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【阪神JF】末脚のキレがとにかく重要な一戦!

  • 2019年12月01日(日) 18時01分

■阪神ジュベナイルF(G1・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録19頭


★3行でわかる!阪神ジュベナイルF 攻略の糸口

1.末脚のキレが必要不可欠。前走上がり順位が超重要
2.枠番はフラット。距離延長組は少し評価を割り引くべき。
3.大きくは荒れない一戦。中穴のキャリア2戦馬に注目!

データ特注推奨馬
★ウーマンズハート

 詳しくはレースデータの項で解説するが、阪神ジュベナイルFはとんでもなく「差し優勢」なレース。昨年の連対馬であるダノンファンタジーとクロノジェネシスも、最後方からの競馬だった。ソウルスターリングのように先行策から押し切った馬もいるが、このレースにおいてはレアケース。極論すると、ものすごくキレる末脚さえあれば勝ててしまうレースといえるだろう。

 となれば、自然と重要になるのが「前走での上がり3F順位」である。今回は、前走で芝の1600m以上戦に出走していた馬に限定して、データ集計を行っている。なぜなら、前走が芝1400m以下戦だった組よりも明らかに好成績だからである。結果は一目瞭然で、前走での上がり3F順位が上位であればあるほど、このレースでも好成績。5番人気以内に推された馬に限れば、その連対率は34.5%もある。

 今年の登録馬で「前走芝1600m以上戦で上がり最速」という条件を満たすのは、ウーマンズハート、クラヴァシュドール、マルターズディオサ、リアアメリアの4頭だけ。そのなかでも他に買い材料が多いウーマンズハートを、データ特集推奨馬にあげておこう。上位人気になるのは確実だが、この馬のキレ味は相当なモノだ。


【コース総論】阪神芝1600m外 Aコース使用

・コースの要所!

★人気による成績の偏りが小さいコース。あえていえば7〜9番人気が優秀か。
★好成績なのは中枠である馬番7〜12番。外枠はやや信頼度が落ちる傾向あり。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。外回りらしく、上がり上位馬は好成績。





 バックストレッチのやや2コーナー寄り地点からスタート。最初のコーナー進入まで距離的な余裕があり、さらに緩やかな上り坂でもあるため、序盤から速いラップが刻まれるケースは珍しい。最後の直線も450m以上と長く、最後の直線では急坂が待ち構えているのもあって、瞬発力の要求度の高いコースといえるだろう。

 まずは人気別だが、人気による成績の偏りがないのが大きな特徴。これはつまり、人気通りの結果を出している馬が多いということだ。人気から穴まで手広く狙えるコースだが、あえていえば7〜9番人気や10〜12番人気など、穴っぽいところを狙うのが面白そう。連対率や複勝率の高さから、リスクを取りにいく価値が十分あるといえる。

 次に枠番データだが、こちらも極端に大きな偏りはナシ。勝率や連対率は、ほとんど横並びである。内容的には中枠である馬番7〜12番が少しだけ優秀で、複勝率や複勝回収値の低い外枠の評価がもっとも低くはなるのだが、あくまで微差。馬場バイアスや展開にもよるが、基本的には枠番の内外をあまり気にする必要がないコースである。

 最後に脚質について。最後の直線が長い外回りコースで急坂もあるが、道中のペースが緩いと前は意外に止まらない。実際にデータを見ても、先行勢と中団待機組がほぼ互角に張り合っている。勝率については先行勢のほうが高いが、上がり上位馬が好成績であるのを考えると、重賞では差し優勢となるケースが多いはず。いずれにせよ、いい決め脚のある馬のほうが、勝ち負けを期待できるのは間違いない。

【レース総論】阪神ジュベナイルF(G1) 過去10年

・レースの要所!

★中穴である4〜6番人気が素晴らしい成績。関東馬も意外に強いので要注意。
★内枠の成績がイマイチも、人気馬は結果を出している。実際はフラットか。
★ハッキリと差し優勢。鋭い末脚だけでも勝ち負けに持ち込めそうなレベル。
★1戦1勝馬をのぞきキャリアは浅いほうがベター。距離短縮はプラスに評価。









 レースの平均配当は、単勝575円、馬連5318円、3連複5万3694円と、3連複だけが突出して高くなっている。これは、大波乱となった2012年が大きく影響している。単勝平均の低さを見てもわかるように、波乱傾向はそれほど強くはなく、近年はかなり順当な決着となっている。そろそろドカン!とくるかもしれないが、だからといって極端な穴狙いはオススメしかねる。

 目立っているのは、中穴である4〜6番人気の活躍だ。トータル[4-2-4-20]で連対率20.0%、複勝率33.3%と高信頼度で、回収値ベースの数値も高水準。的中率と爆発力のバランスが非常にいいので、ここから入るのが面白そうだ。7番人気以下の穴馬もそれなりに上位に食い込んでいるが、こちらは狙いを絞り込むのが難しそう。となると、なおさら中穴から入る馬券が魅力的となる。

 判断が難しいのが枠番データ。内枠である馬番1〜6番が連対率8.3%と低調な結果に終わっており、いっけん内枠が不利なのかと思える。しかし、ひとケタ人気に限定したデータではまったく遜色なく、実際は「フラット」なのだと思われる。一昔前は妙に外枠が強かったものだが、その偏りが徐々に収束しているのだろう。

 ただし、脚質面は思いっきり「偏って」いる。ここまでハッキリと差し優勢なレースは珍しいほどで、勝率、連対率、複勝率のいずれも中団待機組が断然のトップ。上がり上位馬の強さもコースデータ以上で、冒頭の特注データもそれを裏づけていたが、末脚のキレが超重要なレースであるのは間違いない。

 前走距離別では、芝1800mからの距離短縮組が好成績。それに次ぐのが前走芝1600m組で、芝1400mからの距離延長組は信頼度に物足りない。前走芝1200m組が全滅していることからも、距離延長組の過信は禁物といえそうだ。レースキャリア別成績では、レース経験の豊富さが結果につながっていない様子がうかがえる。経験よりも「素質」が問われるレースということだろう。

 最後に騎手関連データだが、レース経験の浅い2歳牝馬というのもあってか、継続騎乗組のほうが乗り替わり組よりもハッキリと好成績。また、ホームであるはずの関西所属騎手がイマイチな結果に終わっているのも、大きな特徴。アウェイであるはずの関東所属騎手のほうが、内容は格段にいい。外国人ジョッキーが強いのはいつものことだが、関東所属騎手による穴馬の激走も警戒しておきたい。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒とロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。芝マイルにおける現在の二大巨頭であり、このコースでも高い適性を見せている。それに比べると、ダイワメジャー産駒やハーツクライ産駒が見せている内容は、少し落ちると言わざるをえない。ここは素直に、長いものには巻かれたほうが得策だ。

★特別登録馬 総論×各論

 ここで人気を二分するのが、アルテミスSの勝ち馬であるリアアメリアと、新潟2歳Sを制したウーマンズハート。レース内容からも高い能力を有しているのは間違いなく、甲乙つけがたい存在である。近年、順当決着傾向が強まっているのもポイントで、今年も大きくは荒れないのではないか──というのが、登録馬を見ての印象だ。

 トップ評価はウーマンズハート。末脚のキレが勝ち負けに要求されるレースであるのは繰り返し述べた通りで、それについてはこの馬が最右翼。開幕から2週目でまだ馬場が荒れていない阪神の芝コースならば、この馬の持ち味をフルに発揮できそうだ。鞍上がまた乗り替わる想定だが、外国人ジョッキー騎乗ならば±ゼロ。「当たり年」のハーツクライ産駒であるのも魅力的だ。

 二番手評価も、いたって順当にリアアメリア。ノーザンFの生産&育成馬で、最終的な人気はこちらのほうが上になると思うが、こちらも末脚のキレは相当なレベルである。前走のアルテミスSでは、2番目に上がりが速かったサンクテュエールよりも0秒6も速い上がりを繰り出して快勝。ディープインパクト産駒であること、川田騎手が継続騎乗予定であることなど、買い材料もかなり豊富だ。

 三番手評価にマルターズディオサ。デビュー戦はウーマンズハートに完敗したが、そこから連勝してここに駒を進めてきた。さすがに末脚のキレでは見劣るかもしれないが、接戦をしっかりモノにしてきた勝負強さは高く評価できるもの。関東の田辺騎手が騎乗予定であるのも、このレースに関してはプラスとなる。4〜6番人気に推されるようならば、さらに評価を上げる必要がありそうだ。

 四番手評価にクラヴァシュドール。前走はサウジアラビアロイヤルカップに出走して、牡馬のトップクラスであるサリオスの2着に入っている。結果としては敗れたが、こちらも走破時計や上がりなど見どころは十分。現2歳世代牝馬のなかでも、有数の素質馬といえるだろう。先行勢に有利な馬場や展開になれば、戴冠の可能性も大いにあるはず。上位に評価してしかるべき1頭といえる。

 以下は、ヴィースバーデン、レシステンシア、ロータスランドという評価の序列。やはり、今年は堅く決まる確率が高いと思われる。直前の人気も加味しながら、手を広げるのではなく「絞る」方向で勝負したい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



ワイドォォォォォ!(#^ω^)ビキビキ

 内枠重視の姿勢は正解で、実際に「ウマい馬券」の予想でも05スワーヴリチャードに○、01カレンブーケドールに▲を打っていた……んだけども!どっちみち02ワグネリアンからの馬連で勝負している時点で当たらないという説。道中の流れや馬群のカタチを眺めながら、なんとなく嫌な予感はしてたけどさ(胃痛)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2014年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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