負をオススメしたいコースだ。

 次に枠番だが、こちらは内枠が優秀な内容。最初のコーナーまで十分に距離があるコースとは思えないほどで、これは京都の外回りコースに共通する傾向でもある。面白いのが、内枠有利だが外枠不利ではないという点で、成績が不振なのは「中枠」。信頼度だけでなく、回収値ベースの数値も非常に低く、けっこう割り引いて考えたほうがいい。評価順は「内>外>中」という序列となった。

 脚質については、基本的には先行勢のほうが優勢。最速上がり馬よりも、上がり2位の馬のほうが勝率が高いというのも、その裏付けとなるデータである。ただし、クラスが上がれば上がるほど差し優勢にシフトするのは、このコースも同じ。重賞に関していえば、先行勢と中団待機組が互角──と考えたほうがいいはずだ。

【レース総論】マイルCS(G1) 過去10年

・レースの要所!

★人気サイドが好成績も1番人気の信頼度はイマイチ。2〜5番人気が美味しい。
★コースデータ以上に内枠の強さと中枠の不振が目立つ結果。中枠軽視を推奨。
★コースデータよりは差し優勢。前走最速上がり馬は高く評価する価値アリ。
★4歳馬が飛び抜けて好成績。外国人騎手への乗り替わりも大いに期待できる。








 レースの平均配当は、単勝1269円、馬連5114円、3連複1万7584円と、獲りやすい程度で「適度に」荒れているイメージ。本命党から穴党まで楽しめる、馬券を買いやすいレースといえそうだ。1番人気は[1-2-2-5]と半数が馬券に絡むも、2着や3着に取りこぼすケースが多い。単勝適正回収値は35.6という低さで、ここを1着で狙うような馬券だと、ちょっと素直すぎる。多少はひねって買ったほうがよさそうである。

 人気別で目立っているのは2〜5番人気の強さだ。1番人気の信頼度が低いのは前述の通りだが、それでも基本的には人気サイドが強いレース。コースデータよりも順当決着傾向ではあるのだが、「上位人気同士で決まったわりには配当がつく」といった決着が多く、ここをうまく狙えるとかなりオイシイ。ふたケタ人気はトータル[1-2-0-86]と3回の馬券絡みがあるが、近年に限れば大不振で、けっして買いやすくはない。

 馬番については、「内枠が強くて中枠が弱い」というコースデータで見られた傾向が、さらに加速している。これをよりハッキリさせるために、今回は成績が優秀な5番人気以内馬に限定したデータも用意した。内枠である馬番1〜6番がトータル[5-2-2-6]で複勝率60.0%、複勝回収値140をマークしたのに対して、中枠である馬番7〜12番は[0-6-0-15]で複勝率28.6%、複勝回収値50と低調な結果。中枠は、かなり割り引いて考えたい。

 脚質は、コースデータよりも差し優勢。芝G1なので当然といえば当然なのだが、こちらでも「最速上がり馬よりも上がり2位の馬のほうが勝率が高い」という結果となった。これはつまり、極端に差し優勢ではなく、先行勢と中団待機組が互角に張り合っているということ。直線が平坦で、さらにCコース替わりのタイミングでもあり、前が残るケースも十分に考えられる。

 面白いのが、前走での上がり3F順位別でのデータ。末脚のキレが相応に求められるレースで、前走が「最速上がり」の馬は[3-3-2-11]で連対率31.6%、単勝適正回収値136.6、複勝回収値109という好内容を残している。しかし、コレが2〜5位だった馬は意外なほどに不振で、対照的に6位以下だった馬は7勝をあげる大活躍。つまり、前走で「先行していた組」と「最速上がり馬」が狙い目ということになるのだ。

 年齢別では、4歳馬が連対率25.0%、複勝率36.1%と、抜けて高い信頼度を誇っている。それに次ぐのが5歳馬で、6歳以上になると一気に信頼度が低下する傾向にある。つまり、基本的には「若くてフレッシュな馬のほうが強い」レース。近年の傾向や結果から考えるに、斤量面で有利な3歳馬も積極的に狙ってみる価値があるはずだ。

