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【阪神JF】ここ3年の堅さは今年も続く?

  • 2019年12月03日(火) 12時00分

今年は「ひねる」より「絞る」


 阪神芝1600mは直線も長く、前半がゆるいと極端に速い上がりも出やすい。キレるタイプであって損はないというコースだ。

 ただ、過去10年の「前走上がり最速馬」は[6-4-2-43]で回収率が単55%・複64%でパッとしない……これにはからくりがあって、前走条件戦組が寄与していないのだ。新馬・未勝利組が[0-0-1-12]、1勝クラス組が[1-0-0-18]と、計30頭中2頭しか馬券に絡んでいない。

 前走オープン組に限ると[5-4-1-13]。そのうち6頭は負けてきた馬なので、「前走上がり最速でオープン・重賞を勝ってきた馬」とすると[5-2-1-9]、回収率が単151%・複76%となる。

 今年、前走オープンを上がり最速で勝ってきた馬というとリアアメリアとウーマンズハート。その決め脚が生きるということになると、堅い決着になる。

 このタイプが連対したのは過去10年のうち2010年(3連単24540円)、2013年(同42130円)、2016年(同4250円)、2017年(同8560円)、2018年(同5020円)で、いまの番組構成に近い過去3年は相手も上位人気になっている。

 このタイプが飛んだ事例のうち、2番人気だったサンブルエミューズが8着に終わった2012年は前半が45.9秒→後半が48.3秒の極端な前傾ラップ。こうなるとキレではなくバテ合いの様相になって荒れることもある(この年は3連単304万円)が、最近の競馬でそのような極端なペースがそうそう起こるとは思えない。

 あまり考えたくないことだが、今年は「ひねる」より「絞る」ことを考えたほうがいいのかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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