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【ジャパンC】今年のジャパンカップは「牡馬の古馬」で開花しやすい「血統」に注目

  • 2019年11月22日(金) 19時00分
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「血を育むのは人」、厩舎の育成力も重要


 血統の「傾向」とは、馬場や距離適性だけではありません。心身のピークを迎える年齢やキャリアの「傾向」も重大なヒントになります。

 特に、今年のジャパンカップは、3歳馬の参戦はカレンブーケドールのみ。14頭は牡馬の古馬(4歳以上)同士のレース。

「古馬」になって2400m以上のG1で開花しやすい「血統」を狙うのも有効ではないでしょうか。(原稿を書いている今の段階では、天気の予想も難しいので馬場適性を語りづらいこともありますが…)

 今年出走する馬の中で、古馬牡馬の産駒でG1勝利数が最も多い種牡馬はステイゴールドの13勝。ディープインパクト産駒は7勝。

 ステイゴールド産駒は古馬になって複数のG1勝利をした馬もいますので、勝ち馬を出した頭数での集計もしましょう。すると1位はステイゴールドとディープインパクトが7頭ずつ。

 ただし、ディープインパクト産駒の牡馬は、古馬で芝2200m以上のG1を勝利したのはフィエールマンのみ。過去のジャパンカップもディープインパクト産駒は3勝していますが、いずれも牝馬。(ショウナンパンドラとジェンティルドンナが2勝)

 一方のステイゴールド産駒の牡馬は、古馬で芝2000m以下のG1を勝ったのはインディチャンプのみ。他の6頭はすべて芝2200m以上のG1で勝利した馬でした。

 なお、今年になってステイゴールド、ディープインパクト産駒でそれぞれの例外(インディチャンプとフィエールマン)が出たのは興味深いですが、2頭はいずれも従来のG1で結果を残してきた繁殖のパターンとは異色ではありました。(それを書くとJCとは関係ない話になりすぎるので、今回はここまで)

 ディープインパクト産駒で従来どおりの傾向を重視するならカレンブーケドール。ディープ産駒は古馬よりも3歳馬、牝馬の方が古馬混合の芝2200m以上のG1で結果を出しています。馬場は軽い方が良いタイプではありますが、他のディープ産駒も軽い馬場のほうが良いタイプ。そこをどう考えるか?(この原稿を書いている段階では馬場もわかりませんが)

 ステイゴールド産駒はルックトゥワイスとエタリオウ。

 ルックトゥワイスは母系にシャーペンアップ、エルバジェ。欧州血統の中でもタフな馬場を特に好む血統。このクラスに出走する馬はタフな馬場で大きくパフォーマンスを落とすタイプも多いのですが、同馬はタフな馬場でのパフォーマンスの下落幅は少ない血統。

 エタリオウの牝系は自身のパフォーマンス発揮は軽い馬場のほうが合うタイプですが、父ステイゴールドの産駒は馬場で気持ちがキレ難い特徴も。(他でキレることは多いですが)このメンバーの中ではタフな馬場でのパフォーマンス下落確率も低いタイプ。

 ステイゴールド産駒は芝2200mと2500mのG1(宝塚記念、有馬記念)も得意とするので、そちらの方が合うのではないか?とも思っていたのですが…エタリオウを管理する友道厩舎は直線の長い1600、2000、2400mは申し分のない実績。しかし、直線が短い芝2200mと芝2500mのG1を勝ったことがないことには驚きました。

 能力の方向性が一定ではない以上「相反する長所」をどちらも伸ばすのは超一流厩舎でも至難の業なのかもしれません。厩舎の育成力も重視するなら、ここが買い頃になります。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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