 最後に騎手関連データだが、G1ながら鞍上の乗り替わりがまったくマイナスにならないのが大きな特徴。また、関東所属騎手が不振であるのも、押さえておきたいポイントである。目立っているのが外国人騎手の強さで、昨年も一昨年も外国人騎手によるワンツー決着。今年も多くの外国人ジョッキーが騎乗予定だけに、二度あることは三度ある──という結果となる確率は、かなり高いと思われる。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、ロードカナロア産駒、スクリーンヒーロー産駒をプラス評価の対象とした。京都芝のマイル戦でディープインパクト産駒が強いのはよく知られるところだが、それ以上の強さを見せているのがロードカナロア産駒。昨年の勝ち馬であるステルヴィオも、ロードカナロア産駒である。

 スクリーンヒーロー産駒の好成績は、そのほとんどがグァンチャーレの好走によるものだが、このレースに出てくるのはそのグァンチャーレ自身。高いコース適性を有しているのは間違いなく、安田記念のような積極的なレースをすれば、今度は馬券圏内への食い込みがあるかもしれない。

★特別登録馬 総論×各論

 登録段階でフルゲートは割ってしまったが、出走馬の「レベル」は非常に高い、今年のマイルCS。G1で勝ち負けしてきた実績のある馬がこれだけ出てくると、レースも馬券も面白くて仕方がない。高いレベルでの混戦模様で、どういった人気分布になるのかも興味深いところである。

 トップ評価は、1番人気にならなかった場合のダノンキングリー。毎日王冠で見せた末脚には、正直なところ驚かされた。主戦の戸崎騎手が負傷したことで、鞍上が横山典騎手に乗り替わる予定ではあるが、乗り替わりがマイナスに働かないレースであることから、大きな割引材料にはならないはず。まだG1を勝っていない「胸を借りる」身ではあるが、そのポテンシャルの高さは大きな魅力である。

 二番手評価にダイアトニック。こちらは、前走のスワンSでも手綱をとったスミヨン騎手が継続騎乗するとの想定である。こちらも実績面では見劣るが、モズアスコット以下を差し切った決め脚の鋭さや、接戦をモノにした勝負強さは大きな魅力。ロードカナロア産駒であること、4歳馬であること、前走が最速上がりであったことなど、買い材料もじつに豊富だ。勢いに賭けるなら、この馬だろう。

 三番手評価にダノンプレミアム。ハイレベル戦だった天皇賞・秋で2着に好走して、その強さを改めて実感した次第だ。実績のあるマイルへの距離短縮はいい方向に出るはずで、先行勢に展開利がありそうな組み合わせや、Cコース替わりもプラス。久々を叩かれての上積みもあるはずで、久々のG1勝利も十分に期待できる一戦といえる。懸念材料は、成績がイマイチである1番人気に推された場合か。

 四番手評価にインディチャンプ。デビューから一度も5着以下になったことがないという安定感は素晴らしく、毎日王冠での3着も久々としては悪くない内容。安田記念ではアーモンドアイやアエロリットに先着しているのだから、ここでは能力上位といえる。競馬センスがよく、スッといいポジションを取れる操縦性の高さも、この馬の大きな武器。相手は骨っぽいが、それでも勝ち負けできるだけの力がある。

 以下は、アルアイン、レイエンダ、グァンチャーレ、ペルシアンナイトという評価の序列。ただし、内枠に入った馬は評価を大きくプラス、中枠に入った馬は大きくマイナスする必要があるため、この評価順はけっこう入れ替わると思われる。あとは、外国人騎手が強いレースだけに、鞍上がどうなるかも要注目だろう。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



順当決着に賭けてもハズレんのかよ(#^ω^)ビキビキ

さすがに01アフリカンゴールドの1番人気は過剰評価だよなあ……と思いつつも、素直に馬連で勝負したでござるよ。で、一瞬は当たるか──と思ったところから02タイセイトレイルに差されて、馬券はパーでござった(胃痛)。しかしアタイ、このコラム用の馬券だけで年間とんでもない額を吐き出している気がするんだけど……気のせい?

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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