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【中日新聞杯】近年でも珍しい、抜けた馬のいない大接戦

  • 2019年12月06日(金) 18時00分

左回りでの逆転に期待


 再三、施行時期の変わる重賞で、春3月からまたまた12月に移ったのは2017年からのこと。同じ12月だった2000年から2011年の結果をみると、どんどん世代交代の進むこの時期なので、断然「3-4歳馬有利」がパターン。

 ただ、今年はきわめて不思議な組み合わせで、実績上位の目安になる「56-58キロ」のハンデを課せられた馬が1頭も見当たらない。14頭までが「53-55キロ」の中間ハンデに並んでいる。実力接近、抜けた馬のいない大接戦と考えていい。

 前回、復活を遂げたサトノソルタスは引き続きC.スミヨンの予定もあったが、発表されたハンデはスミヨンの減量範囲を下回る54キロ。そこでスミヨン騎手は55キロのアイスバブルに変わったあたりも隠れたポイントか。

 54キロの4歳馬アイスストーム(父ストーミングホーム)に注目。6月にオープン入りし、小倉記念11着(0秒6差)。アンドロメダS5着(0秒3差)。まだ結果は出ていないが、休み明けのアンドロメダS(L)2000mは、道中スムーズさを欠いて直線は仕方なく大外。十分に追えなかったが、今回も対戦する勝ち馬のマイネルサーパスとわずか0秒3差だけ。

 通ったコースと、今回は勝ち馬が2キロ増に対し、こちらは同じ54キロのハンデを考慮すると、互角以上の内容が期待できる。4走前、東京1800mを鋭く抜け出した際は上がり「32秒5」の快勝だった。どちらかといえば左回りの方が合う印象が濃い。

 父ストーミングホームは、日本ではティーハーフ(日曜の阪神JFのウーマンズハートの母の半弟)、クイーンSのマコトブリジャールを送る程度にとどまるが、タフな中距離型で英チャンピオンS(10F)などの勝ち馬。

 もともと強いクロスがありすぎて配合の難しい馬だったが、デザートチルとの配合のアイスストームには、Mr.Prospectorの「3×4×5」など、さらに強烈なクロスが生じた。大化けして本物になる馬が出現して不思議はない。

 使って良化の今回は、いつにも増して絶好の追い切りだった。逆転の快走に期待したい。今度は変わること必至のラストドラフト(マーフィー)、目黒記念でも通用したアイスバブル(スミヨン)が強敵。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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