スマートフォン版へ

【ジャパンC追い切り】2週前での時計が重要!? 混戦を断ち切る馬はどの馬か、追い切りを徹底解説!

  • 2019年11月20日(水) 18時03分

丹念に積んできた追い切りが実となっている


 先週のマイルCS。毎年重視する調教パターンで本命を選びましたが、◎グァンチャーレは8着。結局は同じ調教パターンに該当した▲インディチャンプと○ダノンプレミアムだったので、本命が違えば、という結果。ただし、ここはいろんな要素を考えた上で本命を打ったわけですから、歯を食いしばるしかありません(笑)。

 今週のジャパンC。他所では「2週前週末にしっかり時計を出す」と記したのですが、これに該当している馬が、意外と人気薄。今回に関しては、東京競馬場でのレースということもあり、美浦所属馬にも気になる馬がいるので、ウマい馬券での最終結論にはまだ迷っているところですが、ここでは栗東所属の調教内容を解説したいと思います。

【ジャパンC/ユーキャンスマイル】

 天皇賞秋ではもう少しで3着という末脚を発揮して4着。レース後の友道康夫調教師も「やっぱり左回りは走る」と、ここへ向けてトーンの上がる結果でした。しかし今回はその疲れが気になるところ。ですが、11月10日の2週前週末に坂路で4F59.4秒、2F27.0秒、1F13.2秒をマークしているので問題ありません。

 ただ、近5走で1週前追い切りの遅れは今回が初めて。テンから飛ばしていく流れで全体時計も速くなっただけに、ここは仕方ないのかも知れません。また、1週前追いで速い時計を出すのはJCとしては調教適性が高いので歓迎したいところです。あとは最終追い切り。坂路で4F55.0秒と遅くなりましたが、4F目が最速になるラップは踏めており、1週前でテンションが高くなったりしていない点はいいと思います。

ユーキャンスマイル

併せ馬には遅れたが、テンションが上がっていない点は評価したいユーキャンスマイル


【ジャパンC/ワグネリアン】

 天皇賞秋はユーキャンスマイルとともに追い込んで5着。枠順などを考えると、あらためて力があるところを示しました。こちらは2週前の週末には時計を出していません。もともとテンションが上がりやすいところがあるので、そのあたりのことも考慮されてのことでしょう。

 その分と言いますか、1週前追い切りがCWで速い時計。藤岡康太騎手が跨っていましたが、落ち着きがある走りだったにもかかわらず、速い6F時計でしたから、非常にいい動きだったと思います。最終追い切りは坂路で川田将雅騎手が跨っての併せ馬。前を見ながら、楽な手応えでゴール同入。最後も馬なりだったので、4F目最速にはなりませんでしたが、12.8秒の持続ラップ。落ち着いて走れている点に関しては前走以上と考えています。

ワグネリアン

落ち着いて走れている点は前走以上のワグネリアン(11月19日撮影)


【ジャパンC/スワーヴリチャード】

 こちらは天皇賞秋が7着。古馬になってからは速い上がりを使えるようなタイプでもないだけに、仕方ない結果かも知れません。昨年は天皇賞秋の敗戦からJC3着という巻き返しでしたが、今年は調教パターンが替わりました。それが坂路での追い切り。中間も含めて、すべて坂路で追い切るという徹底ぶりです。

 これについて、先週金曜日に庄野靖志調教師に伺ったところ「もう出来ているから、オーバーワークを避けるため」という回答をいただきましたが、そこは前走の状態が良かったと思っている個人的な印象からも納得です。あと個人的な解釈として、瞬発力強化には坂路で追い切ることが刺激になる可能性はあります。ただ、近3年のJC3着以内馬は1週前追い切りの場所がすべてトラック。そこは気になります。

スワーヴリチャード

調教パターンを替えて、中間からすべて坂路で追い切ったスワーヴリチャード(11月19日撮影)


【ジャパンC/エタリオウ】

 京都大賞典では先行することも視野に入っていたようだが、行き脚が悪くなってきたとのこと。それを改善すべく、この中間はゲートから時計を出すなど、しっかりと強い負荷をかけて、気持ちを前向きにさせる調教内容が課せられています。2週前週末には坂路で4F55.3秒、1F13.1秒ですから、JCに必要な調教適性も十分です。

 最終追い切りは坂路で単走。前をマカヒキが単走で走っている状況でしたが、変に気負って追いかけるようなことはなく、淡々と自分のリズムを守る走り。後半2Fはしっかり加速して、2F時計が自己ベストの24.9秒。ここまで丹念に積んできた追い切りが実となって動いた数字という印象を受けます。

エタリオウ

気持ちを前向きにさせる調教内容が課せられているエタリオウ(11月19日撮影)


【京都2歳S/マイラプソディ】

 頭数は少なくなりましたが、なかなか面白いメンバー構成になりそうなレース。なかでも注目は一戦毎に強くなっているこの馬。デビュー前はいかにも緩いハーツクライ産駒という印象でしたが、前走野路菊Sではしっかりしたところが出てきて、今では当時よりも更に逞しさが出てきた印象を受けます。

 CWと坂路をきれいに併用しているあたりが順調さを物語っていますし、武豊騎手が跨った1週前追い切りではトリコロールブルーを圧倒する素晴らしい動き。ここまでの2戦はいずれも1週前に武豊騎手が跨っていますが、それが継続されている点も評価したいところ。ここはしっかり結果を出して、次走以降の大舞台を楽しみにしたいところです。

マイラプソディ

トリコロールブルーを圧倒する動きを見せたマイラプソディ


◆次走要注意

・11/16 2歳新馬【ルーツドール】(2人1着)

 勝ち時計は翌日の赤松賞よりも1秒以上速い数字。2着に5馬身という圧勝ぶりから今後の活躍を期待したいところ。今後は距離延長にもしっかり対応してくれるでしょうし、来春が楽しみな1頭です。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ステイヤーズS【アルバート】

 前走京都大賞典時も馬の状態は良かったはず。ただ、結果が出なかっただけで、今回もすこぶる順調。O.マーフィー騎手が騎乗したCWでの併せ馬は抜群の動き。1週前としては素晴らしく動けています。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング